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20.社内じゃなければ、いいの?@さくらside
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杉下くんとの交際を真剣に考えてみる。
真面目で、優しくて、お茶目で楽しい人。
そんな杉下くんに選んでもらって、一緒に楽しく過ごして、私もきっと杉下くんに惹かれて、そうしたら、憧れのカップルの男性との関係に変な期待を抱かなくてもよくなる。
こんなの杉下くんに悪いのかもしれない。
でも、失恋して、立ち直るために次の恋を探す人もいる。
お互い運命みたいに惹かれあって両想いからスタートできる確率なんて、絶望的だ。
必要なのは運命じゃなくてきっかけなんだ。
杉下くんはあれからも、毎日メッセージをくれる。その内容は前より少し甘い。
「ご飯行こう」が「デートしよう」になり、SNSでキスやハートのスタンプを使う。
容赦しないでアピールするって言ってたもんな…。
今度、会うときはどうなんだろう?今まで通り…じゃないんだろうな。
その日、役員の来客前に、部屋の準備をしなければいけなかった。
来客の到着前に、資料をデスクに配置して、直前にコーヒーを準備する。
時間より少し早いけど、会議室の予約が入っていないので先に資料の配置をしてしまおうとデスクを離れた。
出力して、賢くんと手分けして束ねておいた資料を抱えて上の階へ移動する。
準備すべきMeeting Roomのドアを開けるとデスクに向かっている人がいる。
「あ、お使いでしたか、失礼しました。」
予約が無くて使っているのはお互い様だ。まだ時間に余裕はある。先客に譲ろうとした。
「待って、俺も予約の時間がは過ぎてるから、ごめん。」
立ち上がったのは藤堂さんだった。心臓が跳ねる。この人といつも一緒にいたら、心臓がもたないだろうな。
一緒にいるなら、身の丈に合った、安らげる人がいい。
「すごい量だね」
私が抱えてきた資料を見て藤堂さんが言う。
気軽な声かけに、ほっとする。
「ええ、まあ、ほとんど見ないと思うんですけど、専務は紙で出力されたものをお好みですので。」
ふたりで顔を見合わせて少し笑う。
専務がいつもデータで済むものを紙で出力させるのは社内では有名で、よくネタにされる。
「あの資料、今や社員全員に広まってるよ。」
「藤堂課長に助言いただいたおかげです。」
「うん、あの夜、話したんだよね。」
『あの夜』…藤堂さんに、抱いてもらって、慰めてもらった夜…。急に、ふたりだけのあの特別な時間の話を出されて、空気がぎこちなくなる。
「藤堂課長!」
藤堂さんの胸に、抱かれていた。
「お願いだから、今だけ、5分でいいんだ。」
「困ります。社内ですよ。」
「…社内じゃなければ、いいの?」
ずるい。そんなの。
「もう、憧れてくれてた気持ちはなくなっちゃったの?」
そんわけない。だったらさっぱり割り切れる。
「さくら?」
「今だって、憧れてるのは変わりません。」
「だったらなんで…距離を取るの?あんなに近づいた後に」
どうしよう。高峰さんがいるでしょうって言ったら、責めてるみたいになるし…私だって、知ってて身を任せたんだ。
「さくら。あの夜、俺のものになってくれたと思った。なのに…」
「期待して、気持ちが止まらなくなって、つらくなる前に、終わらせなきゃいけないって…」
思わず、本音が出る。こんなこと言って、藤堂さんの重みになってしまう。
「なんで?なんで止めるの?」
「ずっと、藤堂さんの横にいられるわけじゃないから!」
ずっと側にいたいって本音を、白状したようなもんだ。
「さくら、気持ちは止められるものじゃないって、教えてあげる。」
藤堂さんは、私の頭の後ろを押さえて、唇を私の唇に押し付ける。食べられてるみたいな激しいキス。口で息ができなくて、鼻で必死に息をする。藤堂さんの吐く息が私の鼻下にかかる。歯がぶつかる。
