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五・空へ至る魚は、
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飛鳥は目を開いた。
部屋は淡い藍色。太陽はまだ東の空に顔を出していないほど、朝早いのだろう。
「嫌な夢だ……」
飛鳥は呼吸が正常にできるか、胸に手を当てて確かめた。汗が額から滴る。体中汗で、びっしょりであった。最近はすっかり見なくなった昔の記憶、溺れた時の恐怖の記憶。
外からは雨音。今日もまた、雨。湿度の高い木の匂い。視界の端に見える天井は、相も変わらず揺れる水のような無数の木目をたたえていた。
飛鳥は意識がはっきりしないまま起き上がる。まとわりつく湿った寝巻き。
「うぅ、目覚め最悪……」
隣で寝ている従兄を起こさないように身支度をし、そして部屋を出た。
雨が降る朝の気温は、真夏時にしては涼しいものだったが、まとわりつくような湿気を含んだ空気が肌に感じる不快指数を上げていた。
飛鳥は居間に入ると、カーテンも開けず冷房をつけた。冷やされた空気が、白色の機械の風口から吹き始める。これで部屋は冷え、過ごしやすくなるだろう。次に飛鳥はちゃぶ台の上にあるテレビのリモコンをつかむと、電源のボタンを押した。ぼんやりと、赤や青や緑の何色かの縦縞が現れた。試験電波発信中――まだ、何も番組を放送していないようだ。
「つまらない」
早起きは三文の得とは言うけれど、やることが無ければそれは損にしかならない。飛鳥はテレビも消さず、そのまま畳の床に寝転んだ。
薄暗い部屋。その部屋の隅から、はねる水の音が聞こえた。それは、水槽の中の赤い魚が、水をはじいた音。水槽の中で金色の鱗を煌かせ、空気ポンプの泡をまといながら泳いでいる。金魚の大きな瞳は何も映していないただの黒い色をしていた。
この金魚は、何を思っているのだろう?
狭い水槽の中で悲しそうに見えるのは、人間の勝手な感情がそう思わせているのか?
飛鳥は、ただその様子を眺めていた。
水槽の金魚は、水に揺れている。
飛鳥の作り出した暗く涼しい部屋は、破られることのないように静かに時を刻んでいた。テレビからはいつのまにか縦縞が消え、花畑が現れていた。ピアノの演奏と共に、知らない場所で咲いている白と黄色の花は風に揺れている。飛鳥は視界の端でそれを見ていた。
「ゆらゆらゆれる、世界。雨が降れば、揺れる水の中。暗く狭い世界……」
飛鳥の瞳は開かれているのに、テレビの映像も部屋の景色もまるで映っていない。ただただ力なく黒い色があるだけだった。
「なに、意味不明な独り言を言っているんだ?」
静寂の景色を破って、何の気配もまとわず現れたのは、ハクアであった。
「あ、ハクア、いたんだ」
飛鳥はまだぼうっとする意識のまま、声のした方を見た。夏に似つかわしくない雪のように柔らかで混じりけのない毛並みは、冷房の効いた薄暗いこの風景にあってより涼しげにそこにある。
「いたんだとは何だ。いつも、いるではないか」
「まぁ、確かにそうなんだけれど」
飛鳥は、気だるそうに瞬きをする。
「毎日雨だと、あれだね。外にも遊びに行けない……」
カーテンを閉めているものの、雨の音は今も飛鳥の耳にも届いていた。
こういう雨が多い年は、川の急な増水や山の地盤が緩んで崩れるなど、そういうことが起きるかもしれないので近づかないようにと、夏休みに入る前に学校から注意を受けた。いつも見慣れた場所に潜む意外と危険な山と川の一面である。
「昨日は思いっきり、山に行っていたけどな」
