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第二十四話 乳穴を拡張したい/淫紋を刻まれたい

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 タランチュラの毒の効果で通常より緩んだ乳穴を犯されるという、筆舌尽くしがたい行為を経験してから早一週間。
 完全にニプルファックの虜となったルドヴィカが次に行ったのは無論、乳穴の拡張であった。


「んひぃぃぃぃぃっ♡♡♡ ちくびじゅぽじゅぽ気持ちいいぃ~~~っ♡♡♡」


 ローパーのパー子の細い触手が、ルドヴィカの膨れた乳首にずぷりと侵入する。
 小さな乳穴を強引に広げるかのような動きをする触手に、ルドヴィカは舌を突き出しながら喘いだ。


 じゅぽ♡じゅぽ♡じゅぽ♡じゅぽ♡

「それっ♡♡♡ それしゅごいっ♡♡♡ ちくびガバガバになっちゃうっ♡♡♡」

 ちゅこちゅこちゅこちゅこっ♡♡♡

「お゛っ♡♡♡ 小刻みピストンっ♡♡♡ おっぱいおまんこ喜んでるっ♡♡♡」


 これまでの拡張で若干緩んできた乳穴の入り口をくすぐるような触手の感覚に、ルドヴィカが控えめな胸を揺らしながら悶絶した。
 先端から乳房全体に燃えるような快感が伝わり、まるで胸そのものが性器になったかのような錯覚すら覚える。


(これやばぁ♡♡♡ 前世で乳首とスペンス乳腺の開発が終わった時、もうこれ以上おっぱいで気持ちよくなれないんだって思って一晩泣いたのに♡♡♡ まだまだ全然気持ちよくなれるじゃんか♡♡♡)


 ありとあらゆる性感帯を前世で開発しつくし、その感度を今生へと持ち越していたルドヴィカにとって、全く手つかずだった未開発の乳穴の存在は、もう宝など何一つ残っていないと思われていた古代の遺跡から突如発掘された宝石のようなもの。
 海洋学者が深海を探索するように、宇宙飛行士が月を目指すように、未知の浪漫と快楽を求めて性感開発に乗り出すのは、変態として当然の行いと言えた。


 にゅぷっ…♡♡♡♡♡

「あ゛ぁ~~~っ♡♡♡ もうはいらないぃっ♡♡♡ それより奥はぜったいダメぇ~~~っ♡♡♡」

 にゅぷぅぅぅぅっ♡♡♡♡♡

「お゛ほお゛ぉぉぉぉぉぉぉっ!?♡♡♡♡♡ はいっちゃったあっ♡♡♡♡♡ だめだっていったのにぃ~~~っ♡♡♡♡♡」


 興奮を通り越して恐怖すら覚えるほど奥まで突き刺さった触手に、ルドヴィカの被虐心がこれ以上ないほどに疼く。
 つきんつきんと胸全体に響く鋭い痛みと、その痛みを遥かに凌駕する快楽との板挟み状態で、今にも失禁しそうだった。


「ぱーこぉっ♡♡♡ もうやめてっ、これ以上はほんとムリっ♡♡♡ わたしのおっぱい、本物のおまんこになっちゃうっ♡♡♡」

 にゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷ♡♡♡♡♡

「ひきゃあぁぁ~~~っ♡♡♡ むりむりむりっ、むりだってばぁっ♡♡♡ もうゆるひてぇぇぇぇっ♡♡♡♡♡」


 乳穴の拡張を手伝っているオナペット兼使い魔のパー子が、ルドヴィカの必死の静止にも耳を貸さずに容赦なく乳首を蹂躙する。
 命令に忠実なスレミーとは違い、ルドヴィカを犯すことそれ自体を楽しんでいる節のあるパー子は、たとえ魔力(を含んだ体液)を分泌しない乳首であってもすすんで嬲ってくれるので、ルドヴィカとしては大助かりな話であった。


「らめぇ、イッちゃう♡♡♡♡♡ おっぱいおまんこ犯されてイッちゃうぅぅぅっ♡♡♡♡♡」

 にゅこにゅこにゅこにゅこにゅこっ♡♡♡♡♡

「あ゛ひぃ~~~~~っ♡♡♡♡♡ イクイクイク~~~~~っ♡♡♡♡♡」


 ルドヴィカはとうとう下肢は一切触れられぬまま、乳穴への刺激だけで絶頂してしまった。
 散々に嬲られた胸は触れれば火傷してしまいそうなほどに熱を帯びて、本物の膣よろしく赤みがかった色に染まっている。
 しばらく絶頂の余韻に浸っていたルドヴィカだったが、自身の乳穴の開発が順調に進んでいることを確信すると、ハートマークの宿る瞳を光らせて不敵に笑った。