激しくて、鼻だけで上手く息ができない。苦しくなった頃、やっと藤堂さんの唇が離れた。私は必死で酸素を取り込む。
「さくら…」
また、唇が合わさる。優しいキス。ついては離れ、ついては離れ…。唇からぞわぞわして、気持ちいい。ずっとしていたいと思ってしまう。
顔を見合わせる。
切なくて、何かに耐えているような、藤堂さんの顔。
胸に抱かれて、私も藤堂さんにしがみつく。
ー今だけ…この体温に包まれていたい。
藤堂さんの唇が、耳に触れる。ぞわっとして、思わず肩をすくめる。
「ふふ、かわいい。」
藤堂さんは私の耳のまわりを唇で挟んで弄ぶ。
「あ…」
思わず声が漏れる。
唇が首に降りて行く。
「ん…っ」
あの夜の感覚を体が思い出す。お腹の辺りが切なくなる。
藤堂さんは私のブラウスの胸のボタンをはずしてブラの上の膨らみにキスして吸う。
ダメなのに…
「また、痕…つけたからね。」
藤堂さんが離れる。嫌って思ってしまう。ガチャリとドアに鍵のかかる音がする。
後ろから包まれる。終わりじゃないことに喜んでる自分がいる。
藤堂さんの大きな手が、強く、胸を揉みしだく。
思わず息が荒くなる。
「かわいい、さくら…」
藤堂さんの言葉に、体の芯がぞくぞくする。
藤堂さんの手が、スカートの中に入ってくる。
「藤堂さん…、ダメ…」
拒まなきゃいけないのに、濡らしているのが藤堂さんにわかってしまう。
「俺に、触れられるの、嫌?」
嫌って言わなきゃいけないのに、藤堂さんの体温に喜んでる。
「さくら…嫌?止めたい?」
首を振るしかなかった。もっと藤堂さんに触れられていたい。やめないで…
藤堂さんの手が、濡れた下着に触れる。
「や…」
社内で、自分から距離を取った藤堂さんの愛撫に、濡れているのがわかってしまった。
「嬉しいよ…さくら」
耳に、あたたかくて柔らかい、濡れた感触。
「ああ…っ」
思わずテーブルに手を突く。自力で立っていられない。
藤堂さんの体重が背中にかかり、私の手に藤堂さんの手が重なった。
藤堂さんは下着の上から、敏感なところ、蜜のあふれるところを刺激し続ける。
聞こえちゃいけないのに、声が抑えられない。媚びるような声で、藤堂さんを誘ってしまう。
真面目で、優しくて、お茶目で楽しい人。
そんな杉下くんに選んでもらって、一緒に楽しく過ごして、私もきっと杉下くんに惹かれて、そうしたら、憧れのカップルの男性との関係に変な期待を抱かなくてもよくなる。
こんなの杉下くんに悪いのかもしれない。
でも、失恋して、立ち直るために次の恋を探す人もいる。
お互い運命みたいに惹かれあって両想いからスタートできる確率なんて、絶望的だ。
必要なのは運命じゃなくてきっかけなんだ。
杉下くんはあれからも、毎日メッセージをくれる。その内容は前より少し甘い。
「ご飯行こう」が「デートしよう」になり、SNSでキスやハートのスタンプを使う。
容赦しないでアピールするって言ってたもんな…。
今度、会うときはどうなんだろう?今まで通り…じゃないんだろうな。
その日、役員の来客前に、部屋の準備をしなければいけなかった。
来客の到着前に、資料をデスクに配置して、直前にコーヒーを準備する。
時間より少し早いけど、会議室の予約が入っていないので先に資料の配置をしてしまおうとデスクを離れた。
出力して、賢くんと手分けして束ねておいた資料を抱えて上の階へ移動する。
準備すべきMeeting Roomのドアを開けるとデスクに向かっている人がいる。
「あ、お使いでしたか、失礼しました。」
予約が無くて使っているのはお互い様だ。まだ時間に余裕はある。先客に譲ろうとした。
「待って、俺も予約の時間がは過ぎてるから、ごめん。」
立ち上がったのは藤堂さんだった。心臓が跳ねる。この人といつも一緒にいたら、心臓がもたないだろうな。
一緒にいるなら、身の丈に合った、安らげる人がいい。
「すごい量だね」
私が抱えてきた資料を見て藤堂さんが言う。
気軽な声かけに、ほっとする。
「ええ、まあ、ほとんど見ないと思うんですけど、専務は紙で出力されたものをお好みですので。」
ふたりで顔を見合わせて少し笑う。
