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@さくらside
6.4月1日21:07 「小林夫婦」@さくらside
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藤堂さんとのお話は、びっくりするくらい盛り上がって
最初は憧れの人といることに緊張してガチガチだった私も、だんだん自然にふるまえるようになってきた。
藤堂さんが打ち解けてくれて、ニコニコ話を聞いてくれて、緊張を解いてくれたんだ。
藤堂さんの入社したころの話。同期との話は尽きなくて、すごく仲いいんだな。高峯さんともそういう中で、いい間関係が築けたんだろうな。
「さくらさんのとこ、総務部は、小林君?同じ苗字の彼は親しそうだね?」
藤堂さん、賢くんのこと、知ってるんだ。
「小林賢祐くんですか?賢くんは1年目…あ、今日から2年目ですね。部では初めての後輩なので、お調子者ですけど、かわいいと言えばかわいいですね。」
賢くんは妙に人懐こくて、さらりと人との間の壁をすり抜けてくる奴で、ちょっとむかつくんだけどいつの間にか許してしまう。あざと可愛いってのはああいうのを言うんだろうな。ちょっとうらやましい。
「同じ苗字が二人か。でも、総務部長、苗字で呼んでたね。紛らわしいね。」
「先に私がいて、『小林』って呼んでたから、呼び方変えるの面倒だって、毎回いらつかれます。
「理不尽だな~。」
そう。理不尽。いつも思っていることを藤堂さんが言ってくれて、ちょっと気が晴れる。
いつももやっとしてること、藤堂さんに聞いてもらっちゃお。
「小林夫婦」
「え?」
「小林夫婦とか呼ぶんです。ヨメの方とか、ダンナの方とか。本人はそれを皆が面白がってると思ってて、ご機嫌な時。」
「部下のさくらさんの前でなんだけど、評判悪いよね、あの部長。」
「そう!ほんともうどうにかしてください!」
思わず笑いながらカウンターをたたく。
ちょっとやりすぎ?藤堂さんに聞いてもらえて、嬉しくてつい興奮した。
「事なかれ主義で、なんか変えたいとか、新しいことしたいって言っても、面倒だからって動いてくれないどころか、止めろって言われるし。
私たちが早めに準備してても部長が止めてて、他部門に文句言われたり、迷惑かけたり、そのくせ『私からよく言っておきます』なんて私たちが悪いみたいに~」
藤堂さんの前で愚痴なんか言いたくなかったけど、聞いてくれるの嬉しい。つい色々言っちゃう。
「さくらさん、仕事頑張ってるのに上司があれじゃ、困るよね。」
えっ?頑張ってる?藤堂さんに頑張ってるって言われてめちゃくちゃ嬉しい!
「はい。ほんとはもっと皆さんのために、いろいろやりたいんです。」
藤堂さんの手を煩わせたくなかったけど…聞いてくれるかもしれない。
「ちょっと、仕事の相談しても、いいですか?」
カバンからタブレットを出す。
「おう!」
頼もしい!
最初は憧れの人といることに緊張してガチガチだった私も、だんだん自然にふるまえるようになってきた。
藤堂さんが打ち解けてくれて、ニコニコ話を聞いてくれて、緊張を解いてくれたんだ。
藤堂さんの入社したころの話。同期との話は尽きなくて、すごく仲いいんだな。高峯さんともそういう中で、いい間関係が築けたんだろうな。
「さくらさんのとこ、総務部は、小林君?同じ苗字の彼は親しそうだね?」
藤堂さん、賢くんのこと、知ってるんだ。
「小林賢祐くんですか?賢くんは1年目…あ、今日から2年目ですね。部では初めての後輩なので、お調子者ですけど、かわいいと言えばかわいいですね。」
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「同じ苗字が二人か。でも、総務部長、苗字で呼んでたね。紛らわしいね。」
「先に私がいて、『小林』って呼んでたから、呼び方変えるの面倒だって、毎回いらつかれます。
「理不尽だな~。」
そう。理不尽。いつも思っていることを藤堂さんが言ってくれて、ちょっと気が晴れる。
いつももやっとしてること、藤堂さんに聞いてもらっちゃお。
「小林夫婦」
「え?」
「小林夫婦とか呼ぶんです。ヨメの方とか、ダンナの方とか。本人はそれを皆が面白がってると思ってて、ご機嫌な時。」
「部下のさくらさんの前でなんだけど、評判悪いよね、あの部長。」
「そう!ほんともうどうにかしてください!」
思わず笑いながらカウンターをたたく。
ちょっとやりすぎ?藤堂さんに聞いてもらえて、嬉しくてつい興奮した。
「事なかれ主義で、なんか変えたいとか、新しいことしたいって言っても、面倒だからって動いてくれないどころか、止めろって言われるし。
私たちが早めに準備してても部長が止めてて、他部門に文句言われたり、迷惑かけたり、そのくせ『私からよく言っておきます』なんて私たちが悪いみたいに~」
藤堂さんの前で愚痴なんか言いたくなかったけど、聞いてくれるの嬉しい。つい色々言っちゃう。
「さくらさん、仕事頑張ってるのに上司があれじゃ、困るよね。」
えっ?頑張ってる?藤堂さんに頑張ってるって言われてめちゃくちゃ嬉しい!
「はい。ほんとはもっと皆さんのために、いろいろやりたいんです。」
藤堂さんの手を煩わせたくなかったけど…聞いてくれるかもしれない。
「ちょっと、仕事の相談しても、いいですか?」
カバンからタブレットを出す。
「おう!」
頼もしい!
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