「あへへへへ…♡ 口におまんこにお尻に尿道に乳首ふたつ…♡ 全部の穴をいっぺんに犯せば六穴責めね…♡」


 完全に快楽に浮かされている状態のルドヴィカの独り言に、パー子が「任せろ」と言わんばかりにゆらゆらと蠢き始める。
 するとそこへ、現在ルドヴィカらのいる地下室へ通じる扉が開く音が聞こえてきた。


【ご主人様~! モード様が帰ってきたでしよ~!】
「おいルドヴィカ、ぬしに話が…って何じゃそれは!? 乳房に触手が突き刺さってるではないか!?」
「あへぇ…? やだ、もうそんな日にちが経ってたんだ…」


 十数日ぶりに聞く人間形態モードの甲高い声が聞こえ、乳穴のことしか考えてなかったルドヴィカの脳がすぅーっと冷静に戻っていく。
 こうして乳穴開発に捧げたルドヴィカの休日は終わりを告げ、元の日常に戻ることとなったわけだが、結局のところルドヴィカが魔物に犯されに行くということ自体は何ら変わりないのであった。



 * * *



「それでモード、話ってなに?」


 パー子のいる地下室から自室へと戻ったルドヴィカは、モードにタランチュラの毒を利用した乳穴拡張の説明をした後、モードから切り出された本題へと移った。
 ルドヴィカの説明を恐れおののくような表情で聞いていたモードはその一言で本来の目的を思い出したらしく、一転して真剣な表情でルドヴィカに向き直る。


「あの小娘…エレクトラといったか。奴の腹に刻まれた刻印は覚えているな」
「ええ、淫紋でしょ? 忘れるわけないじゃない、姉様だけ淫紋貰えたのホントに悔しかったんだから!」
「それは儂の知ったことではない。…遺跡に仕掛けられた言霊術の魔力源とされていたメルリヌスの死によって、あの刻印は確かに小娘の身体から消えた。じゃが…」


 モードが途端に渋い表情を浮かべ、気まずそうに明後日の方を見る。
 次の瞬間にモードが言い放った一言は、ルドヴィカにとってあまりにも衝撃的だった。


「奴がぬしの父親と相まみえた瞬間に、再び小娘の身体にあの刻印が現れたのじゃ」
「…は!?」


 驚愕のあまり、ルドヴィカが手に持っていた紅茶のカップを取りこぼしそうになる。
 メルリヌスの死によって一度は消えた淫紋が、再びエレクトラの身体に現れたとは、いったいどういうことなのか。
 だがその説明をしようとするモードの表情は、何とも形容しがたい絶妙な渋面であった。


「事の次第を説明すれば、長くなるのじゃが…」



 * * *



「ふむ…これは興味深い魔法だね。かなり複雑な組み立て方をしている」
「ひぎっ♡♡♡ おとうしゃま、そこだめぇっ♡♡♡ おなかの刻印のとこなでなでするのいやぁっ♡♡♡」
「……」


 最愛の父と感動の再会となるはずが、父ヴェイグの顔を見た瞬間に強烈な発情に襲われたエレクトラは、まるで犬のようにさらけ出した腹をヴェイグの指でなぞられてビクンビクン♡と跳ね震えていた。
 しかしヴェイグの視線はあくまでエレクトラの下腹部にくっきりと浮かび上がったピンク色の刻印に向いており、必死で父の手を止めようとする娘の言葉になど一切耳を貸す気配がない。
 そんな何とも言えぬ現場に居合わせたモードはというと、ただただ気まずいの一言に尽きる他なかった。


「なんでっ、なんでぇっ!?♡♡♡ ちゃんと消えたはずなのにっ…あ゛ぁ~っ!♡♡♡♡♡」
「なるほど、この刻印はラトゥスの地下遺跡で刻まれたものということか。…そうだね、エレクトラ?」
「はいっ♡♡♡ はいっ、そうですぅっ♡♡♡ あうぅっ♡♡♡」
「…じゃが魔力源のメルリヌスの死によって、その刻印も一度は消えたはず。何故、このように再び現れたのか…?」
「恐らくだが、この子が無意識的に再現しているのだろうね」


