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第二章 皇太子の焦燥と義兄の寂寥
11.娼婦
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リオネルは皇都のはずれにある屋敷の寝室にいた。
この屋敷が皇室の持ち物だとは明らかにはされていない。公にできない時間を過ごすために、用意された屋敷である。
多くは愛人との逢瀬のため、また、今のリオネル同様、娼婦を呼ぶため…
高級娼婦たちの間では、この屋敷で相手する客がやんごとなき身分の男たちであることは、知られているが、それを口にはしない。
高位貴族が、周りにいる貴族の令嬢たちと自由に恋愛を謳歌することは難しい。
結婚し初夜を迎えるまでは純潔を守る必要のある令嬢たちである。交際するのであれば結婚を前提とする必要がある。
娶る令嬢たちには純潔を求めながら、男たちは娼館に通い、すでに処女ではない未亡人や時には誰かの夫人と自由恋愛を謳歌している。
リオネルも成人後、伯父のブルボア公爵に連れられ、この屋敷で娼婦をあてがわれて以来、何度かここで娼婦を抱いている。
クリスタとの婚約からは、来ることはなかった。クリスタ以外の女との交渉が煩わしかった。
強い酒の入ったグラスを口に運ぶリオネルの前に娼婦がこの屋敷を守る使用人に案内された。
コルセットで持ち上げられた胸を大きく開け、胸のふくらみを強調したドレス。唇は真っ赤に濡れ、口元に付け黒子。
リオネルはクリスタの装いを思い出した。首元まで覆われ、露出は控えていながら、胸の膨らみを隠すように広がるレースがその下の彼女の体を想像させ、姿勢の良い背中から腰の括れ、体に沿うスカートのふくらみは自然に臀部の曲線に沿い、隠そうとすればするほど、リオネルの想像力を搔き立てた。
それに比べ、この娼婦の姿…
「旦那様、私にも飲ませてくれません…?」
女がまとわり来るように近寄り、リオネルの手にしているグラスに手を伸ばした。
「…金をもらって、仕事をするなら、しらふでいるんだな。」
リオネルは自身を民のためにある、寛容な皇帝の後継者であろうとしてきた。また、誰に対しても礼を尽くしてきた。このような言葉が自分の口からとっさに出たことに驚いた。
女は一瞬戸惑いを見せたが、様々な趣向、性癖の男たちの相手をしてきたのであろう。反論もせず、笑顔を保った。
「早速ベッドへ行きますか?それともこのまま始めます?」
女はリオネルの足元に跪いて太ももに手を置いた。リオネルは冷ややかに笑った。それを肯定のサインと受け取った女はその手をそのままリオネルの股間にはわせた。媚びた笑いでリオネルを見上げながら、反応を確かめるように探る。リオネルは目をそらせた。
金さえもらえば、誰にでも肌を見せ、体を許す女。部屋に入ってすぐ、男の性器を探る女…!
リオネルは女の手をつかんで立ち上がり、その手を乱暴に引いた。
「痛っ!」
そのまま、リオネルはベッドに女を転がした。
「せっかちな旦那ですね。」
女はリオネルがその気になってきたと思ってそれに乗っかるようなセリフを吐く。
「黙れ、お前と言葉を交わす必要はない。私はお前の体を買い、お前は体を売ったのだ。」
さすがに女の顔に怒りが浮かんだが、客の趣向に合わせるしかない。
リオネルが覆いかぶさって女の胸を力任せにつかんだ。
加虐的な性癖の持ち主だと思ったのだろう、女は嫌がらずに「はあん」となまめかしい声をあげた。客の意向を汲み取りうまく対応して見せる娼婦の巧みさに、リオネルはいらだった。まるで娼婦に誘導されているようだ。
リオネルは舌打ちすると無言で女の体を力づくで返し背中を向けさせると、ドレスをめくりあげて腰をつかんでベッドのヘリまで引き寄せた。そのまま、ベットの横に立つと女の下着を下げ、自分の性器を取り出した。
まだ行為の準備のできていない自身のものを娼婦の足の付け根に挟む。まだ、湿ってもいない女の入り口と両足の根元の狭い隙間で自身のものを行き来させる。乾いたそこは滑りが悪く、痛みすら感じた。無理やりに繰り返していると物理的な刺激にリオネルのものは大きく、固くなった。
