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6章 幼年期のオワリ
73.オワリ(19/43)
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「大事って……そんな、会ったこともないのに。ただ、一人で推し活はさびしいなって思ったの。しかも反対までされているんだよ? 自分のモヤモヤを話せる人もいないんじゃないの? そういうの、つらいなって……」
自分自身が思っていたことだ。
私がずっとモヤモヤしているから、感情移入しちゃったんだ。
私、銀太郎の話を誰にもできないんだよ? 銀太郎の宇宙人アルアルをいっぱい話したいのに、わかってくれる人なんかいないよ? 藤井君ならきっと理解してくれるけれど、銀太郎が宇宙人だと教えられないもの。
そうかといって、銀太郎が宇宙人だと知っているパパやお母さんにはなぜか話す気になれない。
銀太郎のことはグチも相談も誰にもできないから、毎日すごくモヤモヤしているの。
すっきりしないこの感じ、銀太郎にはわかる?
蓮君の推し活なら、聞いてくれる美央がいる。パパに反対されることはないし、お母さんとなんか蓮君のことで一緒にキャーキャーさわいでいる。
それってすごく楽しいよ。
荒井さんの孫が本当はどう思っているかなんて知らない。
でも、自分の好きな話ができる相手がいなかったり反対されちゃったりしたらつらいよね。藤井君のおうちに行った時に、お母さんが塩対応だったのを思い出しちゃった。
UFO趣味の人ってみんな変な目で見られやすいのかな? パパだって、UFOバッジはつけているけれど私にUFOの話をしたことはなかったもの。
好きなことを話せる楽しさと話せないモヤモヤのどちらもよくわかる。だから私は、荒井さんの孫に気持ちを寄せてしまっているのかもしれない。
パパと銀太郎を説得して孫を迎えに行かなければならない。
なぜか使命感がわき上がってきた。
「推し活ねえ。ははは、本当にね。今は純粋に推し活なんだろうね」
パパは感心したように笑った。
「……ねえパパ? このまま放っておいて事故や事件になっても、注意力や運がなかったで済まされちゃうって言ったよね?」
「え? ああ、もちろん適性検査についてだよ? 検査中は地球人なのだから、もし何か起これば警察も消防も動くし全力で助けてくれるよ。だたし、適性検査の方は運の悪さが不合格につながることもあるらしいね。あと先考えずに動いちゃう子は向いていないだろうしね。まあ、子どものうちは行動力があるって評価されるのかもしれないけれど」
「じゃあ、荒井さんの孫は超高得点だね!」
「へ?」
「だってそうでしょう? その子はものすごく運がいいのだから!」
自分自身が思っていたことだ。
私がずっとモヤモヤしているから、感情移入しちゃったんだ。
私、銀太郎の話を誰にもできないんだよ? 銀太郎の宇宙人アルアルをいっぱい話したいのに、わかってくれる人なんかいないよ? 藤井君ならきっと理解してくれるけれど、銀太郎が宇宙人だと教えられないもの。
そうかといって、銀太郎が宇宙人だと知っているパパやお母さんにはなぜか話す気になれない。
銀太郎のことはグチも相談も誰にもできないから、毎日すごくモヤモヤしているの。
すっきりしないこの感じ、銀太郎にはわかる?
蓮君の推し活なら、聞いてくれる美央がいる。パパに反対されることはないし、お母さんとなんか蓮君のことで一緒にキャーキャーさわいでいる。
それってすごく楽しいよ。
荒井さんの孫が本当はどう思っているかなんて知らない。
でも、自分の好きな話ができる相手がいなかったり反対されちゃったりしたらつらいよね。藤井君のおうちに行った時に、お母さんが塩対応だったのを思い出しちゃった。
UFO趣味の人ってみんな変な目で見られやすいのかな? パパだって、UFOバッジはつけているけれど私にUFOの話をしたことはなかったもの。
好きなことを話せる楽しさと話せないモヤモヤのどちらもよくわかる。だから私は、荒井さんの孫に気持ちを寄せてしまっているのかもしれない。
パパと銀太郎を説得して孫を迎えに行かなければならない。
なぜか使命感がわき上がってきた。
「推し活ねえ。ははは、本当にね。今は純粋に推し活なんだろうね」
パパは感心したように笑った。
「……ねえパパ? このまま放っておいて事故や事件になっても、注意力や運がなかったで済まされちゃうって言ったよね?」
「え? ああ、もちろん適性検査についてだよ? 検査中は地球人なのだから、もし何か起これば警察も消防も動くし全力で助けてくれるよ。だたし、適性検査の方は運の悪さが不合格につながることもあるらしいね。あと先考えずに動いちゃう子は向いていないだろうしね。まあ、子どものうちは行動力があるって評価されるのかもしれないけれど」
「じゃあ、荒井さんの孫は超高得点だね!」
「へ?」
「だってそうでしょう? その子はものすごく運がいいのだから!」
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