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後日談
正体不明の感情2
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部屋に戻って、ベッドに寝転んで、絡み合って、しばらく。ぎゅっと、目の前にある逞しい腹筋に抱きつく。
「ん、どうした……お前からなんて、珍しいな」
「……なんかね、もやっとしたの。色んな人から仲良さげに話しかけられてるあなたを見て。いい事なんだよ?みんなが本当のあなたを知ってくれて、いい事だよ?でも、なんか……ねえ、なんでだと思う?」
見上げれば、唖然とした顔。それから、みるみるうちに赤くなる顔。え?理由がわからず眉をひそめれば、大きな、大きなため息をつかれる。
「はあ……お前は……いつもすぐに照れて逃げるくせに何故こんな時ばかり……」
「え、何?どういうことか分かるの?」
分かるなら教えてよ、そうため息をついてばかりのザキに駄々をこねれば、まだ赤い顔のまま、ザキがつぶやく。
「嫉妬、というやつだろう」
「し、っと……?」
嫉妬、嫉妬、嫉妬。その言葉の意味を理解した瞬間、顔がぶわっと熱を持つ。私、嫉妬、して……?
「~~っ!!!今のなし!!!忘れて!!!」
「ふっ、未来永劫、覚えておいてやる。よしよし、俺が人気者で寂しいのだな。俺がお前しか見てないと、分からせてやろう」
ぐるり、視界が反転する。
「ちょっ、もっ、無理だって!」
「愛しい妻に愛を伝えるのは、そんなに悪いことか?」
「時と場合によるの!!!」
結局その日は、「分からせて」もらうこととなった。もう!!!
「ん、どうした……お前からなんて、珍しいな」
「……なんかね、もやっとしたの。色んな人から仲良さげに話しかけられてるあなたを見て。いい事なんだよ?みんなが本当のあなたを知ってくれて、いい事だよ?でも、なんか……ねえ、なんでだと思う?」
見上げれば、唖然とした顔。それから、みるみるうちに赤くなる顔。え?理由がわからず眉をひそめれば、大きな、大きなため息をつかれる。
「はあ……お前は……いつもすぐに照れて逃げるくせに何故こんな時ばかり……」
「え、何?どういうことか分かるの?」
分かるなら教えてよ、そうため息をついてばかりのザキに駄々をこねれば、まだ赤い顔のまま、ザキがつぶやく。
「嫉妬、というやつだろう」
「し、っと……?」
嫉妬、嫉妬、嫉妬。その言葉の意味を理解した瞬間、顔がぶわっと熱を持つ。私、嫉妬、して……?
「~~っ!!!今のなし!!!忘れて!!!」
「ふっ、未来永劫、覚えておいてやる。よしよし、俺が人気者で寂しいのだな。俺がお前しか見てないと、分からせてやろう」
ぐるり、視界が反転する。
「ちょっ、もっ、無理だって!」
「愛しい妻に愛を伝えるのは、そんなに悪いことか?」
「時と場合によるの!!!」
結局その日は、「分からせて」もらうこととなった。もう!!!
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これでこのお話しは完結でしょうか🙂❓
結婚してからの日常とか読んでみたいです〜✨
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