専務がいつもデータで済むものを紙で出力させるのは社内では有名で、よくネタにされる。
「あの資料、今や社員全員に広まってるよ。」
「藤堂課長に助言いただいたおかげです。」
「うん、あの夜、話したんだよね。」
『あの夜』…藤堂さんに、抱いてもらって、慰めてもらった夜…。急に、ふたりだけのあの特別な時間の話を出されて、空気がぎこちなくなる。
「藤堂課長!」
藤堂さんの胸に、抱かれていた。
「お願いだから、今だけ、5分でいいんだ。」
「困ります。社内ですよ。」
「…社内じゃなければ、いいの?」
ずるい。そんなの。
「もう、憧れてくれてた気持ちはなくなっちゃったの?」
そんわけない。だったらさっぱり割り切れる。
「さくら?」
「今だって、憧れてるのは変わりません。」
「だったらなんで…距離を取るの?あんなに近づいた後に」
どうしよう。高峰さんがいるでしょうって言ったら、責めてるみたいになるし…私だって、知ってて身を任せたんだ。
「さくら。あの夜、俺のものになってくれたと思った。なのに…」
「期待して、気持ちが止まらなくなって、つらくなる前に、終わらせなきゃいけないって…」
思わず、本音が出る。こんなこと言って、藤堂さんの重みになってしまう。
「なんで?なんで止めるの?」
「ずっと、藤堂さんの横にいられるわけじゃないから!」
ずっと側にいたいって本音を、白状したようなもんだ。
「さくら、気持ちは止められるものじゃないって、教えてあげる。」
藤堂さんは、私の頭の後ろを押さえて、唇を私の唇に押し付ける。食べられてるみたいな激しいキス。口で息ができなくて、鼻で必死に息をする。藤堂さんの吐く息が私の鼻下にかかる。歯がぶつかる。
激しくて、鼻だけで上手く息ができない。苦しくなった頃、やっと藤堂さんの唇が離れた。私は必死で酸素を取り込む。
「さくら…」
また、唇が合わさる。優しいキス。ついては離れ、ついては離れ…。唇からぞわぞわして、気持ちいい。ずっとしていたいと思ってしまう。
顔を見合わせる。
切なくて、何かに耐えているような、藤堂さんの顔。
胸に抱かれて、私も藤堂さんにしがみつく。
ー今だけ…この体温に包まれていたい。
藤堂さんの唇が、耳に触れる。ぞわっとして、思わず肩をすくめる。
「ふふ、かわいい。」
藤堂さんは私の耳のまわりを唇で挟んで弄ぶ。
「あ…」
思わず声が漏れる。
唇が首に降りて行く。
「ん…っ」
あの夜の感覚を体が思い出す。お腹の辺りが切なくなる。
藤堂さんは私のブラウスの胸のボタンをはずしてブラの上の膨らみにキスして吸う。
ダメなのに…
「また、痕…つけたからね。」
藤堂さんが離れる。嫌って思ってしまう。ガチャリとドアに鍵のかかる音がする。
後ろから包まれる。終わりじゃないことに喜んでる自分がいる。
藤堂さんの大きな手が、強く、胸を揉みしだく。
思わず息が荒くなる。
「かわいい、さくら…」
藤堂さんの言葉に、体の芯がぞくぞくする。
藤堂さんの手が、スカートの中に入ってくる。
「藤堂さん…、ダメ…」
拒まなきゃいけないのに、濡らしているのが藤堂さんにわかってしまう。
「俺に、触れられるの、嫌?」
嫌って言わなきゃいけないのに、藤堂さんの体温に喜んでる。
「さくら…嫌?止めたい?」
首を振るしかなかった。もっと藤堂さんに触れられていたい。やめないで…
藤堂さんの手が、濡れた下着に触れる。
「や…」
社内で、自分から距離を取った藤堂さんの愛撫に、濡れているのがわかってしまった。
「嬉しいよ…さくら」
耳に、あたたかくて柔らかい、濡れた感触。
「ああ…っ」
思わずテーブルに手を突く。自力で立っていられない。
藤堂さんの体重が背中にかかり、私の手に藤堂さんの手が重なった。
藤堂さんは下着の上から、敏感なところ、蜜のあふれるところを刺激し続ける。
聞こえちゃいけないのに、声が抑えられない。媚びるような声で、藤堂さんを誘ってしまう。
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