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愛されてるって錯覚しそう
今日からは、トモダチ
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理解とか、深く考えないとか、今の言葉を聞いただけじゃ頭が追いつかない。
だってセフレの定義すら、俺はわかってないんだもん。
どんなプレイを誰として、とかは正直どうでもいい。航ちゃんとどうにかなってることには変わりないんだし、俺はそれがイヤ。だからソレらを全部塗り替えて俺が、航太朗の一番になりたい。ただ、それだけ。
「てかさ、俺全然普通にお尻の準備とか言ったけど、あっくんはコータに抱かれたい……で、合ってた?」
「合ってます。航ちゃんに俺……」
抱かれて、もっとめちゃくちゃにされてみたい。
そんなこと口にしないまでも想像してしまったら、途端に体は火照ってくる。
単純な自分がちょっとだけ嫌になって俯くと、先輩は俺の様子で察したのか優しい声で小さく笑った。
「そう。よかった。まあ、あっくんが言えばコータはどっちでも受け入れると思うけどね」
「え……?」
クスクス笑いながら席を立つ。そんな先輩を目で追いながら見上げたら、また髪を撫でられた。
「俺はあっくんの味方だよ。いつでも話聞くし、何かあったら相談して?」
「なんで……俺ずっと、ひどい態度とってたのに……」
「そうだった? 俺、何も感じないからわかんないや」
ポケットからスマホを取り出していじりながら、気にしてない素振り。
今のはたぶん、ナギ先輩の優しさだ。
「……ありがとう、ございます」
「あっくん、スマホ貸してー?」
「へ? あ、あぁ、はい。どうぞ……」
自分のスマホを操作しながら前触れもなく放たれた言葉に、つい間の抜けた声を出してしまった。
出された手に、ロックを解除したスマホを乗せる。すると先輩は慣れた手つきで俺のスマホ画面を操作しはじめた。
「あ、あの……」
「よしオッケー。メッセのID交換しといたから」
言いながらスマホを返されて、送られてきた先輩からのスタンプは、可愛い猫のイラスト。両手を上げて、飛び跳ねてる。『よろしくにゃ!』って。
「これで、あっくんも俺のトモダチ~」
「え!」
「あでも、コータにはナイショね?」
「なんでですか?」
「だってそのほうが、もえるでしょ?」
ウインクしながら人差し指を口元に添える。そんなイケメン仕草が様になっている先輩を前に、言葉の意図が汲み取れず頭を捻っていると、また頭を撫でられた。
じゃあね、と爽やかな笑顔で楽しそうに去っていく。
そんなあっと言う間に目の前から居なくなったナギ先輩の後ろ姿を、俺は目で追うしかできなかった。
だってセフレの定義すら、俺はわかってないんだもん。
どんなプレイを誰として、とかは正直どうでもいい。航ちゃんとどうにかなってることには変わりないんだし、俺はそれがイヤ。だからソレらを全部塗り替えて俺が、航太朗の一番になりたい。ただ、それだけ。
「てかさ、俺全然普通にお尻の準備とか言ったけど、あっくんはコータに抱かれたい……で、合ってた?」
「合ってます。航ちゃんに俺……」
抱かれて、もっとめちゃくちゃにされてみたい。
そんなこと口にしないまでも想像してしまったら、途端に体は火照ってくる。
単純な自分がちょっとだけ嫌になって俯くと、先輩は俺の様子で察したのか優しい声で小さく笑った。
「そう。よかった。まあ、あっくんが言えばコータはどっちでも受け入れると思うけどね」
「え……?」
クスクス笑いながら席を立つ。そんな先輩を目で追いながら見上げたら、また髪を撫でられた。
「俺はあっくんの味方だよ。いつでも話聞くし、何かあったら相談して?」
「なんで……俺ずっと、ひどい態度とってたのに……」
「そうだった? 俺、何も感じないからわかんないや」
ポケットからスマホを取り出していじりながら、気にしてない素振り。
今のはたぶん、ナギ先輩の優しさだ。
「……ありがとう、ございます」
「あっくん、スマホ貸してー?」
「へ? あ、あぁ、はい。どうぞ……」
自分のスマホを操作しながら前触れもなく放たれた言葉に、つい間の抜けた声を出してしまった。
出された手に、ロックを解除したスマホを乗せる。すると先輩は慣れた手つきで俺のスマホ画面を操作しはじめた。
「あ、あの……」
「よしオッケー。メッセのID交換しといたから」
言いながらスマホを返されて、送られてきた先輩からのスタンプは、可愛い猫のイラスト。両手を上げて、飛び跳ねてる。『よろしくにゃ!』って。
「これで、あっくんも俺のトモダチ~」
「え!」
「あでも、コータにはナイショね?」
「なんでですか?」
「だってそのほうが、もえるでしょ?」
ウインクしながら人差し指を口元に添える。そんなイケメン仕草が様になっている先輩を前に、言葉の意図が汲み取れず頭を捻っていると、また頭を撫でられた。
じゃあね、と爽やかな笑顔で楽しそうに去っていく。
そんなあっと言う間に目の前から居なくなったナギ先輩の後ろ姿を、俺は目で追うしかできなかった。
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