上 下
48 / 53
愛されてるって錯覚しそう

新しい快感と、切ない噛み痕 ★

しおりを挟む
「っ、はぁ……あっくん」
「へ? な、なに?」
「ココは、出来るようになった?」

 ふいに口から解放されたと思ったら、航太朗の指がお尻の穴の周りをクニクニと捏ねてきた。

「あッ……ま、まだ……」
「そっか。じゃあ今日はコッチしてあげる」
「え、あ、なに……ほぅあっ!」

 捏ねていた指が、ツーッと上に移動していく感覚。穴と玉の間をスルリと撫でたかと思ったら、ググっと軽く中を刺激するみたいな手つきに変わって、思わず情けない声が出た。

「うあ、やっ、待ってソレっんん、あッなに」
「この奥の、前立腺撫でてる」
「ひぅ、うっあぅ、ダメそれ待ってヤバ、ぃぃっ」

 航ちゃんの指が器用に動く。奥の前立腺を刺激する手つき。強弱つけて撫でたり、突いたり。くすぐったいと感じたのは一瞬で、あとはもう何だかわからない快感の波が、押し寄せるだけ。

「なっに、これ、っんん、あっあぅっ」
「どう、きもちぃ?」
「ぎもちぃ、イク、やだイクぅぅっ……ッああ!」

 何もでない。射精するのとは違う気持ちよさ。イッたのに、カラダが快楽のプールに浮遊するみたいな、でもまた刺激されればすぐに電流が走って、イク。航ちゃんは俺のタイミングを見て、コリコリ撫でたり緩めたり。下腹部の痙攣が止まらない。ずっと、何度もイッちゃう。

「はあっはあっこ、おちゃ、ああっ」
「んっ、あぁー……っはは。ココでイくの覚えちゃったね、あっくん」
「い、イく、こわぃ、あっまたイクっ……ンンーッ!」
「射精しないから気持ちイイの止まんないねぇ」

 どうしよ、どうしよ。ちんちん触らないでイクの気持ちイイ。お尻の中がずっとキュンキュンしてて、脳ミソ溶けそうで視界がチカチカ。経験したことない感じ方してる、俺。

 気持ちいい、怖い、気持ちいい……

 止まって欲しいのに、やめてほしくない。もっと、もっとシて、もっと。

 どんなことになっちゃってるのか気になって、顔を覆っていた枕を外してみた。するとそれに気付いた航ちゃんが、ニィッと楽しそうに口角を上げ、ゆったりと覆い被さりながら俺の耳に口を寄せてくる。

「これじゃもう、女の子抱けないね」
「っ!」
「グズグズに感じちゃって、今、もっと欲しくなってるでしょ」

 航ちゃんの囁くような低い声が、いやらしく耳に響く。それだけで腰が震えちゃって、貯まった精液が、漏らすようにビュッピュルッと出ていったのが自分でわかった。

「あ、ぁっ……」
「ここ。こんなとこ撫でられて、自分が女の子みたいになっちゃってんだもんね」

 手のひらで玉を捏ねられ、指の腹でそのすぐ下をクニュクニュ、コリコリ。
 耳から顔を離して、俺を見る。その航太朗の瞳は濡れているせいか、妙に熱っぽくて、えっちで……どうしよ俺、航ちゃんとこのまま見つめ合ってるだけで、また女の子イキしそう。

「ぁっ、んん……じゃ、責任とって、よ……っあぅ」
「責任?」
「ここ噛んで、首んとこ……」
「っ……」
「もう俺、女の子と、んあっシないから……お願いこぉちゃ、ンンッ」

 航太朗の顔が、眉間にシワを寄せて歪む。一瞬の、躊躇う素振り。だけどそのあと唾を飲み込むように喉が動いて、勢いよく首に噛みつかれた。

「あッ、い、た……っぁぁ……」

 それでも噛むのはやっぱり、首筋でも服に隠れるあたり。理性的な噛み方に、従った感が否めなくて切なくなる。けど、これでいい。
 これで暫くは、航ちゃんの印が残る。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。 彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。 ……あ。 音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。 しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。 やばい、どうしよう。

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

処理中です...