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佳代さんが部屋を見たい、と言うので案内する。
加賀地さんと楠木さんは、何やら話すことがあるんだとかでリビングに残って居る。
「こっちがパウダールーム、隣がトイレです」
「お風呂広いわね。前のとこ、バストイレ一緒だったから嫌だって言ってたわよね。良かったわねぇ」
「いやほんと、あれだけはストレスだったんですよねー、お風呂ゆっくり入れないし・・・あ、隣は書斎です」
「あなたの場合、書斎では無くて趣味部屋よ・・・うわ、広っ」
「でしょでしょ!?10畳あるんですよ、10畳!」
ここだけは配置に拘った。
この趣味部屋、リビングからと廊下側、2箇所から入れるようになっており、間で間仕切りが出来るようになっている。間仕切りをすると、廊下側の部屋が6畳、リビング側の部屋が4畳になるので間仕切りで仕切られる位置に人が通れるスペースを開けて背の低い本棚を置いて、4畳側は作業、リラックススペースにして、6畳側は窓を除いた壁全面に本棚を置いた。スペースがまだあったので、中央に間仕切り部分と同じく背が低い本棚を置いた。
これで、今までトランクルームに預けていた本が全て収納出来た・・・・持ってきてくれた業者さん、本と書いてた箱の多さに引いてたしな。せっかく能力があるから生かそうと、いろんな国の和訳辞書やら専門書やら雑誌やら買ってたら増えたんだ。いつの間にか。言葉を覚える為だ、仕方ない。
4畳の方にはパソコンデスクと隠さないといかんやつ本を収納した隙間本棚、中央に大きめの一人掛けソファーとミニテーブルを置いている。
「うわ、完っ全に趣味部屋だわ・・・あなた、ここから動かなくなりそう」
「うっ・・・そ、そんなことないですよー」
「絶対そうなるわ。ベッドがないだけマシね・・・ここで寝ないようにね」
「ど、努力します」
これ以上言われないよう、そそくさと部屋を出る。
玄関前まで戻り、ベッドルームの扉を開ける。
ここはまだ殆ど片付けておらず、収納付きベッドとサイドチェスト、さっき運んでもらったダンボールしかない。
「こっちは寝室です!」
「相変わらず大きいベッドで寝てるのね。サイズは何これ、クイーン?」
「ですですー、初任給で買って以来、このサイズじゃないと満足出来なくて」
「あら、ベッド変えた?前と違うわよね」
「もう古かったし、アイツが寝たベッドに寝たくなかったんで、さすがに変えました」
「あぁね、いいんじゃない?ベッドもあの会社にいた頃から使ってたやつでしょ、丁度良かったじゃない」
「ですね。出費は痛かったけど、貯金だけはありましたし。家具を統一したかったのもあったんで、心機一転ってやつです・・・ところで」
「なぁに?」
「あのショッパー、何です?」
「あぁ、結子がね、『買っちゃったから着て写メって送ってください☆』だって」
「え~~~またですか」
加賀地さんの娘、結子ちゃんは同人漫画を趣味で描いていて、ジャンルは女性向け男性向けどちらも描く。たまにこうして、参考資料として私がモデルをするのだ。が、ポーズがちょっと、うん、エロい方向なのでめちゃくちゃ恥ずかしい。なんであの子、エロ漫画しか描かないのよ・・・たまには健全も描けよ・・・・。一番問題なのは、佳代さんが割とノリノリなとこだ。何でだよ娘を止めろよ止めてくださいよ。
ジッパーを開けて中を見る。フリルのシャツと、ジャンスカ・・・や、コルセット着いてる、吊りスカートか?あと、何だこのグレーのニット、やたら面積が・・・・
「あらこれ、童殺服じゃない。ちょっと古くない?次何描くのかしら」
「いや、だから止めてくださいよ!!!!」
「・・・何、どした?」
「!!??」
開けたままだった扉から、ひょこ、と加賀地さんと楠木さんが顔を出した。
慌てて袋に服を戻す。
加賀地さんは結子ちゃんの同人活動を知らないのだ。バラすのはさすがにかわいそうだし・・・加賀地さんが。
「ナ、ナンデモアリマセン」
「?そうか。佳代、そろそろ帰ろう。ディナーの予約に間に合わなくなる」
「あら、もうそんな時間?」
「お、デートですか?デートですかぁ?お熱いですねぇ加賀地さん」
「うるさい、あほ」
ひゅーひゅー、とからかうと、ぽかっとグーで殴られた。痛い。
いやいや、いつまでもお熱い夫婦ですね。
二人を見送り、時間を見るとそろそろ18時になりそうだった。
「楠木さん、夕ご飯どうします?」
「お昼は作ってもらったし、夜はご馳走させてくれないか?」
「え、あれは、引っ越しお手伝いしてもらいましたし、むしろ私がご馳走します」
「引っ越し祝いだと思ってくれ。それに、困ってる子は助けるのが普通だろ」
な?と押し切られ、お互い汗を流して身支度し、そのまま近所のバルに連れて行かれご馳走してもらい、最後は家の前まで送ってもらった。
何だあの人、彼氏かよ。いつか絶対お返ししないと申し訳無さすぎる・・・。
