1 / 20
01
しおりを挟む
はぁい、こんにちは。
私、元魔法少女現OLの海野柚子!
「ぁんっ・・・あっやあっ」
「ほら、ここがいいんだ、ろっ」
パンッ パンッ パンッ
こっちは恋人の秦元基さんとその浮気相手!
「やあん、もういっちゃううぅぅっ」
「は、・・・・っ」
パンッ パンッ パンッ
お、ぼちぼち終わるか?
そろそろ録画のために構えているスマホを持っている右腕が限界だから、さっさとしてほしい。
そもそも、何で恋人が来る事が分かっているのに、いたしているのか?
秦さんに、今日は残業で少し遅くなる事を連絡したが、
夕飯は和食が食べたいとリクエストが来たため早く終わらせ急いで買い物してきたのだが。
終わったと思ったら、次は布団に潜りこんでイチャついてき始めたので、録画を継続させたままベッドが映るようにスマホを床に置き、物音をたてないように部屋に置いていた私物をまとめる。
持って帰るもの、もう捨てていい物を選別し、持ち帰る分を鞄に余分に入れていたエコバッグに突っ込んでいく。
げ、化粧水と乳液が明らかに減ってる。もう使いたくないし置いてこ・・・
あ、服、寝室にあるわ。いや、部屋入りたくないし浮気おせっせしてる部屋に置かれた衣類なんてもう着たくもないわ。
すべて終わらせ、買い物の荷物と持ち帰り分のエコバッグを下げてスマホを回収し、音をたてずに部屋を後にした。
*******************
「うーん・・・・」
昼休み。
自分の机に弁当を広げ、昨夜の浮気動画チェックをする。
あの後、自分のアパートに戻ると、秦さんから『いつ来る?』とLINEに連絡が来ていた。
いやいやいや、あんた今浮気相手とおったやろ・・・と呆れつつ、『残業遅くなりそうなので行けなさそうです』と返信。
いつもならすみませんと前置きするが、たとえ文字でも謝りたくなかったので打たない。
何やら返信が来ていたが、通知で見える範囲で文句が書いてあったので見ずに早々に寝た。
会社は同じだが、秦さんのいる営業課と私がいる業務課で階そのものが違うため、自分の机から動かなければ向こうから訪ねて来ない限り会うことはない。
入り口からも離れてるので、机下に隠れれば優しい先輩方が察して誤魔化してくれる。
そもそも秦さんから、会社に付き合っている事は照れくさいから言わないでおこう、と決められていた。
だが付き合って3ヶ月くらいの頃に、デート中なところをうっかり上司に見られていたようで、ここ横浜支部業務課内のみで知られてしまっている。
他には広がらないように課内の先輩方にお願いしたが、言わないでおこうとは浮気に不利だからか・・・。
弁当をつつきながら、今更気づいた事実に落ち込みつつ、昨日撮ったものをチェックする。
もちろん、音量はオフだ。
しっかし、この相手の女の人、どっかで見たような・・・・あ、きんぴらいい感じに胡麻の風味ついてる、成功だわ。
「あー・・・・どこだっけ・・・」
「おう、なんや悩んどるん・・・・・って何見よっと!?」
げ、加賀地さんにバレた。
業務課長の加賀地さん。
高校卒業後初めて入った会社では先輩だったが、ここでは上司だ。
友人伝手に引き抜かれ県外に再就職したのは聞いていたが、まさか九州を出て転職し、配属された先で会ったときには本当に驚いた。
同郷で倍近く歳が違う私をよく可愛がってくれる。会議では標準語だが、それ以外で二人で話すときは方言で話すことが多い。
「会社でエロ動画みるなよ・・・彼氏に欲求不満解消さしてもらえよ」
「やや、違います、たしかにエロ動画だけど、これ秦さんの浮気現場撮ったやつなんですよぉ」
「は、・・・・・・・・はぁ!?浮気!?!?」
「ですです」
頷いて動画を見せようと画面を向けると、嫌な顔をして画面を見ないように顔を背けられた。
「いや、見せんでいい見せんで。知っとる野郎の最中の動画なんて見たくもない」
「いや私も見たくはないんですよ。ただ奴と別れたいんで、何か言われたとき用の反論の為にチェックしてたんですけど、相手の女の人が何処かで見た顔なんですよねぇ・・・そっがなかなか思い出さなくて」
動画を一時停止して、スクリーンショットを撮り浮気相手の顔を拡大して見せる。
「・・・ほんとやね、どっかで見たこつあんなぁ」
「そうなんですよー、どこでしょ?」
二人で悩むが分からず、昼休みが終了してしまったためそこで中断し仕事を再開した。
私、元魔法少女現OLの海野柚子!
「ぁんっ・・・あっやあっ」
「ほら、ここがいいんだ、ろっ」
パンッ パンッ パンッ
こっちは恋人の秦元基さんとその浮気相手!
「やあん、もういっちゃううぅぅっ」
「は、・・・・っ」
パンッ パンッ パンッ
お、ぼちぼち終わるか?
そろそろ録画のために構えているスマホを持っている右腕が限界だから、さっさとしてほしい。
そもそも、何で恋人が来る事が分かっているのに、いたしているのか?
秦さんに、今日は残業で少し遅くなる事を連絡したが、
夕飯は和食が食べたいとリクエストが来たため早く終わらせ急いで買い物してきたのだが。
終わったと思ったら、次は布団に潜りこんでイチャついてき始めたので、録画を継続させたままベッドが映るようにスマホを床に置き、物音をたてないように部屋に置いていた私物をまとめる。
持って帰るもの、もう捨てていい物を選別し、持ち帰る分を鞄に余分に入れていたエコバッグに突っ込んでいく。
げ、化粧水と乳液が明らかに減ってる。もう使いたくないし置いてこ・・・
あ、服、寝室にあるわ。いや、部屋入りたくないし浮気おせっせしてる部屋に置かれた衣類なんてもう着たくもないわ。
すべて終わらせ、買い物の荷物と持ち帰り分のエコバッグを下げてスマホを回収し、音をたてずに部屋を後にした。
*******************
「うーん・・・・」
昼休み。
自分の机に弁当を広げ、昨夜の浮気動画チェックをする。
あの後、自分のアパートに戻ると、秦さんから『いつ来る?』とLINEに連絡が来ていた。
いやいやいや、あんた今浮気相手とおったやろ・・・と呆れつつ、『残業遅くなりそうなので行けなさそうです』と返信。
いつもならすみませんと前置きするが、たとえ文字でも謝りたくなかったので打たない。
何やら返信が来ていたが、通知で見える範囲で文句が書いてあったので見ずに早々に寝た。
会社は同じだが、秦さんのいる営業課と私がいる業務課で階そのものが違うため、自分の机から動かなければ向こうから訪ねて来ない限り会うことはない。
入り口からも離れてるので、机下に隠れれば優しい先輩方が察して誤魔化してくれる。
そもそも秦さんから、会社に付き合っている事は照れくさいから言わないでおこう、と決められていた。
だが付き合って3ヶ月くらいの頃に、デート中なところをうっかり上司に見られていたようで、ここ横浜支部業務課内のみで知られてしまっている。
他には広がらないように課内の先輩方にお願いしたが、言わないでおこうとは浮気に不利だからか・・・。
弁当をつつきながら、今更気づいた事実に落ち込みつつ、昨日撮ったものをチェックする。
もちろん、音量はオフだ。
しっかし、この相手の女の人、どっかで見たような・・・・あ、きんぴらいい感じに胡麻の風味ついてる、成功だわ。
「あー・・・・どこだっけ・・・」
「おう、なんや悩んどるん・・・・・って何見よっと!?」
げ、加賀地さんにバレた。
業務課長の加賀地さん。
高校卒業後初めて入った会社では先輩だったが、ここでは上司だ。
友人伝手に引き抜かれ県外に再就職したのは聞いていたが、まさか九州を出て転職し、配属された先で会ったときには本当に驚いた。
同郷で倍近く歳が違う私をよく可愛がってくれる。会議では標準語だが、それ以外で二人で話すときは方言で話すことが多い。
「会社でエロ動画みるなよ・・・彼氏に欲求不満解消さしてもらえよ」
「やや、違います、たしかにエロ動画だけど、これ秦さんの浮気現場撮ったやつなんですよぉ」
「は、・・・・・・・・はぁ!?浮気!?!?」
「ですです」
頷いて動画を見せようと画面を向けると、嫌な顔をして画面を見ないように顔を背けられた。
「いや、見せんでいい見せんで。知っとる野郎の最中の動画なんて見たくもない」
「いや私も見たくはないんですよ。ただ奴と別れたいんで、何か言われたとき用の反論の為にチェックしてたんですけど、相手の女の人が何処かで見た顔なんですよねぇ・・・そっがなかなか思い出さなくて」
動画を一時停止して、スクリーンショットを撮り浮気相手の顔を拡大して見せる。
「・・・ほんとやね、どっかで見たこつあんなぁ」
「そうなんですよー、どこでしょ?」
二人で悩むが分からず、昼休みが終了してしまったためそこで中断し仕事を再開した。
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる