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僕色の君
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「もっとお2人とも近づいて!」
「こ、こう?」
ちょこちょこと隣との距離を詰めれば
「ん?こうだろう?」
ぐいと腰を引き寄せられる。 それだけじゃない。カメラマンさんの指示で、気づけば私は宮治様の胸に両手をついて、寄り添うようにして微笑んでいた…恥ずかし、誰かに見られたら困る。一生の恥レベルだ。
「いいですね!もう1枚!!!今度はちょっとキスしてみよっか!」
「おやみささん、キスだって」
「ちょ!?本気でやる気ですか!?」
「えー、だって指示には従わなきゃ、でしょう?」
にまにまと意地の悪い顔をして。くいと顎を引き上げられる。薄い形の良い唇が降ってきて…きゅっと思わず目をつぶった。
「…ごめんね、怖がらせて」
その言葉とともに、おでこに柔らかい感触がした。
「あ…」
「撮影はここまでで結構です。このまま帰るので。会計はこれで」
黒いカードを定員さんに渡している。ぽけーっとその場を眺めていたが、はたと気づく。
「これ全部購入するんですか!?」
「?え、うん」
「そんな、買ってもらうなんて…悪いです!!!」
「これは、パーティ用の衣装。僕の隣に立つにはそれなりの格好をしてもらわなきゃ…つまりこの買い物はひいては僕のため。まさか君、普段の格好で来るつもりじゃないよね?」
文句ある?とでも言いたげに微笑まれてしまえば何も言い返せない。確かに私の持っている服で宮治様の隣に立つのはいただけないけども…!
「ヘアメイクまで今日やる必要ありましたか!?」
「本番さながらで今日は練習するからね。必要必要。さっ、帰るよ」
腰を抱かれたまま車に乗せられる。
「えっ、この格好皆様にも見られるんですか…!?」
「むしろ僕色に染まった君をみんなに見てもらうのが本来の目的だからね…ってふふ、言っちゃった」
…宮治様、趣味悪。
それにしたってこのドレス、見ている分には本当に綺麗なのだけれど、胸元も背中も大きく開いている。こんなにも肌を見せるのは少し…いやかなり抵抗があった。
けれど私の意思なんて尊重される訳もなく。屋敷に帰ってそうそう皆さんを呼び集められる。
「こ、こう?」
ちょこちょこと隣との距離を詰めれば
「ん?こうだろう?」
ぐいと腰を引き寄せられる。 それだけじゃない。カメラマンさんの指示で、気づけば私は宮治様の胸に両手をついて、寄り添うようにして微笑んでいた…恥ずかし、誰かに見られたら困る。一生の恥レベルだ。
「いいですね!もう1枚!!!今度はちょっとキスしてみよっか!」
「おやみささん、キスだって」
「ちょ!?本気でやる気ですか!?」
「えー、だって指示には従わなきゃ、でしょう?」
にまにまと意地の悪い顔をして。くいと顎を引き上げられる。薄い形の良い唇が降ってきて…きゅっと思わず目をつぶった。
「…ごめんね、怖がらせて」
その言葉とともに、おでこに柔らかい感触がした。
「あ…」
「撮影はここまでで結構です。このまま帰るので。会計はこれで」
黒いカードを定員さんに渡している。ぽけーっとその場を眺めていたが、はたと気づく。
「これ全部購入するんですか!?」
「?え、うん」
「そんな、買ってもらうなんて…悪いです!!!」
「これは、パーティ用の衣装。僕の隣に立つにはそれなりの格好をしてもらわなきゃ…つまりこの買い物はひいては僕のため。まさか君、普段の格好で来るつもりじゃないよね?」
文句ある?とでも言いたげに微笑まれてしまえば何も言い返せない。確かに私の持っている服で宮治様の隣に立つのはいただけないけども…!
「ヘアメイクまで今日やる必要ありましたか!?」
「本番さながらで今日は練習するからね。必要必要。さっ、帰るよ」
腰を抱かれたまま車に乗せられる。
「えっ、この格好皆様にも見られるんですか…!?」
「むしろ僕色に染まった君をみんなに見てもらうのが本来の目的だからね…ってふふ、言っちゃった」
…宮治様、趣味悪。
それにしたってこのドレス、見ている分には本当に綺麗なのだけれど、胸元も背中も大きく開いている。こんなにも肌を見せるのは少し…いやかなり抵抗があった。
けれど私の意思なんて尊重される訳もなく。屋敷に帰ってそうそう皆さんを呼び集められる。
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