【急募】4人同時に求婚してきた時の対処法～クセの強い彼らに溺愛されて困ってます～

くしゃり

「はい、ここからは綺羅のセットアップ～！！！僕こう見えても手先器用でよく女の子達にやってあげてたんだよね、お団子、編み込み、アップスタイル、なんでも出来るよ。どんなのがいい？」

いや見た目からして器用そうです、なんてツッコミは置いておいて。決められずにいると、綺羅様が例として色んな髪型をさせてくれる。

「あ、これ、可愛い…！」

目ざとくその言葉に反応して、綺羅様の手が止まる。

「うん！僕もすっごく可愛いと思う、これで行こっか！あとでやり方も教えてあげるよ」
「！ありがとうございます！」

さて次は～と言いながら綺羅様が取り出したのはなんとメイクポーチだった。

「？もしかして綺羅様っていつもお化粧してるんですか？」
「え！？今気づいたの！？」
「は、はい…」
「もう、みさちゃんってば敏感なんだか鈍感なんだか…ほら、これとかカラコンだよ」

そう言って外して見せてくれる。

「！元の瞳はピンク色なんですね！すごく可愛いし、お似合いの色です！」

そう明るく伝えるも、綺羅様にしては珍しく歯切れの悪い答えが帰ってくる。

「あー、うん、ありがと…」

この表情には見覚えがあった。あの日あの時。バルコニーで見た表情だ。
思わず立ち上がって綺羅様の顔をぐっと真正面になるよう固定する。にこりと、出来るだけ柔らかく微笑みながら。

「…お綺麗ですよ、綺羅様にぴったり」
「…うん、ありがとう、みさちゃんにそう言って貰えるなら今日は外そっかな！」

くしゃりと顔を歪ませて綺羅様は笑った。

「って！時間時間！！！やばい、急ぐよ！はい、みさちゃん目閉じる！！！」
「は、はい！」

ぽふぽふと粉をはたかれたりアイラインを引かれたり。

「…ん、リップもこれでよし。みさちゃん最後に、んまってして」

唇を巻き込んでぱくぱくしてみせる綺羅様に習う。綺羅様がずいっと近寄ってきた。

「さっすが僕、完璧！！！さ、大学戻るよ！」
「え、私まだ完成形見れてないんですが！？」
「そんなの後ででもいーの！行くよ！」

もう！綺羅様ってば強引なんだから！
食堂に戻ってくる。女性達はそのままそこにいた。