彼女持ちのドМな親友の願望を叶えてあげる健気で哀れな俺の話

朝賀 悠月

文字の大きさ
上 下
20 / 56
航ちゃんに視姦されてみたい

まだ、覚めない熱 ★

しおりを挟む
 キス、しちゃったんだ。航ちゃんと。

 航ちゃんの唇、想像以上に柔らかかった。重ねて、押し付けて、何度も啄んで。ただそれだけだったのに、俺の全身は甘く痺れて溶けちゃいそうだった。頭がフワフワした。気持ち良かった、すごく。

 航ちゃんはきっと、嫌だったかもしれない。それなのに、俺の勝手な嫉妬で放ったワガママに、あっさり応えてくれた。
 なんで、あんなに優しいんだろ。なんでいつも、俺を優先してくれるんだろ。なんで……
 なんてそんなの、『親友だから』でしかないよな。そんな航ちゃんの優しさに、俺はちゃっかりつけ入ってる。ズルくてサイテーだってわかってるけど、その『親友』っていう唯一のポジションを、誰にも譲りたくないし、手放したくもないんだ。
 こんな関係は汚れてる。普通じゃない。そんなこともちゃんと解ってるんだ、ほんとは。

「う、っんぅ……はぁ……こぉちゃん……っんん」

 さっき別れたばっかりなのに、カラダの中でまだ熱がくすぶってる。
 足早にベッドへダイブして股間に手を伸ばしてみると案の定、軽く勃起してた。触れると同時に少し前までしていたプレイが、脳内を埋め尽くす。
 思い出だされる航ちゃんの熱い視線。鮮明に残ってる、手や唇の感触。そして足裏で擦った、航ちゃんの……
 硬くなって、脈打ってた。航ちゃんのカウパーが俺の足を濡らして、ヌルヌル滑らせるように擦るとビククッて跳ねて……
 蘇ってくる感触に、足の裏がジンジンしてくる。
 今、手で擦ってる自分のちんこもピクピクして、先端の口から汁がジワッと滲み出てきた。

「はぁ……やば……っ」

 航ちゃん、俺の足で気持ちよくなってくれてた。呼吸を乱して夢中になって、吐き出した精液で俺の足を汚してくれたあの瞬間、ゾクゾクして堪らなかった。
 そういえば、唇だけじゃない。航太朗は俺のちんちんにも、たくさんキスしてくれてた。
 チュ、チュッと音を立てて軽く吸い付かれる感覚がまだ、残ってる。時々かかる息とか、竿が唇で挟まれる感触、口内に包まれて扱かれたり、搾り取られるように射精した感覚も。まるで俺のちんちんを愛おしむみたいに丁寧な愛撫をされて、恥ずかしさと嬉しさが複雑に入り交じってとにかく、気持ちいいでしかなくて。

「はぁっぁぁ、ど、しよ……手ぇとまんない……っ」

 航ちゃんのクチでちんちん犯されるの、ほんとヤバかった。あの感触のおかげで、これから何度でも思い出しイキできそう。

 でも……

 あんな気持ちいいフェラを、他の人もしてもらってるんだよな……
 俺は初めてだったけど、航ちゃんのセフレたちはもっと、ずっと、いっぱい……

「っ、あぁ……くやしい……っん」

 考えただけで涙が込み上げてくる。
 他のセフレたちと同じ土俵に立ったからって、まだまだ遠く及ばない。他の人たちは航ちゃんともっと色んなことしてるんでしょ。ずるいよ。
 どんなコトしてるのか気になっちゃう。俺にしてくれたの以外に、それ以上に、すごいこともしてるんだろうな。酷いことも引くようなこともするって言ってたから。
 俺も、航ちゃんともっといろいろしてみたい。
 もっと滅茶苦茶にされてみたいよ。ねぇ、航ちゃん……
 仲間に入れてくれたってことは、期待してもいいんだよね?
 今日シたようなコトも、それ以上のコトも、同じようにしてくれるって。

「あやばっ……ぁっイきそ……イクっ……ンンッ」

 想像しただけで下腹部が痺れて精子が上がってくる。先っぽの方を素早く扱いて、手の中にドロッと放った精液。薄い白濁が、さっきまでのやらしい出来事を物語っているみたいだ。

「はぁっはぁ……好き、こぉちゃん……っ」

 言葉にするだけで、みぞおちの辺りがギュゥッと痛みだす。
 ほんとは、独り占めしたい。俺だけの航ちゃんになってほしい。だけどそんなの『ノンケ』ってやつの俺が言える立場じゃないのはわかってるから、せめて、囲われてる中の一番になりたいよ。
 それを願うだけでも、許してくれないかな。

「……あー、っはは。涙腺壊れたぁ」

 枕元に手を伸ばし、ティッシュを数枚引き出した。目から零れ出る涙を雑に拭いた後、その湿ったティッシュで汚れた手とちんこを綺麗に拭う。
 そういえば。一緒にシャワーを浴びてる時、航ちゃんは俺に手を出してこなかったけど、終始穏やかな顔してたな。俺と話しながらニコニコしてた。浴室に響く航ちゃんの笑い声、まだ耳に残ってる。あぁそうだ俺、航ちゃんのあんなふうに笑った顔を久しぶりに見たかも。こういう関係を強いるようになってからずっと、苦い顔ばっかりさせてたから。俺のせいで、奪っちゃってたんだ。俺が、あの笑顔を。

「っ……」

 じゃあまた明日、そう言って航太朗は家を出た。
 玄関ドアを開けて振り返ると、お互い口元を緩めてヘラッと笑いながら見つめ合った沈黙の時間。少しすると航ちゃんは、チラチラと目をそらしはじめた。あれはたぶん、急に気まずさが勝ってきたんだと思う。俺はもう少し航太朗と居たかったけど、でもそんなこと言ってコレ以上の迷惑は掛けたくなかったから、顔の横で軽く手を振って俺の方から静かにドアを閉めた。

 冷静になって思えば、俺、ほんとにずっとサイテーなことしてる。だけど今さら、引き下がれない。だって気付いちゃったから。自分の想いに。

「航ちゃん、またキス……してくれるかなぁ……っ」

 切なさ、嫉妬、不安、期待。色んな感情が渦巻いてる。
 気の迷いかもしれない。俺に言われて、仕方なく意を決して、キスをくれたのかも。
 だから次は無いかもしれないけど、淡い期待は持っていたいと思ってしまう。

 ごめんね。でも、嬉しかった。

 航太朗の感触が残る唇を手の甲に押し付けながら、俺は次第に、眠りに落ちていった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

処理中です...