この屋敷が皇室の持ち物だとは明らかにはされていない。公にできない時間を過ごすために、用意された屋敷である。
多くは愛人との逢瀬のため、また、今のリオネル同様、娼婦を呼ぶため…
高級娼婦たちの間では、この屋敷で相手する客がやんごとなき身分の男たちであることは、知られているが、それを口にはしない。
高位貴族が、周りにいる貴族の令嬢たちと自由に恋愛を謳歌することは難しい。
結婚し初夜を迎えるまでは純潔を守る必要のある令嬢たちである。交際するのであれば結婚を前提とする必要がある。
娶る令嬢たちには純潔を求めながら、男たちは娼館に通い、すでに処女ではない未亡人や時には誰かの夫人と自由恋愛を謳歌している。
リオネルも成人後、伯父のブルボア公爵に連れられ、この屋敷で娼婦をあてがわれて以来、何度かここで娼婦を抱いている。
クリスタとの婚約からは、来ることはなかった。クリスタ以外の女との交渉が煩わしかった。
強い酒の入ったグラスを口に運ぶリオネルの前に娼婦がこの屋敷を守る使用人に案内された。
コルセットで持ち上げられた胸を大きく開け、胸のふくらみを強調したドレス。唇は真っ赤に濡れ、口元に付け黒子。
リオネルはクリスタの装いを思い出した。首元まで覆われ、露出は控えていながら、胸の膨らみを隠すように広がるレースがその下の彼女の体を想像させ、姿勢の良い背中から腰の括れ、体に沿うスカートのふくらみは自然に臀部の曲線に沿い、隠そうとすればするほど、リオネルの想像力を搔き立てた。
それに比べ、この娼婦の姿…
「旦那様、私にも飲ませてくれません…?」
女がまとわり来るように近寄り、リオネルの手にしているグラスに手を伸ばした。
「…金をもらって、仕事をするなら、しらふでいるんだな。」
リオネルは自身を民のためにある、寛容な皇帝の後継者であろうとしてきた。また、誰に対しても礼を尽くしてきた。このような言葉が自分の口からとっさに出たことに驚いた。
女は一瞬戸惑いを見せたが、様々な趣向、性癖の男たちの相手をしてきたのであろう。反論もせず、笑顔を保った。
「早速ベッドへ行きますか?それともこのまま始めます?」
女はリオネルの足元に跪いて太ももに手を置いた。リオネルは冷ややかに笑った。それを肯定のサインと受け取った女はその手をそのままリオネルの股間にはわせた。媚びた笑いでリオネルを見上げながら、反応を確かめるように探る。リオネルは目をそらせた。
金さえもらえば、誰にでも肌を見せ、体を許す女。部屋に入ってすぐ、男の性器を探る女…!
リオネルは女の手をつかんで立ち上がり、その手を乱暴に引いた。
「痛っ!」
そのまま、リオネルはベッドに女を転がした。
「せっかちな旦那ですね。」
女はリオネルがその気になってきたと思ってそれに乗っかるようなセリフを吐く。
「黙れ、お前と言葉を交わす必要はない。私はお前の体を買い、お前は体を売ったのだ。」
さすがに女の顔に怒りが浮かんだが、客の趣向に合わせるしかない。
リオネルが覆いかぶさって女の胸を力任せにつかんだ。
加虐的な性癖の持ち主だと思ったのだろう、女は嫌がらずに「はあん」となまめかしい声をあげた。客の意向を汲み取りうまく対応して見せる娼婦の巧みさに、リオネルはいらだった。まるで娼婦に誘導されているようだ。
リオネルは舌打ちすると無言で女の体を力づくで返し背中を向けさせると、ドレスをめくりあげて腰をつかんでベッドのヘリまで引き寄せた。そのまま、ベットの横に立つと女の下着を下げ、自分の性器を取り出した。
まだ行為の準備のできていない自身のものを娼婦の足の付け根に挟む。まだ、湿ってもいない女の入り口と両足の根元の狭い隙間で自身のものを行き来させる。乾いたそこは滑りが悪く、痛みすら感じた。無理やりに繰り返していると物理的な刺激にリオネルのものは大きく、固くなった。
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