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6章 幼年期のオワリ
97.オワリ(43/43)
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「そうだ、パパってすごい人だったの? 銀太郎が、みんなハハーってなるって言っていたけど」
「ハハー? 銀太郎も適当だなあ。パパはみんなのご用聞きだからね。ああ、気配りのお仕事か。忘年会係だっけ? 年中無休の二十四時間営業で、宇宙人に呼ばれればいつでもどこでも飛んでいくわけ。もちろん宇宙人が最優先。急にふだんの職場を離れて出張になったり飛行機に乗ったり、どこでもフリーパスでそういうことができるように地球人向けの特別な肩書きが必要なんだよ。機密情報にアクセスできるのも『エライ人』だけだからね」
「ほら、ワタシ言うとおり、アオイノゴモンでしよ」
「仕事以外で名刺を使うことなんてないよ。今回は例外。藤井君がUFOオタクのあやしい人と一緒にいたと思われても困るからねえ。ちょっとズルしちゃった。あははは」
藤井君のご両親は、UFOオタクなのにすごい人だとびっくりしていたと思うよ?
あれ、でもひょっとすると、こんなにエライ人なのにUFOオタクなのかというがっかりのびっくり?
「あんな肩書きでUFOオタクへの見方が変わるなら……藤井君のUFO趣味も認めてもらえないかなあ」
最後につぶやいた言葉が、パパの本音のような気がした。
親の期待ってムズカシイな。川上家はホント、のほほーんとしているね。
あ、そういえば。
藤井君にあげたグミ、おいしそうだったな。まだ家に残っているよね? 帰ったら食べたいなあ。でも、夜食べると太るかな。明日までがまんかなあ。
「UFOグミ、まだありましから心配ゴムヨウ」
「そうなんだ、よかったー……って? なんで銀太郎が知っているのよ⁉︎」
「オカーサン様袋に入れているの見てますた」
「ちがーっう!! なんで私がグミのことを考えたって知っているのよ? 今、私の心を読んだでしょう! ああっ! ずっとそうだ! 今日ずーっと、考えただけで銀太郎に通じていなかった? 言わなくてもなんだか通じていなかった⁉︎」
「あぎゃっ、腕引っ張らないでなのでしっ。ヌレギヌでしよ! シートベルトでハラキリになりましっ」
そうだよ! 変だよ! 以心伝心かっていうくらい通じていたもの。
「いやいや、葵ちゃん。それ、気が合うだけでしょう? 二人の相性がいいんだよ」
「でもグミは? 私、グミ食べたいなあって顔していたの⁉︎」
「アオイ様、顔が大きいのでし」
「はっ?」
「あ、まちがえまし。声が大きい」
「はああっ⁉︎」
「あ、ちがう。でもない? え、と。やっぱり声大きいのでし。心の声大音量。車の中でズンズンの音楽、外に響くのと同じ。勝手に聞こえてきまし」
へ? 私、うるさいの?
「エネルギー大きい。思いが強い。とても強く強く、響いて来るのでし。優しいのも必死なのも、それはまぶしくてウツクシイのでしよ」
「……ほめてる?」
「もちろんでし」
「そう……。でもっ、勝手に聞かないでよね!」
幸せな一日が終わる。
この幸せな思いも、しっかり銀太郎に届いている?
どうせ届くなら、いつだって楽しくて幸せな気持ちを送りたいな……。
「ハハー? 銀太郎も適当だなあ。パパはみんなのご用聞きだからね。ああ、気配りのお仕事か。忘年会係だっけ? 年中無休の二十四時間営業で、宇宙人に呼ばれればいつでもどこでも飛んでいくわけ。もちろん宇宙人が最優先。急にふだんの職場を離れて出張になったり飛行機に乗ったり、どこでもフリーパスでそういうことができるように地球人向けの特別な肩書きが必要なんだよ。機密情報にアクセスできるのも『エライ人』だけだからね」
「ほら、ワタシ言うとおり、アオイノゴモンでしよ」
「仕事以外で名刺を使うことなんてないよ。今回は例外。藤井君がUFOオタクのあやしい人と一緒にいたと思われても困るからねえ。ちょっとズルしちゃった。あははは」
藤井君のご両親は、UFOオタクなのにすごい人だとびっくりしていたと思うよ?
あれ、でもひょっとすると、こんなにエライ人なのにUFOオタクなのかというがっかりのびっくり?
「あんな肩書きでUFOオタクへの見方が変わるなら……藤井君のUFO趣味も認めてもらえないかなあ」
最後につぶやいた言葉が、パパの本音のような気がした。
親の期待ってムズカシイな。川上家はホント、のほほーんとしているね。
あ、そういえば。
藤井君にあげたグミ、おいしそうだったな。まだ家に残っているよね? 帰ったら食べたいなあ。でも、夜食べると太るかな。明日までがまんかなあ。
「UFOグミ、まだありましから心配ゴムヨウ」
「そうなんだ、よかったー……って? なんで銀太郎が知っているのよ⁉︎」
「オカーサン様袋に入れているの見てますた」
「ちがーっう!! なんで私がグミのことを考えたって知っているのよ? 今、私の心を読んだでしょう! ああっ! ずっとそうだ! 今日ずーっと、考えただけで銀太郎に通じていなかった? 言わなくてもなんだか通じていなかった⁉︎」
「あぎゃっ、腕引っ張らないでなのでしっ。ヌレギヌでしよ! シートベルトでハラキリになりましっ」
そうだよ! 変だよ! 以心伝心かっていうくらい通じていたもの。
「いやいや、葵ちゃん。それ、気が合うだけでしょう? 二人の相性がいいんだよ」
「でもグミは? 私、グミ食べたいなあって顔していたの⁉︎」
「アオイ様、顔が大きいのでし」
「はっ?」
「あ、まちがえまし。声が大きい」
「はああっ⁉︎」
「あ、ちがう。でもない? え、と。やっぱり声大きいのでし。心の声大音量。車の中でズンズンの音楽、外に響くのと同じ。勝手に聞こえてきまし」
へ? 私、うるさいの?
「エネルギー大きい。思いが強い。とても強く強く、響いて来るのでし。優しいのも必死なのも、それはまぶしくてウツクシイのでしよ」
「……ほめてる?」
「もちろんでし」
「そう……。でもっ、勝手に聞かないでよね!」
幸せな一日が終わる。
この幸せな思いも、しっかり銀太郎に届いている?
どうせ届くなら、いつだって楽しくて幸せな気持ちを送りたいな……。
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