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第二章 皇太子の焦燥と義兄の寂寥
12.皇太子のいら立ち
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娼婦の熟したそこも、リオネルの動きに反応して潤い、くちゅくちゅと音を立てた。
滑りが良くなり、娼婦の襞の内側がリオネルのものに密着する。
リオネルの勃起も、娼婦の愛液も、性的な興奮というよりも、物理的な刺激への反応でしかない。
リオネルは娼婦の膣内に自身のものをねじ込み、何度か腰を使ってしごいた。
自分の手で自慰をするか、娼婦の膣か。そこには大した差はない。
ただ、ひとり自分の手で慰めるのであればクリスタを思っていられたが、娼婦を使っている今、娼婦をクリスタに見立てることは侯爵令嬢であるクリスタ、そして婚約者の皇太子たる自身への冒涜のように思えた。
クリスタの乱れる様を想像せず、ただリオネルはいら立ちを娼婦にぶつけるように腰を打ち付けた。
本気か、演技か、娼婦があんあんと声を出してシーツをつかむのがリオネルをさらにいらだたせた。
リオネルは娼婦の中から肉棒を引っ張り出し、娼婦の腕を引っ張って床に跪かせた。
「口を開けろ。」
娼婦は慣れた手つきでリオネルの男根を手で支え、口淫を始めた。
上目づかいでリオネルを見ながら、ちろちろ舌を使って技巧を見せようとしたが、リオネルは女の頭をつかみ、自身の腰を前後に激しく動かして喉の奥を突いた。娼婦のペースに乗るつもりはなかった。
リオネルは女の喉の深くへ男根を押し込み、そこで精を吐出した。
女が苦し気にリオネルの腿をたたいて抵抗した。リオネルが女の頭の後ろを抑えていた手を離すと女がゲホゲホ咳込みながらと床にうずくまって苦しんだ。
リオネルは肩で息をし、ベッドに腰かけ、女の無様な姿をぼんやり見下ろした。
娼婦は呼吸を整えた。リオネルをにらみつける。威張った態度で横柄にふるまいながら結局は自分によって性欲を満たし、精を吐き出しだらしなく男根をぶら下げている若い客を見て、小さな優越感を持った。
「上手に達しましたね、旦那様」
と笑った。
リオネルは我に返り、自分を子供のように扱う娼婦への怒りで耳まで熱くなるのを感じた。娼婦の腕をつかむと、もう片方の手で転がっていた靴をつかみ、女をぐいぐいと引っ張ってベットを離れた。そのままドアを開き廊下に女を出すと靴を投げつけた。
「ちょっと!」
扉を閉め、リオネルは自分の頭を掻きむしった。わめく娼婦を使用人が連れていく。
罪悪感と自己嫌悪。
自分に抱かれ、皇太子の精を膣内で受け、皇族の血を引く子を孕むのはクリスタでなければならない。高貴な淑女だ。
ああ、はやくあの高潔な彼女を乱して、自分ものにしたい。婚儀の日をはやめられないか。狂おしいほどにクリスタが欲しかった。
クリスタを大事に、優しく愛しんで、心から手に入れたい。尊敬できる皇太子としてリオネルを認め、その妃となれることに誇りと喜び感じ、自分と同様婚儀を心待ちにして欲しい。
そう思っているのに、自分の夜会でのエスコートを拒むクリスタを責めてしまった。
彼女が心を許すビルヘルムの存在が、近づいたと思えばまた離れていくクリスタとの距離が、リオネルをいらだたせる。
誰もが皇太子である自分に近づきたがるのに、一番手に入れたい唯一の心だけが手に入らない。
そのいら立ちを晴らそうと娼婦を手配させたが、汚れた女に吐精した自分がただみじめに思えるだけだった。
滑りが良くなり、娼婦の襞の内側がリオネルのものに密着する。
リオネルの勃起も、娼婦の愛液も、性的な興奮というよりも、物理的な刺激への反応でしかない。
リオネルは娼婦の膣内に自身のものをねじ込み、何度か腰を使ってしごいた。
自分の手で自慰をするか、娼婦の膣か。そこには大した差はない。
ただ、ひとり自分の手で慰めるのであればクリスタを思っていられたが、娼婦を使っている今、娼婦をクリスタに見立てることは侯爵令嬢であるクリスタ、そして婚約者の皇太子たる自身への冒涜のように思えた。
クリスタの乱れる様を想像せず、ただリオネルはいら立ちを娼婦にぶつけるように腰を打ち付けた。
本気か、演技か、娼婦があんあんと声を出してシーツをつかむのがリオネルをさらにいらだたせた。
リオネルは娼婦の中から肉棒を引っ張り出し、娼婦の腕を引っ張って床に跪かせた。
「口を開けろ。」
娼婦は慣れた手つきでリオネルの男根を手で支え、口淫を始めた。
上目づかいでリオネルを見ながら、ちろちろ舌を使って技巧を見せようとしたが、リオネルは女の頭をつかみ、自身の腰を前後に激しく動かして喉の奥を突いた。娼婦のペースに乗るつもりはなかった。
リオネルは女の喉の深くへ男根を押し込み、そこで精を吐出した。
女が苦し気にリオネルの腿をたたいて抵抗した。リオネルが女の頭の後ろを抑えていた手を離すと女がゲホゲホ咳込みながらと床にうずくまって苦しんだ。
リオネルは肩で息をし、ベッドに腰かけ、女の無様な姿をぼんやり見下ろした。
娼婦は呼吸を整えた。リオネルをにらみつける。威張った態度で横柄にふるまいながら結局は自分によって性欲を満たし、精を吐き出しだらしなく男根をぶら下げている若い客を見て、小さな優越感を持った。
「上手に達しましたね、旦那様」
と笑った。
リオネルは我に返り、自分を子供のように扱う娼婦への怒りで耳まで熱くなるのを感じた。娼婦の腕をつかむと、もう片方の手で転がっていた靴をつかみ、女をぐいぐいと引っ張ってベットを離れた。そのままドアを開き廊下に女を出すと靴を投げつけた。
「ちょっと!」
扉を閉め、リオネルは自分の頭を掻きむしった。わめく娼婦を使用人が連れていく。
罪悪感と自己嫌悪。
自分に抱かれ、皇太子の精を膣内で受け、皇族の血を引く子を孕むのはクリスタでなければならない。高貴な淑女だ。
ああ、はやくあの高潔な彼女を乱して、自分ものにしたい。婚儀の日をはやめられないか。狂おしいほどにクリスタが欲しかった。
クリスタを大事に、優しく愛しんで、心から手に入れたい。尊敬できる皇太子としてリオネルを認め、その妃となれることに誇りと喜び感じ、自分と同様婚儀を心待ちにして欲しい。
そう思っているのに、自分の夜会でのエスコートを拒むクリスタを責めてしまった。
彼女が心を許すビルヘルムの存在が、近づいたと思えばまた離れていくクリスタとの距離が、リオネルをいらだたせる。
誰もが皇太子である自分に近づきたがるのに、一番手に入れたい唯一の心だけが手に入らない。
そのいら立ちを晴らそうと娼婦を手配させたが、汚れた女に吐精した自分がただみじめに思えるだけだった。
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