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6章 幼年期のオワリ
72.オワリ(18/43)
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「銀太郎、隠さないで教えてよ!」
それでも銀太郎を向いて、銀太郎の名前を呼んだ。
銀太郎がうつむいたことで目が合わない状態になったからなのか、ようやく銀太郎の顔をまっすぐ見つめることができた。
蓮君だけれど蓮君とはちがう。
全然蓮君じゃない。もう、蓮君には見えない。
その口が少しだけ動いたような気がした。
今、笑ったの?
「地球人愛護協会は、常に遠くから監視していまし。何があっても検査中の子に接触しない。でも、検査のための環境は整えまし。アライサンに助言するのもそのため。ワタシ帰らせないのもそのため。……愛護協会との交信によると……現在マゴはマンガンノモリ方面に移動中。まだ到着していないので、ケイちゃんの推測は確定ではないでし」
うつむいたままボソボソ話す銀太郎は、なんだかすねているみたいだった。
「……やっぱり助けに行かなきゃ。ううん、助けるんじゃなくて、お迎えに行こうよ。一緒にUFO見ようよ。きっと帰りが遅くなっちゃうでしょう? 帰れなくなったら大変だよ」
「葵ちゃん……」
「宇宙人の銀太郎を頼るんじゃなくて、パパにお願いしたいの。私を『万貫の森』に連れて行って。その子を探して、一緒にUFOを見て、その子のお家までちゃんと送ってあげるの。ダメかな?」
「なんでそこまでするでしか?」
銀太郎の口調はどこか厳しい。
「え? だって……その子の事情を知っているのって私たちしかいないんだよ? 銀太郎と出会って私は宇宙人がいることを知ったけれど、ほとんどの地球人は宇宙人を信じていないよ? UFOとか宇宙人が大好きなその子の話を聞いて、私なら絶対うなずいてあげられるよ。宇宙人もUFOも信じてあげられるよ。今、その子は好きなことを反対されてひとりぼっちなんでしょう? 私とか藤井君なら、友だちになってUFOの話いっぱいできるよ?」
「フジークン、でしか」
あれ? またきげんが悪くなった?
藤井君の名前を出したせい?
「パパと銀太郎が関わりたくない、というか関われないのはわかったけれど、それなら私が会えばいいでしょう?」
「アオイ様、止めても行く気マンマンでしね。そんなにマゴ大事でしか?」
わっ。ますますきげんが悪い。あからさまに悪いんだけど?
それでも銀太郎を向いて、銀太郎の名前を呼んだ。
銀太郎がうつむいたことで目が合わない状態になったからなのか、ようやく銀太郎の顔をまっすぐ見つめることができた。
蓮君だけれど蓮君とはちがう。
全然蓮君じゃない。もう、蓮君には見えない。
その口が少しだけ動いたような気がした。
今、笑ったの?
「地球人愛護協会は、常に遠くから監視していまし。何があっても検査中の子に接触しない。でも、検査のための環境は整えまし。アライサンに助言するのもそのため。ワタシ帰らせないのもそのため。……愛護協会との交信によると……現在マゴはマンガンノモリ方面に移動中。まだ到着していないので、ケイちゃんの推測は確定ではないでし」
うつむいたままボソボソ話す銀太郎は、なんだかすねているみたいだった。
「……やっぱり助けに行かなきゃ。ううん、助けるんじゃなくて、お迎えに行こうよ。一緒にUFO見ようよ。きっと帰りが遅くなっちゃうでしょう? 帰れなくなったら大変だよ」
「葵ちゃん……」
「宇宙人の銀太郎を頼るんじゃなくて、パパにお願いしたいの。私を『万貫の森』に連れて行って。その子を探して、一緒にUFOを見て、その子のお家までちゃんと送ってあげるの。ダメかな?」
「なんでそこまでするでしか?」
銀太郎の口調はどこか厳しい。
「え? だって……その子の事情を知っているのって私たちしかいないんだよ? 銀太郎と出会って私は宇宙人がいることを知ったけれど、ほとんどの地球人は宇宙人を信じていないよ? UFOとか宇宙人が大好きなその子の話を聞いて、私なら絶対うなずいてあげられるよ。宇宙人もUFOも信じてあげられるよ。今、その子は好きなことを反対されてひとりぼっちなんでしょう? 私とか藤井君なら、友だちになってUFOの話いっぱいできるよ?」
「フジークン、でしか」
あれ? またきげんが悪くなった?
藤井君の名前を出したせい?
「パパと銀太郎が関わりたくない、というか関われないのはわかったけれど、それなら私が会えばいいでしょう?」
「アオイ様、止めても行く気マンマンでしね。そんなにマゴ大事でしか?」
わっ。ますますきげんが悪い。あからさまに悪いんだけど?
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