「それはハクアがいたし。ハクアがいれば安心だもの」
何か危険があれば、ハクアは教えてくれるのだ。実体を持たないこの白狐は、自然の流れを感知できる。いや、むしろ自然が実体化したものなので、当たり前のように変化を感じることができるのかもしれない。
「本当にすごいよね。尊敬するよ」
「ふん、あたりまえだ」
ハクアはまぶたを閉じて、誇ったようにヒゲを広げた。
「そうでなくとも、飛鳥のような、ふわらふわらしている人間は危なっかしい」
「そんなこと無いもん」
飛鳥は頬を膨らます。
「どうだか」
ハクアはにやりと笑うように、小さな牙を見せた。そして半透明の白い尻尾を揺らしながら、毛づくろいしていをはじめた。その様子を見たら、犬か猫と見間違ってしまうかもしれない。他人に見えないことを除けば、普通の獣にしか見えないのである。もしも撫でることができたなら、ふわっとした毛並みの触り心地が、手に伝わることだろう。しかしハクアには実態が無い。その流れるように美しい毛並みは見て楽しむことしかできないのだ。
「ん、ヤツが起きたみたいだな」
ハクアは耳だけをピンと立て、隣の部屋のほうに向ける。
「兄ちゃん、起きたのか。早いねやっぱり」
「飛鳥は、なかなか起きないものな」
「そんなことないもん」
飛鳥は再び頬を膨らましたが、ハクアはそれを気にせず、背伸びをする。
「さてそろそろ、見回りに行くか」
それは、言い訳なのを飛鳥は知っていた。ハクアは普段「見回りに行く」と、わざわざ言わないのだ。
「なんで、兄ちゃんをそんなに避けるの?」
この部屋から立ち去る理由は、それしかない。この質問にハクアは少し黙っていたが、一言だけぽつりと言った。
「ヤツは雨男だから。近づくと湿気がうつる」
ハクアはそう言うと、視界から消えた。
「意味が分からないよ、それ」
泳魚の何が気に入らないと言うのだろう。飛鳥にはそれが全く分からなかった。
「おぉ、涼しい」
泳魚が冷房のきいた部屋へ入ってきた。それと共に水の匂いを含んだ空気が、開いた扉から入ってくる。肌にまとわり付くその空気の流れが、今の季節が夏であることを思い出させる。
「おはよう、兄ちゃん」
「おはよう。今日は早いな」
身支度もばっちり整えている泳魚は、寝起きとは思えなかった。そんな隙も見せない泳魚は、飛鳥の憧れでもあった。
「うん、なんか早く目が覚めちゃって、さ」
「そうか」
泳魚はそう、短く言った。
「あぁ、カーテンも開けないで」
泳魚はカーテン開ける。その気配に驚いた金魚が跳ねる。
「ん?」
彼はその音のした方に視線を移した。
「あぁ、金魚か。元気そうで何よりだ……」
泳魚が水槽が目線の高さまでくるように、ひざを折り曲げてかがんだ。いとおしそうに、目を細め眺めていた。
「兄ちゃんは、昔いた金魚を知っているの?」
泳魚の金魚を見る目は、少し懐かしさを帯びていたのだ。
「あぁ、小さい魚だった頃から知っていた」
「そっか」
飛鳥も、それ以上の言葉は出なかった。
「でも、悲しむことは無い。長く生きた魚は死んだあと、天に昇り龍になるから。そして、大地を見守り、雨の恵みをもたらすんだ」
泳魚は、飛鳥を励ますようにそう語る。
「あの金魚も、龍になったのかな?」
「うん。だからきっと飛鳥のことも、あの空から見守っている。いつもその魚の世話をしてくれた、飛鳥のことを」
「そうだったら、とても嬉しいな」
飛鳥は微笑み、窓の外を眺め始めた。そんな様子の飛鳥を横目に、泳魚は再び金魚の水槽に目を落とす。
「この狭い水槽の中で、君はさびしくないのかい?」
