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第五章 破綻
11.皇太子と某伯爵令嬢4
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クリスタと同様に貴族令嬢として
固く純潔を守り生きてきた目の前の令嬢の体に
初めての羞恥と快楽を与え
乱してその反応を観察しながら
リオネルは令嬢に対して性的な興奮を覚えていなかった。
令嬢の様子にクリスタとの初夜やその後に重ねられる閨を想像し
想像の中のクリスタを欲していたのみだ。
令嬢は、皇太子は愛ゆえに自分の純潔を手に入れたいのだと
そう信じて長く守って磨いてきた自身の体を皇太子に晒し、捧げている。
リオネルはそんな令嬢の気持ちを知っている。
知っていてクリスタとの初夜までの長いひと月を過ごすため
初夜でクリスタを乱す方法を探るため
貴族令嬢から身を落とした彼女を利用した。
他の未婚の貴族令嬢にこのようなふるまいをする機会はない。
貴族令嬢の貞操は絶対的に守られるべきものであって
結婚し初夜を迎える相手以外に令嬢たちの純潔を奪える者はいない。
貧しい者が処女のまま娼婦に身を落とし
娼館が最初の客にその処女を高値で売り出すことがある。
そのような娼婦にクリスタを重ねることはリオネルには出来かねた。
しかし・・・、自分の偽りの愛情を信じ、身を預けるこの令嬢よりも
愛などというものはなくとも、いや、むしろ嫌悪さえ持ちながら
義務として、目の前に相手に純潔奪われることを覚悟している
処女を売る娼婦の方が
クリスタに近いのかもしれない。
父侯爵が外務大臣を務めるように、
皇太子妃を職務として受け入れようとしているクリスタ。
リオネルが彼女を手に入れたいと
傍らの義兄よりも側にいたいともがくのを
愛などではないと
触れられることにすら嫌悪を示すクリスタ。
腕の中で、皇太子が与えてくれる快感に酔いしれる令嬢は
クリスタから最も遠いようにリオネルには思えた。
こんなに簡単に、欲しくもない心が、身体が手に入る。
一番欲しい人の心は手に入らない。
リオネルの美しい指に、濡れた下着越しに秘部を撫でられ続けた令嬢は
切ない潤んだ瞳で、リオネルの顔を見上げている。
「あ…、ん…、殿下ぁ…」
リオネルは、公の場で見せるのと同じ笑顔を保ったまま
「あなたのここは、私を受け入れてくれようとしているのに、私の準備は未だなのです。」
リオネルは令嬢の手を取ると、自身の股間へ導いた。
「えっ?あっ!」
畏れ多くも皇太子殿下の下腹部に服越しとはいえ触れてしまい
令嬢は戸惑う。
リオネルが自身の股間に置いた令嬢の手を動かして撫でさせる。
令嬢の目が泳いだ。
「あなたのかわいらしい指で、あなたとつながる準備をしてください。
私があなたにしたように、淫らに触れてください。」
令嬢は戸惑いながらおそるおそるリオネルのふくらみを撫でる。
皇太子に好きに触れられる以上に、
皇太子に淫らなことをするという背徳感と罪悪感
そして初めての行為への不安
未婚の貴族令嬢が、男性を喜ばせる術など持っているはずもない。
その手つきはたどたどしく、物理的にリオネルを昂らせるには程遠い。
自分がリオネルに性的な興奮をもたらす存在とはなっていない。
性の体験も、知識もない未婚の令嬢にはその事実がわからない。
皇太子に言われるがまま、皇太子の準備をしなければいけないと思っている。
「男の、ここを触るのは、初めてでしょう?」
令嬢は無言でうなづく。
戸惑い、恥じながらも、令嬢は好奇心から、その形を確かめるように指を控えめに動かしている。
「…見てみますか…?」
「え…?」
「いいんですよ。あなたの手で、解放してください。」
リオネルは仰向けになり、上半身を枕に預けて起こし令嬢を誘った。
リオネルの脚の横にうずくまり、リオネルの下腹部に覆いかぶさった令嬢は、
心臓が大きく打つ音を聞きながら、皇太子のズボンの前のボタンを外し、指を入れた。
リオネルはズボンや下着をさばいて誘導する。
「そうですよ…ゆっくりでいいんです。」
令嬢の指先が生暖かい、皇太子の素肌に触れる。
ゆっくりをそれを外に出す。
思わずまじまじと見てしまう。
血管の浮いた、グロテスクな部分。
美しい皇太子にこんなものが…。まるで別の生き物としか思えない。
「これを、あなたがもっと逞しくしてください。」
「あ、あの…」
「つかんで、上下に…そう…上手です…もっと早く…遠慮しないで…」
令嬢は必死で皇太子の言う通りにする。
慣れない手つきでおそるおそる皇太子ふれる令嬢のけなげな奉仕はもどかしい。
