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@藤堂side
14.さくらを捕まえる@藤堂side
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俺は眠れぬ夜を過ごし、金曜日を迎えた。
さくらが合コン?なんで?
俺はなんとか阻止する方法を探す。
さくらに「俺がいるんだから、行くな」と、言えればよいが、さくらと個人的に話せない現状。
総務部のさくらの席で、さくらの上司、あの部長のいる前でそんな話はできない。
西島に聞くか?しかし、部下の合コンに口を出してセクハラと言われても困る。
何より、昨日のさくらの態度考えたら、避けられてるのは確実。また避けられて決定的ダメージをくらいたくないのが正直なところだ。
俺は何に失敗した?
金曜日は、「さくらのこともらう」って合意取って、さくらも憧れてたって言ってくれて、俺の腕の中で眠ってくれた。
これまでは、俺に気がある素振りする子とふたりでのみにいこうって誘ってokだったら、きれい目の店で飲んで、ホテル街向かって付いてくるならそのまま…
交代でシャワー浴びて準備して…
コトの後、連絡なきゃ終了。あれば「合わないな」って思うまでなんとなく…
さくらは違うんだ。このままじゃ嫌だ。
なんか仕事の用事作って社内メールで会議室へ呼び出す?いや、さくらじゃなきゃダメってのは難しい。主任あたりが同行するか昨日みたいにコバヤシケンスケ出して来られるかも知れない。
早朝目が覚めてしまい、そのまま眠れる気もしなくて、24時間開いているジムに行って体を動かす。体をいじめながら、「どうして?」「どうしたら?」を繰り返す。
ヘトヘトになってシャワーを浴びて、出社する。
始業時間直前、俺は総務部に近い休憩室へコーヒーを注ぎに行き、その場に暫く留まった。さくらが営業側の休憩室を使わないということは、こっちを使っているに違いない。ジムで考え付いたさくらと話す作戦だ。
なんで俺がこっちにと問われれば、気分転換とでも言っておこう。
さくらはこっちの休憩室は人が多いから営業側を使うと言ってたけど、そんなに変わらない気がする。始業前だからかな?マイカップにコーヒーやお茶を注いで行く社員達をやり過ごしながら、通路からすぐには見えない位置の背の高い丸テーブルでコーヒーを飲む。
入り口に、女性社員が立つ。休憩室に一歩入って死角にいた俺の気配に気付き顔を向ける。目があって気づいた
「さくら!」
さくらは一瞬ひるんで体の向きを変えようとして、思い直したように
「お疲れ様です。」
と、あいさつして、そのまま給湯器に向かった。
まるでたまたまそこに立っていた会社の人って扱いだ。
俺に背を向け、縁にティーバックの紐のぶら下がったマグカップにお湯を注いでいる。
「おはよう、さくらさん。」
「…おはようございます。」
少しこちらに頭を向けて、頭を下げる。避けてる癖に、律儀だ。
さくらの後ろ姿に立ち、両手を給茶機についてさくらを閉じ込める。
「藤堂課長、…人が来ます。」
「だって、さくら、逃げるよね。」
「…困ります…」
「俺も、さくらと話せなくて困ってる。」
さくらの耳のすぐ後ろで囁くように話す。
「ご用でしたら、部でうかがいますから…」
「いいの?みんなの前で?」
「何を…」
なんでさくらは俺をただの同僚に戻したいんだ?
「あのっ!始業時間で、朝礼なのでっ」
さくらはカップを持って俺の腕をくぐって逃げて行った。
さくらは、いつものダークな色合いのパンツスーツではなく、淡い小花を散らしたアイボリーの膝上丈のワンピースで、いつもまとめている髪を下ろしていて、眼鏡もしていなかった。
だから一瞬、さくらだと認識できなかった。
合コンのため?
一週間前、俺の前で泣いて眼鏡を外して、初めて見せた素顔。
ベッドの上でパンツを脱がして露にした白い脚。
駄目、俺以外に見せないでくれ。
「さくら、あの痕、消えた?」
休憩室を出ようとしていたさくらが立ち止まってこちらに顔を向ける。
真っ赤になって涙目。ああ、このままどっか連れ去りたいんだけど。
さくらは再び前を向いて、去った。
さくらが合コン?なんで?