泳魚が金魚に向かってそっと囁いた。金魚は「大丈夫」と返事をするように尾で水をはねた。
部屋は淡い藍色。太陽はまだ東の空に顔を出していないほど、朝早いのだろう。
「嫌な夢だ……」
飛鳥は呼吸が正常にできるか、胸に手を当てて確かめた。汗が額から滴る。体中汗で、びっしょりであった。最近はすっかり見なくなった昔の記憶、溺れた時の恐怖の記憶。
外からは雨音。今日もまた、雨。湿度の高い木の匂い。視界の端に見える天井は、相も変わらず揺れる水のような無数の木目をたたえていた。
飛鳥は意識がはっきりしないまま起き上がる。まとわりつく湿った寝巻き。
「うぅ、目覚め最悪……」
隣で寝ている従兄を起こさないように身支度をし、そして部屋を出た。
雨が降る朝の気温は、真夏時にしては涼しいものだったが、まとわりつくような湿気を含んだ空気が肌に感じる不快指数を上げていた。
飛鳥は居間に入ると、カーテンも開けず冷房をつけた。冷やされた空気が、白色の機械の風口から吹き始める。これで部屋は冷え、過ごしやすくなるだろう。次に飛鳥はちゃぶ台の上にあるテレビのリモコンをつかむと、電源のボタンを押した。ぼんやりと、赤や青や緑の何色かの縦縞が現れた。試験電波発信中――まだ、何も番組を放送していないようだ。
「つまらない」
早起きは三文の得とは言うけれど、やることが無ければそれは損にしかならない。飛鳥はテレビも消さず、そのまま畳の床に寝転んだ。
薄暗い部屋。その部屋の隅から、はねる水の音が聞こえた。それは、水槽の中の赤い魚が、水をはじいた音。水槽の中で金色の鱗を煌かせ、空気ポンプの泡をまといながら泳いでいる。金魚の大きな瞳は何も映していないただの黒い色をしていた。
この金魚は、何を思っているのだろう?
狭い水槽の中で悲しそうに見えるのは、人間の勝手な感情がそう思わせているのか?
飛鳥は、ただその様子を眺めていた。
水槽の金魚は、水に揺れている。
飛鳥の作り出した暗く涼しい部屋は、破られることのないように静かに時を刻んでいた。テレビからはいつのまにか縦縞が消え、花畑が現れていた。ピアノの演奏と共に、知らない場所で咲いている白と黄色の花は風に揺れている。飛鳥は視界の端でそれを見ていた。
「ゆらゆらゆれる、世界。雨が降れば、揺れる水の中。暗く狭い世界……」
飛鳥の瞳は開かれているのに、テレビの映像も部屋の景色もまるで映っていない。ただただ力なく黒い色があるだけだった。
「なに、意味不明な独り言を言っているんだ?」
静寂の景色を破って、何の気配もまとわず現れたのは、ハクアであった。
「あ、ハクア、いたんだ」
飛鳥はまだぼうっとする意識のまま、声のした方を見た。夏に似つかわしくない雪のように柔らかで混じりけのない毛並みは、冷房の効いた薄暗いこの風景にあってより涼しげにそこにある。
「いたんだとは何だ。いつも、いるではないか」
「まぁ、確かにそうなんだけれど」
飛鳥は、気だるそうに瞬きをする。
「毎日雨だと、あれだね。外にも遊びに行けない……」
カーテンを閉めているものの、雨の音は今も飛鳥の耳にも届いていた。
こういう雨が多い年は、川の急な増水や山の地盤が緩んで崩れるなど、そういうことが起きるかもしれないので近づかないようにと、夏休みに入る前に学校から注意を受けた。いつも見慣れた場所に潜む意外と危険な山と川の一面である。
「昨日は思いっきり、山に行っていたけどな」
「それはハクアがいたし。ハクアがいれば安心だもの」
何か危険があれば、ハクアは教えてくれるのだ。実体を持たないこの白狐は、自然の流れを感知できる。いや、むしろ自然が実体化したものなので、当たり前のように変化を感じることができるのかもしれない。