 ヴェイグはなんてことのない微笑を携えながら、半泣きで悶絶しているエレクトラの下腹をゆるゆると撫で続ける。
 その度に淫紋の下の子宮が激しく疼き、エレクトラはとうとう大粒の涙を零しながら「おとうしゃま、らめぇぇぇ~~~っ♡♡♡」と盛大に喘いだ。


「一度でもその身に魔法を施されれば、魔法の痕跡が履歴として身体に残る。優れた魔導士であればその痕跡から術式を組み解いていって、自身に施された魔法を再現することも可能だ」
「ではこの小娘は、自身に刻まれた刻印の魔法を自ら再現していると?」
「この子は意外と天才肌でね、本人も意図しないうちにそういうことができてしまえるんだ。まだ魔法の基礎すら教わっていなかった子供のころですら、わたしが一度だけ施してやった回復魔法を再現して自分の怪我を治していたほどだからね」


 つまるところエレクトラの身体に再び淫紋が現れたのは、自身に施された淫紋の魔法をエレクトラが無意識的に再現しているからであって、今こうしてエレクトラが性感に打ち震えているのは完全に自業自得であるようであった。
 とはいえ自身が全く意図しないところで発動してしまった淫紋に辱められているというのは、モードからすればあまりにも哀れなように思える。
 思わずエレクトラに同情してしまうモードに対して、ヴェイグはいっそ冷淡なほどの平静な様子で、モードにあることを問いただした。


「…モード、君はローゼリア・ファム・ヴァルカという女性を知っているかな?」
「? 知らぬ、誰じゃそいつは?」
「彼女はこの国の王家の祖、初代の女王陛下さ。となると転生前の君が死を遂げたのは、初代当主リントヴルムが彼女と出逢うよりも更に前の時代ということだね」


 ようやくエレクトラの淫紋から手をどけたヴェイグは、すぐ傍に会った書棚から一冊の本を取り出すと、あるページを開いてモードに見せてきた。
 するとそこには件の女王、ローゼリア・ファム・ヴァルカの肖像画と思しき絵画の写しが描かれており、その隣にエレクトラの下腹にある淫紋と全く同じ紋様が描かれている。


「! この紋様は…!」
「これは初代女王陛下…ローゼリア様の身に刻まれていたとされる刻印の紋様だ。この刻印は刺青であるというのが通説だったが…。もしかするとエレクトラと同様に、何者かの魔法によって刻まれたものだったのかもしれない」
「…グイベル・ジーンか…!」


 同族の誇りを穢した憎き人間の名を口にしながら、モードの瞳が怒りに燃える。
 ラトゥスの地下遺跡に悪趣味な魔法を散りばめ、エレクトラに淫紋が刻まれる原因となった男、グイベル・ジーン。
 もしも初代女王ローゼリアの身に刻まれていたという刻印までもが、グイベル・ジーンによるものだとすれば…。


「奴が生きていたのは千年前…。この国の建国と時を同じくしてあの遺跡を作り上げ、我が同族を利用していたということか」
「その可能性が高いね。何はともあれ古代魔法のいち研究者として、その者の詳細については興味がある。私の方でも詳しく調べてみよう」
「うむ、何か掴んだら儂にも伝えよ。一連の出来事が千年前だというのであれば、メルリヌスが遺したとされる双竜はまだ生きているかもしれぬ」


 数千年を生きる竜にとって、千年という時間は短くこそないが、長くもない。
 グイベル・ジーンに捕らえられたというメルリヌスの遺児、スィズとセヴェリスという名の双竜は、まだ生きている可能性があるのだ。
 メルリヌスの最期を看取った者として、彼の遺した双竜を見つけられるものならば見つけて相まみえたいというのが、モードができるせめてものことだった。


「お…おとう…しゃまぁ…♡」


 するとひとりだけ話の置いてけぼりを喰らっていたエレクトラが、ぼろぼろと涙をこぼしながら必死に身を起こす。
 頬を真っ赤に染め、荒げた息を必死に整えようとするその姿はなんとも弱弱しく、人によっては嗜虐心を存分に駆り立てられる有様だ。
 しかしながらモードにはそんな趣味は無いので、ただただ純粋に「哀れじゃの…」という同情心のみが湧いて出てくるのであった。


