17 / 20
16
しおりを挟む
「とは言ってもなぁ」
駅まで一緒に帰ってくれた仲川に手を振って分かれ、家に向かう電車に乗る。
警戒とはどのように?というか、面倒事が増えたぞう。
まぁ、浮気野郎の方はそろそろ警戒しなくても良さそうだ。
今日は楠木さん、横浜で飲み会参加になったって連絡きたから帰らなさそうだし、久しぶりにひとりご飯だからどうしようかな。食べに行ってもいいし、テイクアウトもいいなぁ。
駅に着いたところで、ぴろろ、とラインの通知が来た。
見ると、魔法少女仲間からのご飯のお誘いだった。
明日も用事はないし、近況報告がてら誘いに乗る事にした。
***************
「みんな久しぶりかんぱーい」
「適当か・・・かんぱーい」
「ぱーい」
それぞれビール、焼酎、カクテル、日本酒を手にグラスを鳴らして飲む。
あ、ここカクテル美味しい。
「まさか、横浜からこっちに引っ越してるとはねぇ。今度泊まり行ってもいい?ベッドサイズ変わってないでしょ」
「変わっとらんよ!おいでおいでー」
「わたしも止まりたーい」
「なら、今度パジャマパーティしようよー、予定合わせよ」
ビールを片手に、小橋千陽こと、はるが言うのに続き、静岡夢美こと、ゆめと葛西望ことのんちゃんが続いてのってくる。
みんな、魔法少女だった仲間だ。
あと一人、井池渚ーーなぎがいるが、夏コミのコスプレ衣装追い込みだとかで今日は欠席だ。今年は絶対に私は着ない、絶対にだ。何がなんでも一般参加で薄い本を買い倒すんだ・・・っっ。
他にも魔法少年もいるが、今日は女子会なので来ていない。
長い付き合いなので、方言が出ても気にせず話せるから、酒の席でも気をつけなくて済む。
「にしてもさぁ、ゆめの先週のあれ、大丈夫だったの?いきなりあんな写真送られてきて、心臓止まるかと思ったわ」
「だって、銀行にお金おろしに行ったらまさかの銀行強盗よ?あんな機会絶対ないし、試しに今どこまで影薄くできるか実験してみたかったのよ」
「だからって、みんな捕まってる現場背景にピースしながら自撮りするなよ」
「ちゃんと無音カメラで撮ったよ?」
「そうじゃないでしょ。ばか」
何とか解決はしたようだったからよかったものの、昔のように完璧に気配遮断出来る訳ではないのだ。勘の鋭い、気配に敏い人には気付かれる。現に1人気付いていた人がいたようだし。
夢美の能力は透明人間。魔法少女のときは、隣りに居ても居ないものと思わせるくらい存在感を無くす事ができた。
千陽は身体強化、望はどんなものの匂いもかぎ分けられる能力だった。他にも数人いるが、それぞれの能力から日本チームはSHINOBIと他国から呼ばれていたくらい、隠密特化していた。
「だって、あの人警察官だったし。逮捕手伝ったあとは事情聴取だけで帰ったし・・・あ、金森さんいたからすんなり帰れたよ。メディア関係には、私の事はうまく隠してくれたみたい」
「金森さん!?なつかしー!!あの人覚えてくれてたんだ」
「巡査から警部になってたよ。流石にちょっと老けたけどまだまだ現役って感じで現場に行ったりしてるみたい」
「まぁ、お疲れさま。もう何もない事を祈ろう」
15年前、宇宙人捜索中にお世話になったり逆に手助けしたりした金森巡査を思い出しながら、もう一度みんなで乾杯する。
それぞれのグラスの中身を飲み干し、好きな飲み物を注文する。
「っぁー!ビールうまい」
「はるのおっさん化が進行してる・・・」
「うっさい。ていうか、あんたよあんた、ゆず!!」
「ひゃい!?」
ごつん、と乱暴にジョッキを置きながらはるに指をさされる。
顔が真っ赤になっているのは酔っ払っているのか、怒っているのか。
その矛先が自分に向くとは思っていなかったから変な声出ちゃった。
「あのクズ男に浮気されたってどういう事よ!?」
「それ、私も言おうと思ってたの!グレから聞いてビックリしたのよ、あの子もカンッカンに怒ってたんだから!」
「え、何それあたし聞いてないんだけど」
「やだ、どこから情報仕入れたん?まだ会社内しか知らないと思っとったんだけど」
「横浜の野良猫からカラス経由で仕入れたんだって・・・・って、そんな事どうでもいいのよ!だから言ったでしょ、あのクズ男は止めておきなさいって」
「野良猫にカラスて・・・グレってば野生に帰るん?」
グレこと木暮信明は、望の婚約者にして、魔法少年だった子だ。今でも動物と意思疎通が出来て、以前は動物にテレパシーで情報収集もしていた。逃げ道なども教えてくれてかなり助かった。
家は動物病院をやっていて、望はそこに併設している動物同伴可能なカフェで働いている。何年かしたら結婚するそうだ。
しかし、まさかの所から浮気情報まで漏れているとは思わなかった。説教はもうされたくないので誤魔化そう。
「そ、そういや、グレってば去年獣医資格受かったんでしょ?今実家の病院??」
「そうだよ、最近やーっと落ち着いたから、一緒に暮らすようにしたんだー」
「ずっと言ってたもんね、おめでと!今度何か送るから住所あとで教えてね」
「うん、ラインで送るわ。それよりもユズの話よ」
「誤魔化そうったって、そうはいかないわよ」
「そうそう、ちょっとそこに正座しなさい」
それからずっと説教された。全員お酒がはいっているから全く止まってくれない。
楽しいお酒だったのにー!!
