64 / 153
クリスマスツリー
しおりを挟む
「んー、よいしょっと」
クリスマスツリーにオーナメントを飾っていく。毎年恒例のこの大好きな行事は、すっかり私担当になっていた。そこに綺羅様の明るい声が響いた。
「あ、みさちゃん!楽しそうなことしてるね~!」
「綺羅様!綺羅様もクリスマスツリーの飾り付け、好きなんですか?」
「うん、好きだよ。まあ家では使用人のすることだ~とか何とか言われてしたことはないんだけど」
じーっと私の手元を見つめる綺羅様。
「……一緒にやりませんか?」
「え!いいの!?」
ぱあっと顔が華やぐ。もちろんですと頷いて、てっぺんにつける星の飾りを渡す。
「むしろこれ、つけてくれたらありがたいです」
「そっか、このツリー高いもんね……もしかして咲夜兄さんよりも高い?あの人身長180あるけど」
「そうですね、190cmほどなので……あっ、綺羅様はそんなに私と身長が変わらないんでしたね……つけれますか?」
途端、ぷくーっと頬を膨らませる。
「なにそれ。僕のこと子供扱いしてないー?このくらい余裕だしっ!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねる綺羅様。でもてっぺんはあとちょっとというところでなかなか届かない。
「あーもう!これ届きそうで届かないの腹立つ!!!」
ブツブツと悪態をつきながらもそれからしばくトライし続けて……約5分後。ようやくツリーに星が輝いた。その瞬間の綺羅様のどうだ!と言わんばかりの表情が可愛らしくて。私は知らず知らずのうちに笑みを零していた。
「……今の完璧に子供を見守る母親の顔だったんですけど」
「す、すみません!子供扱いした訳ではなく、可愛らしいなあと……」
「それを子供扱いって言うんだよ!僕そんなにかっこよくないかなあ……身長もみさちゃんは同じくらいだって言うけどみさちゃんより5cmは高いからね?」
「と言うと……168cmほどですか?」
「えっ、みさちゃん163もあるの!?」
「あ、はい。平均よりだいぶ高いですよね。それで綺羅様は168cmなんですか?」
「……167」
ボソリと呟かれてもこの距離では聞こえない。
「え?」
「ああ、もう!!!168だから!!!そういうことだから!!!」
ぷりぷりとしたまま綺羅様は去っていった……何かしてしまっただろうか?残された私ははてなを浮かべるのだった。
クリスマスツリーにオーナメントを飾っていく。毎年恒例のこの大好きな行事は、すっかり私担当になっていた。そこに綺羅様の明るい声が響いた。
「あ、みさちゃん!楽しそうなことしてるね~!」
「綺羅様!綺羅様もクリスマスツリーの飾り付け、好きなんですか?」
「うん、好きだよ。まあ家では使用人のすることだ~とか何とか言われてしたことはないんだけど」
じーっと私の手元を見つめる綺羅様。
「……一緒にやりませんか?」
「え!いいの!?」
ぱあっと顔が華やぐ。もちろんですと頷いて、てっぺんにつける星の飾りを渡す。
「むしろこれ、つけてくれたらありがたいです」
「そっか、このツリー高いもんね……もしかして咲夜兄さんよりも高い?あの人身長180あるけど」
「そうですね、190cmほどなので……あっ、綺羅様はそんなに私と身長が変わらないんでしたね……つけれますか?」
途端、ぷくーっと頬を膨らませる。
「なにそれ。僕のこと子供扱いしてないー?このくらい余裕だしっ!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねる綺羅様。でもてっぺんはあとちょっとというところでなかなか届かない。
「あーもう!これ届きそうで届かないの腹立つ!!!」
ブツブツと悪態をつきながらもそれからしばくトライし続けて……約5分後。ようやくツリーに星が輝いた。その瞬間の綺羅様のどうだ!と言わんばかりの表情が可愛らしくて。私は知らず知らずのうちに笑みを零していた。
「……今の完璧に子供を見守る母親の顔だったんですけど」
「す、すみません!子供扱いした訳ではなく、可愛らしいなあと……」
「それを子供扱いって言うんだよ!僕そんなにかっこよくないかなあ……身長もみさちゃんは同じくらいだって言うけどみさちゃんより5cmは高いからね?」
「と言うと……168cmほどですか?」
「えっ、みさちゃん163もあるの!?」
「あ、はい。平均よりだいぶ高いですよね。それで綺羅様は168cmなんですか?」
「……167」
ボソリと呟かれてもこの距離では聞こえない。
「え?」
「ああ、もう!!!168だから!!!そういうことだから!!!」
ぷりぷりとしたまま綺羅様は去っていった……何かしてしまっただろうか?残された私ははてなを浮かべるのだった。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説


【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

4人の王子に囲まれて
*YUA*
恋愛
シングルマザーで育った貧乏で平凡な女子高生の結衣は、母の再婚がきっかけとなり4人の義兄ができる。
4人の兄たちは結衣が気に食わず意地悪ばかりし、追い出そうとするが、段々と結衣の魅力に惹かれていって……
4人のイケメン義兄と1人の妹の共同生活を描いたストーリー!
鈴木結衣(Yui Suzuki)
高1 156cm 39kg
シングルマザーで育った貧乏で平凡な女子高生。
母の再婚によって4人の義兄ができる。
矢神 琉生(Ryusei yagami)
26歳 178cm
結衣の義兄の長男。
面倒見がよく優しい。
近くのクリニックの先生をしている。
矢神 秀(Shu yagami)
24歳 172cm
結衣の義兄の次男。
優しくて結衣の1番の頼れるお義兄さん。
結衣と大雅が通うS高の数学教師。
矢神 瑛斗(Eito yagami)
22歳 177cm
結衣の義兄の三男。
優しいけどちょっぴりSな一面も!?
今大人気若手俳優のエイトの顔を持つ。
矢神 大雅(Taiga yagami)
高3 182cm
結衣の義兄の四男。
学校からも目をつけられているヤンキー。
結衣と同じ高校に通うモテモテの先輩でもある。
*注 医療の知識等はございません。
ご了承くださいませ。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる