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異世界転生

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「ふむ、これが倒れていたという例の娘か……なるほど、身につけている生地、確かに見たことの無いものだ」

体をまさぐられている感覚。頭が痛い。ずきずきずきずき……

「おい」

乱暴に体を揺さぶられて嫌々ながら目を開ける。光が、眩しい。目の前には、男性……?酷く端正な顔立ち、なのに男らしい。身につけている衣装は露出の多い、アラビアンな雰囲気。そこは、見知らぬ場所だった。

「!?ここは!?」
「目を覚ましたか。さて、これより尋問を開始する」

見渡せば、槍に剣、様々な武器を持ったガタイのいい男性たち……いい状況でないことは間違いないようだ。

「まず質問に答えてやろう。ここは?と言ったが、ここはサッセリア王国。お前は私の王宮の前に倒れていた。そしてここは我が王宮」

高圧的な態度で目の前の男性は続ける。というかそれよりも、王宮?いつの時代の話だ。

「いや、そういう意味じゃなくて!そもそもここは日本ですか?」
「ニホン、聞いたことがないな」

日本じゃ、ない。でも私が喋っているのは確かに日本語だ。日本以外に日本語を公用語としている国なんてあってたまるか。そもそも日本を聞いたことがない、なんて、それがおかしい。

「……まず、自己紹介をさせてください」
「発言を許可する」

いちいち上から目線だなこいつ……だがぱっと見渡した限り調度品は平凡な私でも値が張るとひと目でわかるものばかり。その上服装。宝石じゃっらじゃらだ。一体いくらになるのか……いや、今はそんな場合じゃない。でもひとつ、とにかくこいつが地位の高いやつだということは間違いない。尋問、なんて言葉も言っていたし、私は今もしかしたら絶体絶命の状況なのかもしれない。いや、でも唐突すぎないか?何この状況?私不利すぎない?とにかく散らかる思考をまとめて整理する。まず、私に敵意がないことを示そう。
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