【急募】4人同時に求婚してきた時の対処法～クセの強い彼らに溺愛されて困ってます～

膝枕

日が沈んで、間もなく。晶様のスマホと私のスマホが一斉に鳴った。
顔を見合わせて、はてなを浮かべる。晶様のスマホは桐さんから。私のスマホは千景様からの着信だった。

「はい、もしもし…」
「みささん！今日晶兄様と岬まで行ったんだよね！？」
「はい、今もいますが…」
「帰り道の橋が洪水で水没しちゃったって！」
「「えええええ！？」」

ヘリを派遣しようにも停められる場所がない。幸い、明日になれば橋は元通りになるとの事で。私たちは突如車で一夜を過ごさないといけなくなってしまった。

「はあ、ほんま堪忍なあ、みさちゃん…」

晶様は先程からずっとこんな調子だ。連れ出してしまったことを悔いているようだが…もう、しょうがないなあ。

「はい！晶様！！！」

ポンポンと正座して膝を叩く。訝しがりながらも、晶様は寄ってきてくれた。そこを、こう！！！

「うわ！？ちょ、みさちゃん！？」

無理やり肩を掴んで、バランスを崩させる。晶様は私の目論見通り、私の膝の上に頭を乗せる形となった。

「もう、起こったことは悔やんでも仕方ないですし、橋が水没したのだって晶様のせいじゃありません！いつもの元気な晶様はどこに行ったんですか！」

ぷんぷんと、わざと怒ってみせる。そうすると、やっと笑顔を見せてくれた。

「…ぷっ、ふはははっ！そうやな、ありがとなあ、みさちゃん…むしろ今回はチャンスやと思っとくわ」
「え？」
「ん？2人きりで一夜を過ごすんやで？何も起こらないはずもなく…あたっ」

ペチンと軽く頭をはたく。

「そんなこと言う人に膝は貸せませんー」
「ああっ！俺が悪かったから！！！もうちょいこのままで！！！」

それからなんでもない話をして笑った。