【急募】4人同時に求婚してきた時の対処法～クセの強い彼らに溺愛されて困ってます～

感謝

「わあ…！すごい桜景色！！！一体何本あるんでしょう！すごく素敵です！！！」
「ふふ、はしゃいでいるね、みささん。お気に召したようで何よりだよ」
「はい！だってすっごく綺麗ですもん！」

今日の彼女の服は白いレースのブラウスに明るい茶色のサロペット。腰にはリボンがまかれている。聞くところによると、誰が選んだ服を着るか、相当熾烈な争いがあったようだが…無事綺羅兄様が勝ち取ったらしい。誰もその結果に文句を言わないのは、似合っていると、みんな思っているからだろう。

「ここ、神ノ杜の敷地内だから、誰の邪魔も入らない。みさ、一番綺麗なところ、探そ」
「じっくり見定めなきゃですね！」
「二人ともはしゃぐのはええが転ばんようになー。ま、咲夜がおるなら抱き留めてくれるやろうけど」

それからしばらくして、二人お墨付きの場所が見つかる。古川さんが手早くレジャーシートをひいてくれて、みんなで古川さんの作ってくれた重箱とお酒を囲む。兄様達全員とこんな和気あいあいとするなんて、初めてなのではないだろうか。引き合わせてくれた当の本人はお酒を注いだり料理を取り分けたりで、思いついてすらいなさそうだけど。小さく心の中で感謝した。

「お～！！！千景！飲んどるかあ？？？」

…雰囲気ぶち壊しの晶兄様の声が聞こえてきた。晶兄様は本当に面倒見もよく、いい人なのだが、唯一の欠点がこの酒癖の悪さだ。酔いがすぐに回るし絡むし相手しないと拗ねるし。

「晶兄様、僕まだ18です」
「お、なんやあ、千景にはまだまだ早かったかあ！じゃあ綺羅やな！」
「うげっ、こっち来た…はいはい、飲んでるよ」
「みさの料理、久々に食べた。やっぱりすごく、美味しい」
「本当にね、お酒ともよく合う。ふふっ、これは飲むペースが速くなってしまっても仕方がないね」

ちなみにお酒は兄様が一番強い。酔っている姿なんて見たことがない。次が綺羅兄様。本人曰く、このくらいが普通だそう。笑い上戸。咲夜兄様は晶兄様よりはマシだが相当弱い方らしい。晶兄様については…もうこの人、匂いだけで酔うんじゃないか。
そんな風に冷静に分析していると、兄様達がどんどん冷静でなくなっていく。そんな中、突然僕に矛先が向いた。