駅まで一緒に帰ってくれた仲川に手を振って分かれ、家に向かう電車に乗る。
警戒とはどのように?というか、面倒事が増えたぞう。
まぁ、浮気野郎の方はそろそろ警戒しなくても良さそうだ。
今日は楠木さん、横浜で飲み会参加になったって連絡きたから帰らなさそうだし、久しぶりにひとりご飯だからどうしようかな。食べに行ってもいいし、テイクアウトもいいなぁ。
駅に着いたところで、ぴろろ、とラインの通知が来た。
見ると、魔法少女仲間からのご飯のお誘いだった。
明日も用事はないし、近況報告がてら誘いに乗る事にした。
***************
「みんな久しぶりかんぱーい」
「適当か・・・かんぱーい」
「ぱーい」
それぞれビール、焼酎、カクテル、日本酒を手にグラスを鳴らして飲む。
あ、ここカクテル美味しい。
「まさか、横浜からこっちに引っ越してるとはねぇ。今度泊まり行ってもいい?ベッドサイズ変わってないでしょ」
「変わっとらんよ!おいでおいでー」
「わたしも止まりたーい」
「なら、今度パジャマパーティしようよー、予定合わせよ」
ビールを片手に、小橋千陽こと、はるが言うのに続き、静岡夢美こと、ゆめと葛西望ことのんちゃんが続いてのってくる。
みんな、魔法少女だった仲間だ。
あと一人、井池渚ーーなぎがいるが、夏コミのコスプレ衣装追い込みだとかで今日は欠席だ。今年は絶対に私は着ない、絶対にだ。何がなんでも一般参加で薄い本を買い倒すんだ・・・っっ。
他にも魔法少年もいるが、今日は女子会なので来ていない。
長い付き合いなので、方言が出ても気にせず話せるから、酒の席でも気をつけなくて済む。
「にしてもさぁ、ゆめの先週のあれ、大丈夫だったの?いきなりあんな写真送られてきて、心臓止まるかと思ったわ」
「だって、銀行にお金おろしに行ったらまさかの銀行強盗よ?あんな機会絶対ないし、試しに今どこまで影薄くできるか実験してみたかったのよ」
「だからって、みんな捕まってる現場背景にピースしながら自撮りするなよ」
「ちゃんと無音カメラで撮ったよ?」
「そうじゃないでしょ。ばか」
何とか解決はしたようだったからよかったものの、昔のように完璧に気配遮断出来る訳ではないのだ。勘の鋭い、気配に敏い人には気付かれる。現に1人気付いていた人がいたようだし。
夢美の能力は透明人間。魔法少女のときは、隣りに居ても居ないものと思わせるくらい存在感を無くす事ができた。
千陽は身体強化、望はどんなものの匂いもかぎ分けられる能力だった。他にも数人いるが、それぞれの能力から日本チームはSHINOBIと他国から呼ばれていたくらい、隠密特化していた。
「だって、あの人警察官だったし。逮捕手伝ったあとは事情聴取だけで帰ったし・・・あ、金森さんいたからすんなり帰れたよ。メディア関係には、私の事はうまく隠してくれたみたい」
「金森さん!?なつかしー!!あの人覚えてくれてたんだ」
「巡査から警部になってたよ。流石にちょっと老けたけどまだまだ現役って感じで現場に行ったりしてるみたい」
「まぁ、お疲れさま。もう何もない事を祈ろう」
15年前、宇宙人捜索中にお世話になったり逆に手助けしたりした金森巡査を思い出しながら、もう一度みんなで乾杯する。
それぞれのグラスの中身を飲み干し、好きな飲み物を注文する。
「っぁー!ビールうまい」
「はるのおっさん化が進行してる・・・」
「うっさい。ていうか、あんたよあんた、ゆず!!」
「ひゃい!?」
ごつん、と乱暴にジョッキを置きながらはるに指をさされる。
顔が真っ赤になっているのは酔っ払っているのか、怒っているのか。
その矛先が自分に向くとは思っていなかったから変な声出ちゃった。
「あのクズ男に浮気されたってどういう事よ!?」
「それ、私も言おうと思ってたの!グレから聞いてビックリしたのよ、あの子もカンッカンに怒ってたんだから!」
「え、何それあたし聞いてないんだけど」
「やだ、どこから情報仕入れたん?まだ会社内しか知らないと思っとったんだけど」
「横浜の野良猫からカラス経由で仕入れたんだって・・・・って、そんな事どうでもいいのよ!だから言ったでしょ、あのクズ男は止めておきなさいって」
「野良猫にカラスて・・・グレってば野生に帰るん?」
グレこと木暮信明は、望の婚約者にして、魔法少年だった子だ。今でも動物と意思疎通が出来て、以前は動物にテレパシーで情報収集もしていた。逃げ道なども教えてくれてかなり助かった。
家は動物病院をやっていて、望はそこに併設している動物同伴可能なカフェで働いている。何年かしたら結婚するそうだ。
しかし、まさかの所から浮気情報まで漏れているとは思わなかった。説教はもうされたくないので誤魔化そう。
「そ、そういや、グレってば去年獣医資格受かったんでしょ?今実家の病院??」
「そうだよ、最近やーっと落ち着いたから、一緒に暮らすようにしたんだー」
「ずっと言ってたもんね、おめでと!今度何か送るから住所あとで教えてね」
「うん、ラインで送るわ。それよりもユズの話よ」
「誤魔化そうったって、そうはいかないわよ」
「そうそう、ちょっとそこに正座しなさい」
それからずっと説教された。全員お酒がはいっているから全く止まってくれない。
楽しいお酒だったのにー!!
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる