【R-18】藤堂課長は溺愛したい。~地味女子は推しを拒みたい。

絵夢子

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22.反省@藤堂side

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 俺の「今度」を意図的に流された気がする。

 真面目なさくらが立ち上がって仕事しようとする。
 とっさに俺は腕を差し出してさくらを制する。
「おれがやるよ。」

 さくらが運んできた資料に手を伸ばす。
「あっ、だめっ!」
 ぼんやりしていたさくらが、とっさに鋭く声を上げる。
「え?」
「藤堂さん…、その手では…」
「手?…あ。」
 俺は思わず自分の両手をみる。
 今、俺の手は、俺とさくらの様々な体液で汚れている。
 おれがさくらにした色々が蘇る。気まずい。
「ご、ごめん、洗ってくるね。」
 おれは鍵を開けて手洗いへ行った。

 鏡に映った自分を見て、ここまで誰も会わなかったことに安堵した。
 髪は乱れ、ネクタイは曲がり、シャツも一部分が飛び出ている。

 手を洗い、そのまま顔を洗う。
 会社で、会議室で、あんなことするなんてとんでもないことをしている自覚がある。

 でも、ああ、さくら、かわいかった。
 俺から逃げるようにしながら、拒まず、あんなに乱れて、一生懸命に応えてくれる。
 絶対、俺に好意はあるはずだ。
 なんで避けるんだろう。
 何とかちゃんと、話をするべきだ。俺の気持ちもちゃんと伝わっていない気がする。

 備え付けのホルダーからペーパータオルを引き出し、顔や手を拭き、
 髪や服装を整える。
 深呼吸して、会議室のさくらのところに帰るために笑顔を作る。

 会議室に戻ると、資料は各席にきっちり配布され、さくらの姿はなかった。
 …また逃げられた…。
 俺はがっくり肩を落として、ため息をついた。

「素早いな、さすが。」
 会議の準備も、逃げ足も…。
 
 さくらを逃して、話す機会を失ったと知って
 残念に思う一方、ほっとしている自分がいるのにも気づいた。
 意気地のない自分にイラつく。

 また、誰もいない部屋でさくらとふたりになったら…?
 理性を抑えられる自信はない…。
 いや、まず話すべきだろ…。
 
 なんで俺を避けるのか、さくらの話も聞きたい。
 そのくせ俺にキスも身体も許してくれるのはなんでなのか。

 さっき、聞いたんだよな。
 俺に憧れてはくれているけど、ずっと横にはいられない…?

 あのまま突き詰めて話せばよかった。
 なのに俺は、焦って…。

 ため息が出る。
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