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航ちゃんに視姦されてみたい
俺も視姦プレイしてみたい
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「あっくんがイヤなら聞かないでおこうって思ったんだけど……ごめんやっぱり気になる。先輩とさっき、何話してた?」
心の中が、読まれたのかと思った。怖すぎてすっごい心臓バクバク言ってる。
ハッとして周りを見渡したら、さっきまで左右の席に座っていた人たちがいなくなっていたから、なるほどと思った。
他人に聞かれないよう配慮して、このタイミングだったのか。
聞かれたらマズイ話だもんね。でも……
やっぱりやめようって、言われるのかと思った。
他の人たちと同じように、俺を囲うことはできないって。
航太朗のゴメンが、こわい。
「……先輩と航ちゃんはどんなプレイしてるのか、聞いてた」
「え?」
何したって脆いなら、隠すなんて勿体ないよな。引かれるかもしれないし、ヘタ打てば嫌われるかもしれないことでも、航太朗に聞かれたことには全部答える。それが俺の、俺ができる精一杯の誠意だ。
「先輩に、航ちゃんと進展があったって話した。それで、どうしても知りたくて、聞いちゃった」
「……なんて言ってた?」
「知りたければ航ちゃんに聞いてみるといいよって」
「っ、あの人まじか……」
テーブルに肘を突いて、片手で目元を覆う。そんな航太朗を見て、胸の奥に鈍痛が走った。
航ちゃんにとって先輩は特別なセフレなんだろうから、きっと二人でしているプレイのことは秘密にしたいのかもしれない。だって、俺から目を逸らして言葉を詰まらせてるんだもん。こんな、あからさまに。
「言いたくないなら、いい」
まだ食べ終わっていない定食の乗ったトレーを掴んで、俺は席を立った。
胸の奥はまだ痛い。一度ここを離れて心を落ち着けないと、航太朗に『親友』の態度で接することは難しいかもしれない。
「ごめん、変なコト聞いて。そろそろ俺行くね」
「いや」
上手く笑えた自信はないけど、取り繕うように笑顔を貼り付けて居たたまれなさから逃げようとしたら、グッと二の腕を強めに掴んで引き留められた。
「……視姦」
「しかん?」
「目で、おかしてる」
なに……どういうこと?
「それがあの人の、要望だから」
すごく言いづらそうな顔をして、上目遣いに俺を見つめてる。俺の二の腕を掴んだままの航太朗の手が、微かに震えてる。
「見られることに興奮するらしい。でも誰でもいいわけじゃないとかで、俺の目が、気に入ったからって……」
「どう、やってるの?」
「え……」
思わず、聞いてしまった。
「そのシカンって、目で……どんな風に」
「あっくんそれは」
「ダメ? できない? 先輩とのことは大事にしたいんだ?」
「そうじゃなくてっ」
うわ今、俺すっごい嫌な聞き方した。嫉妬心剥き出しで、声、強くなっちゃった。
俺を見る航太朗の瞳が揺れてる。眉間にシワ寄って、二の腕を掴んでいる指に力が入った。
「っ……」
無言で腕を引かれるままに、また椅子に腰を下ろす。定食のトレーをテーブルに置いたらもう片方の腕も捕らえられて、必然的に航太朗と向き合う形になった。
「航ちゃん、触ってくれたあといつも言ってたじゃん。色んなコト、挑戦してみようねって」
「聞こえてたのか、あれ……」
「意識飛ぶ直前でも、航太朗の言葉は全部おぼえてるよ、俺」
行為の最後まで俺を煽ってくれる、それが優しさ故だっていうのもわかってる。けど、俺はその優しさを利用したい。都合よく。そうでもしないと航太朗は、本当には挑戦させてくれないだろうから。
「だから、したい。挑戦」
「……」
「先輩としてる視姦プレイってやつ、俺もしてみたい」
「……あっくん」
「おねがい」
訴えかけるような目で航太朗を見つめて、必死さをアピール。優しさに付け入るなんてズルくてサイテーだって自分でもわかってるけど、こうする以外の方法が、思いつかないんだ。
先輩の位置に追いついて、追い越して、早く航太朗の『特別枠』になるための方法が。
だからお願い。断らないでくれ。
「……わかった」
「!」
俺の思い、通じた!
「じゃあ家に帰ってきたら、教えて。俺があっくんちに行くから」
「うん」
「服脱いで、全裸で待機」
「えっ……」
「できない?」
一つ息を吐き出し、観念して受け入れたような顔をしたあと、航太朗の目つきが変わって、声のトーンも落ちた。
俺、この顔を知ってる。ナギ先輩と話してる時と同じだ。
キリッと冷めた目に、否定も拒否も受け入れず容赦もしないといった声。
さっきまでとは違う雰囲気を醸す航太朗に見つめられ、全身が粟立つように震える。
プレイが、始まった。そう確信した俺は、首を何度も振るしかできなかった。
⇒次章『どんなプレイでもキミが望むなら』
心の中が、読まれたのかと思った。怖すぎてすっごい心臓バクバク言ってる。
ハッとして周りを見渡したら、さっきまで左右の席に座っていた人たちがいなくなっていたから、なるほどと思った。
他人に聞かれないよう配慮して、このタイミングだったのか。
聞かれたらマズイ話だもんね。でも……
やっぱりやめようって、言われるのかと思った。
他の人たちと同じように、俺を囲うことはできないって。
航太朗のゴメンが、こわい。
「……先輩と航ちゃんはどんなプレイしてるのか、聞いてた」
「え?」
何したって脆いなら、隠すなんて勿体ないよな。引かれるかもしれないし、ヘタ打てば嫌われるかもしれないことでも、航太朗に聞かれたことには全部答える。それが俺の、俺ができる精一杯の誠意だ。
「先輩に、航ちゃんと進展があったって話した。それで、どうしても知りたくて、聞いちゃった」
「……なんて言ってた?」
「知りたければ航ちゃんに聞いてみるといいよって」
「っ、あの人まじか……」
テーブルに肘を突いて、片手で目元を覆う。そんな航太朗を見て、胸の奥に鈍痛が走った。
航ちゃんにとって先輩は特別なセフレなんだろうから、きっと二人でしているプレイのことは秘密にしたいのかもしれない。だって、俺から目を逸らして言葉を詰まらせてるんだもん。こんな、あからさまに。
「言いたくないなら、いい」
まだ食べ終わっていない定食の乗ったトレーを掴んで、俺は席を立った。
胸の奥はまだ痛い。一度ここを離れて心を落ち着けないと、航太朗に『親友』の態度で接することは難しいかもしれない。
「ごめん、変なコト聞いて。そろそろ俺行くね」
「いや」
上手く笑えた自信はないけど、取り繕うように笑顔を貼り付けて居たたまれなさから逃げようとしたら、グッと二の腕を強めに掴んで引き留められた。
「……視姦」
「しかん?」
「目で、おかしてる」
なに……どういうこと?
「それがあの人の、要望だから」
すごく言いづらそうな顔をして、上目遣いに俺を見つめてる。俺の二の腕を掴んだままの航太朗の手が、微かに震えてる。
「見られることに興奮するらしい。でも誰でもいいわけじゃないとかで、俺の目が、気に入ったからって……」
「どう、やってるの?」
「え……」
思わず、聞いてしまった。
「そのシカンって、目で……どんな風に」
「あっくんそれは」
「ダメ? できない? 先輩とのことは大事にしたいんだ?」
「そうじゃなくてっ」
うわ今、俺すっごい嫌な聞き方した。嫉妬心剥き出しで、声、強くなっちゃった。
俺を見る航太朗の瞳が揺れてる。眉間にシワ寄って、二の腕を掴んでいる指に力が入った。
「っ……」
無言で腕を引かれるままに、また椅子に腰を下ろす。定食のトレーをテーブルに置いたらもう片方の腕も捕らえられて、必然的に航太朗と向き合う形になった。
「航ちゃん、触ってくれたあといつも言ってたじゃん。色んなコト、挑戦してみようねって」
「聞こえてたのか、あれ……」
「意識飛ぶ直前でも、航太朗の言葉は全部おぼえてるよ、俺」
行為の最後まで俺を煽ってくれる、それが優しさ故だっていうのもわかってる。けど、俺はその優しさを利用したい。都合よく。そうでもしないと航太朗は、本当には挑戦させてくれないだろうから。
「だから、したい。挑戦」
「……」
「先輩としてる視姦プレイってやつ、俺もしてみたい」
「……あっくん」
「おねがい」
訴えかけるような目で航太朗を見つめて、必死さをアピール。優しさに付け入るなんてズルくてサイテーだって自分でもわかってるけど、こうする以外の方法が、思いつかないんだ。
先輩の位置に追いついて、追い越して、早く航太朗の『特別枠』になるための方法が。
だからお願い。断らないでくれ。
「……わかった」
「!」
俺の思い、通じた!
「じゃあ家に帰ってきたら、教えて。俺があっくんちに行くから」
「うん」
「服脱いで、全裸で待機」
「えっ……」
「できない?」
一つ息を吐き出し、観念して受け入れたような顔をしたあと、航太朗の目つきが変わって、声のトーンも落ちた。
俺、この顔を知ってる。ナギ先輩と話してる時と同じだ。
キリッと冷めた目に、否定も拒否も受け入れず容赦もしないといった声。
さっきまでとは違う雰囲気を醸す航太朗に見つめられ、全身が粟立つように震える。
プレイが、始まった。そう確信した俺は、首を何度も振るしかできなかった。
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