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恋愛感情

第12話

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「折角だから楽しもう?」

私はそう言って彼の腕の中に手を入れて身体を寄せる。

「えー、急にどうしたんですか?」

西君は当然ながら驚きを見せる。

「急な積極的な感じでー」

そう言いながらシャッターを押し続ける新高さん。

「今日は撮影とはいえ式場。私の事が好きならばそれらしくしっかり私をエスコートして下さい」

そう言うと西君は

「…分かりました!」

何か決心が着いた様子。しっかりと腕組を返してきた。

「心の準備が出来ましたか?」

一旦撮影を止めていた新高さんが声を掛ける。それに対しては2つ返事で答えた西君。そのまま撮影に入った。門をバックに背中越しで撮影をする新高さん。

「じゃー彼女さんはその腕組み状態で彼に”遂に来たね”って言いながら寄って頂いて、彼は”そうだねー”って言いながら答えるように門の中心のマークに指を指しましょうか」

すると西君は私と腕組んでいる状態なので、新高さんに対して後ろを向きながら

「これってセリフありですか⁉」

「そうですよ?リアリティを出す様にストーリー仕立てで撮影するんで。もう既にカップルっていう設定ですよ?」

そう当たり前の様に新高さんは言う。西君は”マジか…”と言いながら空いている右手で頭を掻く。決心は付いた様に見えたが何処かまだ緊張している様子。逆に私は吹っ切れていたので、

「ねぇ」

私は腕を組んでいる左腕を揺らして彼に知らせる。

「え?な、なんですか?」

この仕草に少しドキッとした様子。その感じに可愛らしさを覚え、私自身もドキッとする。

「あ、あの、折角だからタメ口で行きませんか?」

「タメ⁉ですか?」

驚いた後に敬語でしゃべる西君。

「そう。カップルっていう設定なら、そもそも敬語は可笑しいかなって思って」

「え、でも…」
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