加賀地さんと楠木さんは、何やら話すことがあるんだとかでリビングに残って居る。
「こっちがパウダールーム、隣がトイレです」
「お風呂広いわね。前のとこ、バストイレ一緒だったから嫌だって言ってたわよね。良かったわねぇ」
「いやほんと、あれだけはストレスだったんですよねー、お風呂ゆっくり入れないし・・・あ、隣は書斎です」
「あなたの場合、書斎では無くて趣味部屋よ・・・うわ、広っ」
「でしょでしょ!?10畳あるんですよ、10畳!」
ここだけは配置に拘った。
この趣味部屋、リビングからと廊下側、2箇所から入れるようになっており、間で間仕切りが出来るようになっている。間仕切りをすると、廊下側の部屋が6畳、リビング側の部屋が4畳になるので間仕切りで仕切られる位置に人が通れるスペースを開けて背の低い本棚を置いて、4畳側は作業、リラックススペースにして、6畳側は窓を除いた壁全面に本棚を置いた。スペースがまだあったので、中央に間仕切り部分と同じく背が低い本棚を置いた。
これで、今までトランクルームに預けていた本が全て収納出来た・・・・持ってきてくれた業者さん、本と書いてた箱の多さに引いてたしな。せっかく能力があるから生かそうと、いろんな国の和訳辞書やら専門書やら雑誌やら買ってたら増えたんだ。いつの間にか。言葉を覚える為だ、仕方ない。
4畳の方にはパソコンデスクと隠さないといかんやつ本を収納した隙間本棚、中央に大きめの一人掛けソファーとミニテーブルを置いている。
「うわ、完っ全に趣味部屋だわ・・・あなた、ここから動かなくなりそう」
「うっ・・・そ、そんなことないですよー」
「絶対そうなるわ。ベッドがないだけマシね・・・ここで寝ないようにね」
「ど、努力します」
これ以上言われないよう、そそくさと部屋を出る。
玄関前まで戻り、ベッドルームの扉を開ける。
ここはまだ殆ど片付けておらず、収納付きベッドとサイドチェスト、さっき運んでもらったダンボールしかない。
「こっちは寝室です!」
「相変わらず大きいベッドで寝てるのね。サイズは何これ、クイーン?」
「ですですー、初任給で買って以来、このサイズじゃないと満足出来なくて」
「あら、ベッド変えた?前と違うわよね」
「もう古かったし、アイツが寝たベッドに寝たくなかったんで、さすがに変えました」
「あぁね、いいんじゃない?ベッドもあの会社にいた頃から使ってたやつでしょ、丁度良かったじゃない」
「ですね。出費は痛かったけど、貯金だけはありましたし。家具を統一したかったのもあったんで、心機一転ってやつです・・・ところで」
「なぁに?」
「あのショッパー、何です?」
「あぁ、結子がね、『買っちゃったから着て写メって送ってください☆』だって」
「え~~~またですか」
加賀地さんの娘、結子ちゃんは同人漫画を趣味で描いていて、ジャンルは女性向け男性向けどちらも描く。たまにこうして、参考資料として私がモデルをするのだ。が、ポーズがちょっと、うん、エロい方向なのでめちゃくちゃ恥ずかしい。なんであの子、エロ漫画しか描かないのよ・・・たまには健全も描けよ・・・・。一番問題なのは、佳代さんが割とノリノリなとこだ。何でだよ娘を止めろよ止めてくださいよ。
ジッパーを開けて中を見る。フリルのシャツと、ジャンスカ・・・や、コルセット着いてる、吊りスカートか?あと、何だこのグレーのニット、やたら面積が・・・・
「あらこれ、童殺服じゃない。ちょっと古くない?次何描くのかしら」
「いや、だから止めてくださいよ!!!!」
「・・・何、どした?」
「!!??」
開けたままだった扉から、ひょこ、と加賀地さんと楠木さんが顔を出した。
慌てて袋に服を戻す。
加賀地さんは結子ちゃんの同人活動を知らないのだ。バラすのはさすがにかわいそうだし・・・加賀地さんが。
「ナ、ナンデモアリマセン」
「?そうか。佳代、そろそろ帰ろう。ディナーの予約に間に合わなくなる」
「あら、もうそんな時間?」
「お、デートですか?デートですかぁ?お熱いですねぇ加賀地さん」
「うるさい、あほ」
ひゅーひゅー、とからかうと、ぽかっとグーで殴られた。痛い。
いやいや、いつまでもお熱い夫婦ですね。
二人を見送り、時間を見るとそろそろ18時になりそうだった。
「楠木さん、夕ご飯どうします?」
「お昼は作ってもらったし、夜はご馳走させてくれないか?」
「え、あれは、引っ越しお手伝いしてもらいましたし、むしろ私がご馳走します」
「引っ越し祝いだと思ってくれ。それに、困ってる子は助けるのが普通だろ」
な?と押し切られ、お互い汗を流して身支度し、そのまま近所のバルに連れて行かれご馳走してもらい、最後は家の前まで送ってもらった。
何だあの人、彼氏かよ。いつか絶対お返ししないと申し訳無さすぎる・・・。
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