「エレクトラ、この刻印の研究はお前に任せるよ。かなり複雑な術式の組まれ方をしている魔法だが、お前ならば容易に解明できるはずだ」
「あぅ…♡ は…はい…♡ あの、おとうしゃま、わたくし…♡」
「そう怯えなくても、これしきのことでお前に幻滅したりはしないよ。むしろ貴重な魔法をこの目で確認できて嬉しいくらいだ」


 よりにもよって最愛の父の前であられもない醜態を晒してしまって震えるエレクトラに、ヴェイグが作り物のような笑顔を浮かべながら慰める。
 そのことで安心したのか、エレクトラは子供のように泣きじゃくりながら、目の前の父親に抱き着いた。


「ぐすっ、おとうしゃまぁ…! エレクトラ、がんばってこの魔法の研究しましゅ…! だからエレクトラのこと、きらいにならないでぇっ…」
「おやおや、よほど遺跡で酷い目に遭ったようだね。この子がこれほど子供返りするとは」
「あっ♡ おとうしゃま、もっと♡ もっとあたまなでなでしてぇっ♡」
「……」


 仲睦まじい親子とも男女の性愛とも言い難い、歪んだ父と娘の関係性を見せつけられたモードは、ただただ気まずい思いでいっぱいになって何も言うことができなかった。



 * * *



「…とまあ、このようなことがあっての」
「…お父様って本当に不思議というか、イカレてるというか…」


 実娘の痴態を目の前にしても平然としている父の姿がありありと想像できてしまい、ルドヴィカもがモードと同じような渋い表情を浮かべ始める。
 生来の人嫌いゆえに家族への関心も薄いルドヴィカではあるが、父ときたらルドヴィカ以上の薄情者であると言えるだろう。
 なにせ幼少期に亡くなったルドヴィカの実母を含め、ヴェイグが自身の正妻や側室とふたりでいるところなど、ルドヴィカは一度たりとも見たことがない。
 彼に性欲というものがあるかどうかすら甚だ疑問である、などとルドヴィカはそのようなことさえ思ったほどだ。


「まあでも、グイベル・ジーンに関する新しい情報が手に入ってよかったわね。メルリヌスの子供がまだ生きてたとしたら、あんたとしては同族と会えるかもしれないわけだし」
「うむ…。ひとまずはぬしの父が何か掴むのを待つとするかのう」
【あのーお話し中ごめんなさいでし!】


 するとその場にいながらもずっと黙って話を聞いていたスレミーが、急にぷるぷると震えながら話を遮った。


「どうしたの、スレミー?」
【誰かがお屋敷に近づいてる気配がするでし! ご主人様ほどじゃないでしけど、そこそこ魔力の強い人間でしよ!】
「え…? 変だな、うちを訪ねてくるような人なんていないと思うけど…」


 スレミーの報告を不審がりながらも、ルドヴィカが自室の窓を開けて外を覗き見る。
 するとそこに、屋敷の門前へと向かってくる黒い服を着た女性らしき人影が見えたので、ルドヴィカが驚愕に身を震わせた。


「あ…あの服って確か、王国魔道軍の軍服!?」
【オウコクマドウグン?】
「なんで軍人がうちなんか訪ねてくるのよ!? …まさか、ソフィア姉様関連で何かあったとか!?」


 思わぬ来客に慌てふためくルドヴィカを、スレミーとモードが不思議そうな目で見ている。
 ただでさえ人嫌いなルドヴィカであるのに、よりにもよって軍人などという権威のある他人が来訪してくるなどということ、当然ながら歓迎などできるはずもなかった。
 しかしそんなルドヴィカの意志などお構いなしに、門に設置された魔法の呼び鈴の鳴る音が自室のルドヴィカのもとまで聞こえてきた。


『こちらはルドヴィカ・アールノート殿の居住地で間違いないでしょうか。私は姉君ソフィア将軍の副官を務めております、王国魔道軍のアイレーン・ジシュカと申します』


 呼び鈴に仕掛けられた伝達魔法によって、各部屋の隅に設置された管から訪問者の声が聞こえてくる。
 ルドヴィカは咄嗟に居留守を使うかどうか迷ったものの、次に聞こえてきた言葉によって、すべての思考回路を停止せざるを得ない状況に追い込まれることとなった。


『クロエ王女殿下に施された忘却魔法と時間逆行魔法の件に関しまして、ソフィア将軍ならびにミハイル総帥より、貴殿に召喚の要請が下っております。至急、私と共に王都までお越しください』


 後にルドヴィカは、この時のことを「完全に人生終わったと思った」と回想したという。
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