俺はなんとか阻止する方法を探す。
さくらに「俺がいるんだから、行くな」と、言えればよいが、さくらと個人的に話せない現状。
総務部のさくらの席で、さくらの上司、あの部長のいる前でそんな話はできない。
西島に聞くか?しかし、部下の合コンに口を出してセクハラと言われても困る。
何より、昨日のさくらの態度考えたら、避けられてるのは確実。また避けられて決定的ダメージをくらいたくないのが正直なところだ。
俺は何に失敗した?
金曜日は、「さくらのこともらう」って合意取って、さくらも憧れてたって言ってくれて、俺の腕の中で眠ってくれた。
これまでは、俺に気がある素振りする子とふたりでのみにいこうって誘ってokだったら、きれい目の店で飲んで、ホテル街向かって付いてくるならそのまま…
交代でシャワー浴びて準備して…
コトの後、連絡なきゃ終了。あれば「合わないな」って思うまでなんとなく…
さくらは違うんだ。このままじゃ嫌だ。
なんか仕事の用事作って社内メールで会議室へ呼び出す?いや、さくらじゃなきゃダメってのは難しい。主任あたりが同行するか昨日みたいにコバヤシケンスケ出して来られるかも知れない。
早朝目が覚めてしまい、そのまま眠れる気もしなくて、24時間開いているジムに行って体を動かす。体をいじめながら、「どうして?」「どうしたら?」を繰り返す。
ヘトヘトになってシャワーを浴びて、出社する。
始業時間直前、俺は総務部に近い休憩室へコーヒーを注ぎに行き、その場に暫く留まった。さくらが営業側の休憩室を使わないということは、こっちを使っているに違いない。ジムで考え付いたさくらと話す作戦だ。
なんで俺がこっちにと問われれば、気分転換とでも言っておこう。
さくらはこっちの休憩室は人が多いから営業側を使うと言ってたけど、そんなに変わらない気がする。始業前だからかな?マイカップにコーヒーやお茶を注いで行く社員達をやり過ごしながら、通路からすぐには見えない位置の背の高い丸テーブルでコーヒーを飲む。
入り口に、女性社員が立つ。休憩室に一歩入って死角にいた俺の気配に気付き顔を向ける。目があって気づいた
「さくら!」
さくらは一瞬ひるんで体の向きを変えようとして、思い直したように
「お疲れ様です。」
と、あいさつして、そのまま給湯器に向かった。
まるでたまたまそこに立っていた会社の人って扱いだ。
俺に背を向け、縁にティーバックの紐のぶら下がったマグカップにお湯を注いでいる。
「おはよう、さくらさん。」
「…おはようございます。」
少しこちらに頭を向けて、頭を下げる。避けてる癖に、律儀だ。
さくらの後ろ姿に立ち、両手を給茶機についてさくらを閉じ込める。
「藤堂課長、…人が来ます。」
「だって、さくら、逃げるよね。」
「…困ります…」
「俺も、さくらと話せなくて困ってる。」
さくらの耳のすぐ後ろで囁くように話す。
「ご用でしたら、部でうかがいますから…」
「いいの?みんなの前で?」
「何を…」
なんでさくらは俺をただの同僚に戻したいんだ?
「あのっ!始業時間で、朝礼なのでっ」
さくらはカップを持って俺の腕をくぐって逃げて行った。
さくらは、いつものダークな色合いのパンツスーツではなく、淡い小花を散らしたアイボリーの膝上丈のワンピースで、いつもまとめている髪を下ろしていて、眼鏡もしていなかった。
だから一瞬、さくらだと認識できなかった。
合コンのため?
一週間前、俺の前で泣いて眼鏡を外して、初めて見せた素顔。
ベッドの上でパンツを脱がして露にした白い脚。
駄目、俺以外に見せないでくれ。
「さくら、あの痕、消えた?」
休憩室を出ようとしていたさくらが立ち止まってこちらに顔を向ける。
真っ赤になって涙目。ああ、このままどっか連れ去りたいんだけど。
さくらは再び前を向いて、去った。
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