【急募】4人同時に求婚してきた時の対処法～クセの強い彼らに溺愛されて困ってます～

新しい使用人

僕が一心不乱に勉強していると、コンコンと控えめなノック音がした。こんな夜更けに誰だ？訝しがりつつもどうぞと応答すると、初めて見るお手伝いさんがいた。

「お夜食を持ってきました。どうぞ、よかったら召し上がってください」

歳は僕とそう変わらないように見える。どこにでもいそうな、でも少し田舎っぽい女の子だった。

「あ、うん、ありがとう、いただくよ…ところで君、最近入ったお手伝いさん、かな？名前は？」
「古川と申します」
「古川さん、ね。どうぞよろしく…ん！このサンドイッチ、すごく美味しい！でも普段と味付けが違うような…」
「わかって頂けて嬉しいです。私が作ったんです。お気に召していただけたようでよかった…何かリクエスト等あれば受け付けますよ。明日のお夜食用に作ります」

にっこりと古川さんはその大きな瞳を細めて笑った。

「だったらミートパイが食べたいな。あ、あとプリンなんていいかも！」

すると古川さんが大きく目を見開いた。

「？どうしたの？作れない？」
「あ、いえ、むしろ反対で、私の得意料理なんです！明日、作ってお持ちしますね」

それでは失礼しました、そう言って去ろうとする彼女を僕は思わず呼び止めていた…若い使用人は珍しいから、もっと話してみたくなったのかもしれない。