宇宙人は恋をする!

山碕田鶴

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5章 星からのキカン

53.キカン(19/20)

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「地球人はワレワレ恐れまし。ワレワレ頼りまし。守ってもらうために必死でし。だから地球防衛隊の待遇は最高でし。接待いっぱい。宇宙人の望みなんでもかなえてくれまし。それはワレワレに対するお礼ではなくお願いの気持ちなのでし」
「それ、宇宙人にこびているっていうこと?」
「下心いっぱい。でも、仕方ないでしね。地球人、弱い。生きるために宇宙人接待しまし。ワレワレ接待受けてあげると地球人は安心。ケイちゃんのお仕事、本当は接待じゃなくてワレワレの特別な観葉植物になること。ワレワレが地球人を好きでいるためのお供え。地球人のエライ人、そのつもりでワレワレに差し出した」
「それって、いけにえ、みたいな?」
「わあ、それでし!   ケイちゃん自身がイケニエ。ぴったり。ワレワレ好きに使って構わない言われまし。煮ても食べても遊んでも好き放題オーケー」
「うわー……」
「ははっ。地球人、ひどいでしね。ワレワレに工作しまし」
「あれ?   でも、宇宙人は勝手に地球を守っているのでしょう?   私たちってはじめから守られる存在として見られているのでしょう?   いけにえまで出してわざわざ宇宙人にお願いしなくてもいいんじゃないの?」
「地球人は宇宙人を信じていない。自分たち襲われるかもと、常に疑っていまし。まあ、当然でしね。別に構わないでしよ」

 ふうん。余裕なんだ。

「ワレワレ、ケイちゃんで楽しく遊べるから問題なしでし」

 へえー……。
 銀太郎の笑い方がちょっと怖い。いったい何をして遊んでいるのか訊くのも怖い。

「……あの、ひとつ質問。パパが年を取らないのって……何か関係ある……とか?」
「ノーコメントでし」

 うわ、即答。ってことは、関係アリ⁉︎

「丈夫で長持ちは良いことでし」

 星を見ながら言う銀太郎は無表情だった。

「……銀太郎、どこまで本気で言っているの?」

 観葉植物。特別な観葉植物。そして私は、アサガオ……。
 頭をぐるぐると回る言葉で不安が大きくなっていく。
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