【急募】4人同時に求婚してきた時の対処法～クセの強い彼らに溺愛されて困ってます～

重い

「いやあの、お金の無駄ですよ……？私どれもいりませんし」

ぽかんと、宮治様が口を開ける。

「え、だってそもそも私たちってお客様と従業員ですよ？それ以上でも以下でもありません。そんな相手に突然こんな量プレゼントするって……正直重いです。受け取らないです。いやまあ、全部私好みなのはすごいと思いますけど」
「え……僕って重いの？」
「はい、それはもう」

正直な気持ちを伝えれば、宮治様は下を向いてプルプルと肩を震わせる。あ、言いすぎた……？そんな心配は杞憂で。

「……あっはっはっはっは！！！僕今まで付き合った子全員に淡白とか軽いとか言われ続けてきたんだけれど！！！その僕が、重い？くっ、ふははっ。しかも君喜ぶ姿欠片も見せないんだね！！！」
「は、はあ……お気に召していただけたようでよかったです？」
「その顔、本気で迷惑って思ってるし！ーーーっはあ、笑った笑った」

ふーと宮治様はため息を吐く。その隙を見計らって、私は声をかける。

「あの……今までの彼女さんはこれで喜んでいたんですか？」
「そうだね、大喜びだったよ。しかも神ノ杜ホールディングスの次期社長に向かってお金の使い方に関して意見するとか……君は本当に予想外のことばかりするね」
「いや、だって……はっきり言ってお金がもったいないですもん」
「困ったなあ、みささん、どうやったら君は喜んでくれるんだい？あ、クルーズで世界一周とか？」
「そんなお金ありません」
「もちろん僕の奢りだよ」
「うわ……重」

再び手を叩いて笑い出す宮治様。目には涙すら浮かべている。

「じゃあなあに？僕が何をしたら君は喜んでくれるの？」
「え？うーん……」

今まで宮治様として楽しかったこと。

「……こうやってお話できるだけで嬉しいし、楽しいし、喜んでますよ」

ぱちくりと、目を瞬かせた。

「あ、変なお世辞は抜きがいいですけど」
「……君は変な子だね」