9 / 10
第9/終わらない、鬼の数え歌。
しおりを挟む
ここは、僕だけの場所、
皆でかくれんぼをした場所、
屋台で買った思い出の残骸がたどり着き、
飛んでいってしまったヘリウム風船が、
ゆらゆらと彷徨う場所、
ただ忘れられていくだけの、場所。
僕は知っている。
この場所が、創られた世界だってことを。
創られた祭りにまよいこんだ人間は……
そのことにも気がつかず。
何回も見る悪夢のように終わり、
二度と帰らぬ過去のように繰り返す。
夏のおまつり。
おはやしの音が、遠ざかる。
夏の祭りが、終わる音。
月の満ちる音。
不思議な不思議な月の光。
終わる、祭り。
夏の祭り。
そして、
そこには、
狐の仮面がひとつ落ちているだけ……
皆でかくれんぼをした場所、
屋台で買った思い出の残骸がたどり着き、
飛んでいってしまったヘリウム風船が、
ゆらゆらと彷徨う場所、
ただ忘れられていくだけの、場所。
僕は知っている。
この場所が、創られた世界だってことを。
創られた祭りにまよいこんだ人間は……
そのことにも気がつかず。
何回も見る悪夢のように終わり、
二度と帰らぬ過去のように繰り返す。
夏のおまつり。
おはやしの音が、遠ざかる。
夏の祭りが、終わる音。
月の満ちる音。
不思議な不思議な月の光。
終わる、祭り。
夏の祭り。
そして、
そこには、
狐の仮面がひとつ落ちているだけ……
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
黄泉小径 -ヨモツコミチ-
小曽根 委論(おぞね いろん)
ホラー
死後の世界に通ずると噂される、村はずれの細道……黄泉小径。立ち入れば帰って来れないとも言われる、その不気味な竹藪の道に、しかしながら足を踏み入れる者が時折現れる。この物語では、そんな者たちを時代ごとに紐解き、露わにしていく。
ルール
新菜いに/丹㑚仁戻
ホラー
放課後の恒例となった、友達同士でする怪談話。
その日聞いた怪談は、実は高校の近所が舞台となっていた。
主人公の亜美は怖がりだったが、周りの好奇心に押されその場所へと向かうことに。
その怪談は何を伝えようとしていたのか――その意味を知ったときには、もう遅い。
□第6回ホラー・ミステリー小説大賞にて奨励賞をいただきました□
※章ごとに登場人物や時代が変わる連作短編のような構成です(第一章と最後の二章は同じ登場人物)。
※結構グロいです。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
©2022 新菜いに
野辺帰り
だんぞう
ホラー
現代ではすっかり珍しいものとなった野辺送りという風習がある。その地域では野辺送りに加えて野辺帰りというものも合わせて一連の儀式とされている。その野辺の送りと帰りの儀式を執り行う『おくりもん』である「僕」は、儀式の最中に周囲を彷徨く影を気にしていた。
儀式が進む中で次第に明らかになる、その地域の闇とも言えるべき状況と過去、そして「僕」の覚悟。その結末が救いであるのかどうかは、読まれた方の判断に委ねます。
梟(フクロウ)の山
玉城真紀
ホラー
人を愛するという事は、とても素晴らしい事。
兄妹愛、親の愛、夫への愛、子供への愛。人は、様々な愛情を知っている。しかし、その「愛」を間違った使い方をしてしまうとそれは「憎しみ」へと変わる。
話をしてはいけないという奇妙な祭りの禁忌を犯してしまった事から始まる物語。
愛した男の裏切りから女の死、村の全滅。
それは、死んだ女の怨念がなしたものなのか、それともそれ以前からの呪詛のせいなのか・・・
【ホラー】おまえが悪い
鳥谷綾斗(とやあやと)
ホラー
「おまえが悪い」血まみれの狸に、優しいおじいちゃんは吐き捨てました。
*
「ここは涼しさの楽園だ。棲んでいるのは、おじいちゃんたちと――狸」
小学校最後の夏休み。一花(いちか)は、涼を求めて田舎のおじいちゃんの家に行った。
山道を車で走っていると、一匹の幼い狸を轢いてしまう。
「おまえが悪い」
虫の息の子狸を、おじいちゃんとおばあちゃんが、そう吐き捨てる。
「狸はわるい生き物だから、こうしないと祟るんだ」
そう言って死骸を足蹴するふたり。
そして一花は、都会と違って肌寒く、暗闇に満ちた夜を迎える……。
*
コバルト編集部さんの某企画で志し半ばで散った誉高き作品。
テーマは「異質さ」。
流血表現などあります。
コ・ワ・レ・ル
本多 真弥子
ホラー
平穏な日常。
ある日の放課後、『時友晃』は幼馴染の『琴村香織』と談笑していた。
その時、屋上から人が落ちて来て…。
それは平和な日常が壊れる序章だった。
全7話
表紙イラスト irise様 PIXIV:https://www.pixiv.net/users/22685757
Twitter:https://twitter.com/irise310
挿絵イラスト チガサキ ユウ様 X(Twitter) https://twitter.com/cgsk_3
pixiv: https://www.pixiv.net/users/17981561
鈴ノ宮恋愛奇譚
麻竹
ホラー
霊感少年と平凡な少女との涙と感動のホラーラブコメディー・・・・かも。
第一章【きっかけ】
容姿端麗、冷静沈着、学校内では人気NO.1の鈴宮 兇。彼がひょんな場所で出会ったのはクラスメートの那々瀬 北斗だった。しかし北斗は・・・・。
--------------------------------------------------------------------------------
恋愛要素多め、ホラー要素ありますが、作者がチキンなため大して怖くないです(汗)
他サイト様にも投稿されています。
毎週金曜、丑三つ時に更新予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる