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罰 sideミレイユ
しおりを挟む「そうだな、まずは、私の愛を受け入れるところから始めようか」
伯父様は愉しそうに話し続ける。
「私以上にお前を愛している人間なんていないだろう。お前の幸せは、私に愛されることなのだよ。わかるかい?」
初めて入る伯父様の私室。
大きなベッドはまるで初めから誰かと寝ることを想定していたかのようだった。
ドサッと乱雑に倒されて、ふかふかのベッドに仰向けに転がる。
「お前が私の愛を受け入れてくれたら、私はお前を赦してあげよう」
「赦す…?」
「ああ、私はミレイユを愛しているのだからね。お前を赦しを与えられるのも、私だけだ」
彼は、こんなどうしようもない私を赦してくれるのだと言う。
求めていた家族の情とは違っても、伯父様は本心から私を愛しているのだろう。
だったら、私は彼を受け入れなければ、彼の言う通り不公平なのかもしれない。
伯父様は、横たわる私の額や頬に、その冷たい手を滑らせる。
厚みのある硬い皮膚の感触に背筋がぞわっとするけど、我慢しなければならない。
「ミレイユ、可愛いなぁ」
興奮した様に顔を火照らせて、伯父様は私の頬にゆっくりと頬ずりする。
ザラザラとした口髭の感触に嫌悪感が募る。
気持ち悪い。
「ああ、ミレイユ、ミレイユっ」
荒い呼吸で私に迫ってくる彼が怖かった。
それでも、私はもう彼から逃げられない。
この状況を招いたのは、紛れもない私自身。
諸悪の根源は、どうしようもなく愚かな自分だったのだから。
この罰を、私は受け入れなければならないのだ。
____ぎゅっと目を瞑った時、伯父様と私の影が静かに重なった。
初めての口付けは、愛した人と、なんてロマンティックなことは言わない。
それでも、こんな甘さの欠けらもない、苦痛をともなうような行為になるなんて思ってもみなかった。
ポロリと零れ落ちた涙が頬を伝う。
「お前の唇は甘いんだなぁ。どこもかしこも、私が食べ尽くしてあげよう」
私の罰は、きっとまだ始まったばかりだ。
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