「本当にすごいよね。尊敬するよ」
「ふん、あたりまえだ」
ハクアはまぶたを閉じて、誇ったようにヒゲを広げた。
「そうでなくとも、飛鳥のような、ふわらふわらしている人間は危なっかしい」
「そんなこと無いもん」
飛鳥は頬を膨らます。
「どうだか」
ハクアはにやりと笑うように、小さな牙を見せた。そして半透明の白い尻尾を揺らしながら、毛づくろいしていをはじめた。その様子を見たら、犬か猫と見間違ってしまうかもしれない。他人に見えないことを除けば、普通の獣にしか見えないのである。もしも撫でることができたなら、ふわっとした毛並みの触り心地が、手に伝わることだろう。しかしハクアには実態が無い。その流れるように美しい毛並みは見て楽しむことしかできないのだ。
「ん、ヤツが起きたみたいだな」
ハクアは耳だけをピンと立て、隣の部屋のほうに向ける。
「兄ちゃん、起きたのか。早いねやっぱり」
「飛鳥は、なかなか起きないものな」
「そんなことないもん」
飛鳥は再び頬を膨らましたが、ハクアはそれを気にせず、背伸びをする。
「さてそろそろ、見回りに行くか」
それは、言い訳なのを飛鳥は知っていた。ハクアは普段「見回りに行く」と、わざわざ言わないのだ。
「なんで、兄ちゃんをそんなに避けるの?」
この部屋から立ち去る理由は、それしかない。この質問にハクアは少し黙っていたが、一言だけぽつりと言った。
「ヤツは雨男だから。近づくと湿気がうつる」
ハクアはそう言うと、視界から消えた。
「意味が分からないよ、それ」
泳魚の何が気に入らないと言うのだろう。飛鳥にはそれが全く分からなかった。
「おぉ、涼しい」
泳魚が冷房のきいた部屋へ入ってきた。それと共に水の匂いを含んだ空気が、開いた扉から入ってくる。肌にまとわり付くその空気の流れが、今の季節が夏であることを思い出させる。
「おはよう、兄ちゃん」
「おはよう。今日は早いな」
身支度もばっちり整えている泳魚は、寝起きとは思えなかった。そんな隙も見せない泳魚は、飛鳥の憧れでもあった。
「うん、なんか早く目が覚めちゃって、さ」
「そうか」
泳魚はそう、短く言った。
「あぁ、カーテンも開けないで」
泳魚はカーテン開ける。その気配に驚いた金魚が跳ねる。
「ん?」
彼はその音のした方に視線を移した。
「あぁ、金魚か。元気そうで何よりだ……」
泳魚が水槽が目線の高さまでくるように、ひざを折り曲げてかがんだ。いとおしそうに、目を細め眺めていた。
「兄ちゃんは、昔いた金魚を知っているの?」
泳魚の金魚を見る目は、少し懐かしさを帯びていたのだ。
「あぁ、小さい魚だった頃から知っていた」
「そっか」
飛鳥も、それ以上の言葉は出なかった。
「でも、悲しむことは無い。長く生きた魚は死んだあと、天に昇り龍になるから。そして、大地を見守り、雨の恵みをもたらすんだ」
泳魚は、飛鳥を励ますようにそう語る。
「あの金魚も、龍になったのかな?」
「うん。だからきっと飛鳥のことも、あの空から見守っている。いつもその魚の世話をしてくれた、飛鳥のことを」
「そうだったら、とても嬉しいな」
飛鳥は微笑み、窓の外を眺め始めた。そんな様子の飛鳥を横目に、泳魚は再び金魚の水槽に目を落とす。
「この狭い水槽の中で、君はさびしくないのかい?」
泳魚が金魚に向かってそっと囁いた。金魚は「大丈夫」と返事をするように尾で水をはねた。
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