十分な硬さになるには未だかかりそうだ。
クリスタとの初夜では、彼女の待つ寝室に向かう間に勃ってしまいそうなのに。
固く純潔を守り生きてきた目の前の令嬢の体に
初めての羞恥と快楽を与え
乱してその反応を観察しながら
リオネルは令嬢に対して性的な興奮を覚えていなかった。
令嬢の様子にクリスタとの初夜やその後に重ねられる閨を想像し
想像の中のクリスタを欲していたのみだ。
令嬢は、皇太子は愛ゆえに自分の純潔を手に入れたいのだと
そう信じて長く守って磨いてきた自身の体を皇太子に晒し、捧げている。
リオネルはそんな令嬢の気持ちを知っている。
知っていてクリスタとの初夜までの長いひと月を過ごすため
初夜でクリスタを乱す方法を探るため
貴族令嬢から身を落とした彼女を利用した。
他の未婚の貴族令嬢にこのようなふるまいをする機会はない。
貴族令嬢の貞操は絶対的に守られるべきものであって
結婚し初夜を迎える相手以外に令嬢たちの純潔を奪える者はいない。
貧しい者が処女のまま娼婦に身を落とし
娼館が最初の客にその処女を高値で売り出すことがある。
そのような娼婦にクリスタを重ねることはリオネルには出来かねた。
しかし・・・、自分の偽りの愛情を信じ、身を預けるこの令嬢よりも
愛などというものはなくとも、いや、むしろ嫌悪さえ持ちながら
義務として、目の前に相手に純潔奪われることを覚悟している
処女を売る娼婦の方が
クリスタに近いのかもしれない。
父侯爵が外務大臣を務めるように、
皇太子妃を職務として受け入れようとしているクリスタ。
リオネルが彼女を手に入れたいと
傍らの義兄よりも側にいたいともがくのを
愛などではないと
触れられることにすら嫌悪を示すクリスタ。
腕の中で、皇太子が与えてくれる快感に酔いしれる令嬢は
クリスタから最も遠いようにリオネルには思えた。
こんなに簡単に、欲しくもない心が、身体が手に入る。
一番欲しい人の心は手に入らない。
リオネルの美しい指に、濡れた下着越しに秘部を撫でられ続けた令嬢は
切ない潤んだ瞳で、リオネルの顔を見上げている。
「あ…、ん…、殿下ぁ…」
リオネルは、公の場で見せるのと同じ笑顔を保ったまま
「あなたのここは、私を受け入れてくれようとしているのに、私の準備は未だなのです。」
リオネルは令嬢の手を取ると、自身の股間へ導いた。
「えっ?あっ!」
畏れ多くも皇太子殿下の下腹部に服越しとはいえ触れてしまい
令嬢は戸惑う。
リオネルが自身の股間に置いた令嬢の手を動かして撫でさせる。
令嬢の目が泳いだ。
「あなたのかわいらしい指で、あなたとつながる準備をしてください。
私があなたにしたように、淫らに触れてください。」
令嬢は戸惑いながらおそるおそるリオネルのふくらみを撫でる。
皇太子に好きに触れられる以上に、
皇太子に淫らなことをするという背徳感と罪悪感
そして初めての行為への不安
未婚の貴族令嬢が、男性を喜ばせる術など持っているはずもない。
その手つきはたどたどしく、物理的にリオネルを昂らせるには程遠い。
自分がリオネルに性的な興奮をもたらす存在とはなっていない。
性の体験も、知識もない未婚の令嬢にはその事実がわからない。
皇太子に言われるがまま、皇太子の準備をしなければいけないと思っている。
「男の、ここを触るのは、初めてでしょう?」
令嬢は無言でうなづく。
戸惑い、恥じながらも、令嬢は好奇心から、その形を確かめるように指を控えめに動かしている。
「…見てみますか…?」
「え…?」
「いいんですよ。あなたの手で、解放してください。」
リオネルは仰向けになり、上半身を枕に預けて起こし令嬢を誘った。
リオネルの脚の横にうずくまり、リオネルの下腹部に覆いかぶさった令嬢は、
心臓が大きく打つ音を聞きながら、皇太子のズボンの前のボタンを外し、指を入れた。
リオネルはズボンや下着をさばいて誘導する。
「そうですよ…ゆっくりでいいんです。」
令嬢の指先が生暖かい、皇太子の素肌に触れる。
ゆっくりをそれを外に出す。
思わずまじまじと見てしまう。
血管の浮いた、グロテスクな部分。
美しい皇太子にこんなものが…。まるで別の生き物としか思えない。
「これを、あなたがもっと逞しくしてください。」
「あ、あの…」
「つかんで、上下に…そう…上手です…もっと早く…遠慮しないで…」
令嬢は必死で皇太子の言う通りにする。
慣れない手つきでおそるおそる皇太子ふれる令嬢のけなげな奉仕はもどかしい。
十分な硬さになるには未だかかりそうだ。
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