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第五章 破綻

10.皇太子と某伯爵令嬢3

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 皇太子に、今まで誰にも触れさせたことない体をまさぐられ
 激しい口づけの間に苦し気に荒い息をする令嬢をリオネルは抱え上げた。

 令嬢はすべて皇太子に預ける覚悟をしていた。
 拒まず運ばれ、ベッドに下ろされ、いよいよと身構えた。
 婚姻前に男に体を許す背徳感
 伯爵令嬢のままであればあり得ない状況への絶望感
 完璧な婚約者のいる美しい皇太子に求められていることへの優越感
 様々な感情に胸が高鳴った。

 皇太子に組み敷かれ、唇をふさがれ、自分も夢中で答えた。
 皇太子の手が、ドレスのをたくし上げ、男性に見せたことない腿を撫でる。
「はあっ!」
 ぞわぞわとした感覚が体をかける。

 皇太子の唇は頬に、首筋に、胸元に移動しながら、
 令嬢の肌に吸い付く。
 唇を解放された令嬢から、吐息や、初めての快感に思わずこぼれる声が
 皇太子の唇の濡れた音と共に部屋に広がる。

「もう、この、ドレスを脱いでしまいましょう。
 後ろを向いてください。」
 助けられながらうつぶせになった令嬢のドレスの背中の留め具を外し寛げると
 リオネルは背中に口づけた。

「あん…っ」
「嬉しいですよ、令嬢が、私にこんなに応えてくれて…。」
 リオネルは自分が口にしたセリフが自分の心とは何ら関係のないことを知っていた。
 クリスタは…このように反応することを拒み続けるだろう…。

 白いコルセットやガーターベルトに留められたストッキングだけの姿になった令嬢は
 その姿が恥ずかしく、リオネルの首に腕を回して抱き着いた。
 いっそ抱き寄せて、体を見せないようにしたかったのだ。

「恥ずかしいのですか?かわいい人ですね。」
 娼婦にはない恥じらいを皇太子は喜んだ。

 激しい口づけを交わしながら、皇太子がコルセットのひもを解き
 乳房を露わにして、直接揉みしだいた。
「あっ!」
 その突端が徐々に固く立ち上がるのが皇太子の掌に感じられた。

「乳首が、固く立ち上がって…あなたの体も喜んでいるようです。」
 皇太子に素肌を晒され、触れられて、喜んでいる自分の淫らな部分を指摘され
 令嬢は羞恥でいやいやと首を振った。
「違うのですか?では、確かめてみましょう。」
 リオネルは令嬢の乳首を指先で転がした。
「はうっ!」
 令嬢の体が跳ねた。
「ふふ、ほら、あなたの体はこんなにも感じているじゃないですか。」

 令嬢はいつも公の場で見せているのと同じ皇太子の笑顔から
 自分を辱める言葉が投げかけられることに戸惑い、驚き、恐怖しながら
 他の貴族たちの知らない皇太子を知った喜び
 皇太子に教えられる淫らなへの快感への欲に
 混乱し、息を乱した。

 リオネルは意地悪く令嬢の反応を観察しながら令嬢の乳房に口づけし、
 指で弄んでいるのとは逆の乳首を口に含んだ。

「ああ!」
 舌先で転がし、指ではつまんで強くねじっていじめ
 令嬢が乱れていくのをリオネルは楽しんだ。
 クリスタは、必死で抗って見せるのだろう。それを執拗に責め続けてその反応を見たい。
 目の前の令嬢は恥辱に耐えながらも皇太子に与えられる快楽を素直に伝えている。

 皇太子にされるがまま、執拗に胸を弄ばれ、令嬢は髪を乱し、涙とよだれで顔を汚し
 息を乱して正気を失っていた。
 その姿を確認するとリオネルは、令嬢の内腿を撫でながら持ち上げるようにして膝をたたせた。

 下半身を皇太子触れられ、無防備に開かれたことに不安を感じ
 令嬢は正気を取り戻して問う様な目で皇太子の顔を見上げた。
 皇太子は保った笑顔で唇を合わせる。

 皇太子からの口づけられると
 令嬢はすべてを許さなければ
 いや、許していいのだと思ってしまう。

 婚姻前のみだらな行為であっても
 婚約者のいる皇太子の情けであっても
 愛されているのだから受け入れてよいのだと
 求められることが喜びになった。

 リオネルの指が、令嬢の守られてきた入り口を下着越しに確認した。
「ふふ、少し、濡れています。初めてでも、あなたのここは、私を歓迎してくれているようです。」
 令嬢は顔を覆った。
「殿下、お許しになって…。」
「恥ずかしがらないでください…。」
 リオネルは下着の上から淫らな快感を令嬢に教えながら口を令嬢の耳元へ持って行った。

「ああ、どんどん蜜が溢れていますね。愛らしい。」
 リオネルの美しい声で淫らにささやかれ、令嬢はただ、吐息を漏らすのみだ。
 淫らな反応を皇太子に知られ、恥ずかしい。
 しかし、それを皇太子が愛でてくれている。
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