【急募】4人同時に求婚してきた時の対処法～クセの強い彼らに溺愛されて困ってます～

考えていることは同じ

着いて早速、名物のココアを飲む。マシュマロ入りのココアは定番で、この辺の子達はみんな幼い頃に飲む味だ。もちろん私は従業員だから控えようと思ったのだが。

「え、人数分注文しちゃった」

と、宮治様に言われて仕方なく。しかも宮治様は流石で、じゃあ咲夜様にと言おうとすればにっこりと笑って、

「咲夜は甘いものはそこまでなんだよ」

と先んじて言われてしまった。結果、お金も払わせて貰えず今大人しく飲んでいるこの状況に至る。でも、美味しい。ほっと一息、と思ったのもつかの間。

「あ、ついてるよ～」

ぺろり。頬が舐められた……頬が、舐められた？何言ってるんだ私。え、でも、今、確かに……

「ついてたから舐めちゃった」

みんなはちょうど別の方向を向いていて、綺羅様しか見ていない。それには救われた、救われた、けど。赤くなるのは避けられないわけで。

「～～っ！！！」
「あはっ、やっぱり君の赤くなった顔は可愛いね～」
「……と、東京じゃ、普通、ですか？」

一抹の望みをかけて。

「んーん。特別♡」

いたずらっぽくウインクされる。この人は、一体何がしたいのか……さっぱり分からない。勇気を振り絞って聞く。

「な、何が目的ですか？」
「え～それ聞いちゃう？ん～そうだな、じゃあヒント。4人とも、考えてる事は同じ」

さ、行こう、そう言って手を取られて。考えることは、出来なかった。その暇さえ、与えられなかった。