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第4話 ユキに秘密は通じない(物理)
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そこの巡洋艦、止まれ!
「どうやら呼ばれてるみたいだが、ユキ、何か分かったか?」
「うん、逃げ出した盗賊を探してるみたい」
「それって…」
「うん、私たちが撃沈したやつ」
「そうか…まぁ、止まるか」
協力感謝する、通信を繋ぐ、少し待て
「ん、繋ぐ?」
「ああ」
「お前が艦長だな」
「ああ、そうだが、何かあったか?」
「賊が逃げ出してな、合わなかったか?」
「すまないな、こっちは急ぎの用事で小惑星帯を通ってきたんだ」
「そうか…協力感謝する」
「ああ」
「よくあんなスラスラと嘘が出るね」
「それは褒めてるのか?」
「うん、褒めてる」
「ならよかった」
「それで、これからはどうするの?」
「そうだな…とりあえず、船籍と身分証かな。このままじゃいつ撃沈されてもおかしくない」
「今の艦長なら生身で宇宙空間に放り出されても大丈夫だよ?」
「だとしても、だ。それに、移動手段がないと困る」
「確かに。私は肉体を持ったから別だけど、他の電子頭脳は違うから」
「そうだな。で、どうしようか」
「何も考えてなかったの?」
「この星のことは何も知らないからな」
「ちょっと待ってて」
「ん」
ユキの目の前の空中に青いディスプレイがたくさん映し出される。ユキは20秒ほどでディスプレイを俺に見せた。
「こんな感じ」
ディスプレイには今いる港の詳細な地図や他の都市への経路、近隣の軍事基地の位置からその兵力、挙げ句の果てには秘密裏に行われていたであろう実験の内容や公開されていない兵器の詳細な性能まであった。
「これどうしたんだ?」
「この星の中枢電子頭脳にアクセスして取った」
「そうか」
絶対敵には回さないでおこうと思った。
「そういやここは共和国の貿易要塞星「クレックス」なのになんで帝国軍の艦艇がいたんだ?」
「帝国の不祥事だから帝国軍が対応してるみたい」
「そうか…ギルドとかはあるのか?」
「うん。共和国傭兵ギルドと帝国傭兵ギルドと共和国商人ギルドと帝国商人ギルド、あと全宇宙公認の大商人ギルドがあるよ」
「じゃあ、全宇宙公認大商人ギルドに登録するか」
「そこに登録するには人脈と資金と船がいる。後二つはどうとでもなるけど人脈は無理」
「じゃあ一旦船に戻って対策を練るか、空も暗くなってきたし」
「空はただの映像。でも、時間的にはちょうどそれくらい」
「よくできた映像だ。どうやって映してるんかね」
「空は空中投影、気温は自動調節、食料は全部他の惑星からの搬入、みたい」
「強制的に開拓された惑星ってことか」
「そうね。でも、他にもいっぱいこんな星はある」
「まあ、そりゃそうだよな。だって、宇宙戦艦があるくらいなんだから」
そう言いつつ俺はギルドに入るためのいい方法を思いついた。
「どうやら呼ばれてるみたいだが、ユキ、何か分かったか?」
「うん、逃げ出した盗賊を探してるみたい」
「それって…」
「うん、私たちが撃沈したやつ」
「そうか…まぁ、止まるか」
協力感謝する、通信を繋ぐ、少し待て
「ん、繋ぐ?」
「ああ」
「お前が艦長だな」
「ああ、そうだが、何かあったか?」
「賊が逃げ出してな、合わなかったか?」
「すまないな、こっちは急ぎの用事で小惑星帯を通ってきたんだ」
「そうか…協力感謝する」
「ああ」
「よくあんなスラスラと嘘が出るね」
「それは褒めてるのか?」
「うん、褒めてる」
「ならよかった」
「それで、これからはどうするの?」
「そうだな…とりあえず、船籍と身分証かな。このままじゃいつ撃沈されてもおかしくない」
「今の艦長なら生身で宇宙空間に放り出されても大丈夫だよ?」
「だとしても、だ。それに、移動手段がないと困る」
「確かに。私は肉体を持ったから別だけど、他の電子頭脳は違うから」
「そうだな。で、どうしようか」
「何も考えてなかったの?」
「この星のことは何も知らないからな」
「ちょっと待ってて」
「ん」
ユキの目の前の空中に青いディスプレイがたくさん映し出される。ユキは20秒ほどでディスプレイを俺に見せた。
「こんな感じ」
ディスプレイには今いる港の詳細な地図や他の都市への経路、近隣の軍事基地の位置からその兵力、挙げ句の果てには秘密裏に行われていたであろう実験の内容や公開されていない兵器の詳細な性能まであった。
「これどうしたんだ?」
「この星の中枢電子頭脳にアクセスして取った」
「そうか」
絶対敵には回さないでおこうと思った。
「そういやここは共和国の貿易要塞星「クレックス」なのになんで帝国軍の艦艇がいたんだ?」
「帝国の不祥事だから帝国軍が対応してるみたい」
「そうか…ギルドとかはあるのか?」
「うん。共和国傭兵ギルドと帝国傭兵ギルドと共和国商人ギルドと帝国商人ギルド、あと全宇宙公認の大商人ギルドがあるよ」
「じゃあ、全宇宙公認大商人ギルドに登録するか」
「そこに登録するには人脈と資金と船がいる。後二つはどうとでもなるけど人脈は無理」
「じゃあ一旦船に戻って対策を練るか、空も暗くなってきたし」
「空はただの映像。でも、時間的にはちょうどそれくらい」
「よくできた映像だ。どうやって映してるんかね」
「空は空中投影、気温は自動調節、食料は全部他の惑星からの搬入、みたい」
「強制的に開拓された惑星ってことか」
「そうね。でも、他にもいっぱいこんな星はある」
「まあ、そりゃそうだよな。だって、宇宙戦艦があるくらいなんだから」
そう言いつつ俺はギルドに入るためのいい方法を思いついた。
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