死体遺棄を唯一手伝ってくれる相手

あんみつ~白玉をそえて~

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死体遺棄を唯一手伝ってくれる相手

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意識が覚醒する。そこはいつもの私の部屋だった。ただ一つを除いて。

「ひっ……!?」

床には血塗れの男性が倒れていた。そして私の手には血濡れの包丁。両手が血で染まっていた。こんな人知らない。殺した記憶もない。でも、でも、第三者がこの場面を見たら……?嫌な想像が頭を駆け巡る。

「か、隠さなきゃ…」

でも、どこに?どうやって?パニックのあまり叫び出しそうになった時。

ピンポーン。

この場にそぐわない軽快な呼び鈴の音が鳴った。時計を確認すればもう夜の12時だった。私がここに引越してから毎日、同じ時間、同じ回数だけチャイムが鳴る。その他私が出したゴミだけが姿を消していたり、夜道、後ろから着いてくるような足音があったり。私はストーカーの仕業だと結論づけていた…ストーカーは、その人が好きすぎるあまり行ってしまうもの。なら、なら。この状況でも、ストーカーなら助けてくれる…?フラフラと玄関へ向かう。ドアを開けて、そして。

「…やっと会えたね♡」

男は私の動揺など意にも介さずぎゅっと私を抱きしめた。その手にはビニール袋、ビニール手袋、ノコギリの入った鞄。
ああ、この人は全部知っているんだ。私が死体処理に困っていることも、何もかも。

「…助けて」
「うん、うん♡もちろんだよ♡この日のために僕は犯罪組織に入ったんだからね♡」

そこから先は覚えていない。ハンカチのようなものを押し当てられて、私は意識を失った。

彼女がようやく音を上げた!!!彼女から僕を受け入れた!!!殺人の共犯者だなんてこれからはもっともっと絆が深まっていくことだろう!ルンルン気分で僕はその辺で殺した男の解体作業を始める。それにしたって、遺体の存在に気づいた時の彼女の顔はどんなのだったのだろうか!監視カメラは設置してあるが、如何せん夜で、部屋の電気もついていない。これではきっと映っていないだろう。ああ、きっと、美しい絶望の表情だったのだろうなあ!!!絶望に飲み込まれて、働かない頭で必死に考えて。そんな時、僕のチャイムが鳴って彼女はどれだけ安心しただろう!ドアを開けた時の彼女の顔と言ったら…ああ、もうたまらない。絶望の縁に立たされて唯一差し込んだ光に縋るような目。かたかたと震えた手。何も言葉が紡げず、ただパクパクと空いたり閉じたりを繰り返す唇。大きな瞳にいっぱい溜まった涙…可愛かったなあ。さて、さっさと片付けてしまおう。彼女と早く2人で過ごすために。
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