宇宙人は恋をする!

山碕田鶴

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3章 未知とのセッショク

22.セッショク(7/9)

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 とりあえず落ち着こう。
 藤井君は、会っていきなり立ち話のまま盛り上がっちゃうし、私もうっかり不規則発言しちゃうし。
 藤井君の部屋のローテーブルを囲んで三人が座ったところで、ソレデハと銀太郎が仕切り直しをしてくれた。
 私の三角UFO発言を銀太郎は気にしていない様子だ。よかった。
 藤井君は、まず自己紹介をした。
 小さい頃から空や宇宙に関心がある子で、自然にUFOや宇宙人に興味を持つようになったそうだ。実際にUFOを見たことはなくて、先週の光が初UFOらしい。
 いかにもの円盤はアダムスキー型といって、他にも様々な形のUFO目撃情報があって、ああ、今はUAPと呼ぶのが正しいらしくて、三角形のUAPは最近の主流で「TR-3B」という地球製らしくて……。
 藤井君の話は、いつのまにか彼自身ではなくUFOの紹介になっていた。
 いつか「UFOふれあう館」に行きたいというのは、一応自己紹介の範囲かな。
 銀太郎はニコニコと黙って話を聞いていた。ずいぶんと優しい目で見守っている。

「あの……三角形は、地球製のUFOなの?」

 私は思いきって訊いてみた。

「都市伝説デス」

 すぐに銀太郎が答えた。地球製説否定?  

「僕は、地球製もあると思うんです」

 藤井君、反撃だ。

「だって、ほら、地球防衛隊があるそうじゃないですか」
「地球防衛隊⁉︎  なにそれ……」

 いきなり特撮ネタ⁉︎

「それも都市伝説デス」

 銀太郎はまた即座に否定した。かえってあやしくない?

「あの……地球防衛隊ってなに?」

 藤井君の目がますますキラキラになった。きっと今まで話せる人がいなかったにちがいない。

「地球を守ってくれている宇宙人がいるらしいんだよ。地球のどこの国にも属さないけれど、地球人との取り決めで地球の危機を救う宇宙人部隊があるんだって」
「地球のキキ?」
「隕石が落ちてきた時に、被害が少なくなるよう地上にぶつかる前に隕石をくだいてくれたり、火山噴火の被害を抑えるために火口をけずったり溶岩の流れを変えたり。写真とか動画で結構報告されているんだ」
「え……それって宇宙人からしたら、ものすごく危険な任務じゃないの?」
「うん。だから地球人とは相当強固な関係があるのだと思う。それで地球人は宇宙人の技術を教えてもらっていて、地球製のUFOも作っているのかなって」
「へー……」

 私の頭の中には、特撮のビームとか怪獣とか、そんなイメージしかかなかった。
 さすがに蓮君は特撮ヒーローは……やらないかなあ。
 そう思ってぼんやりと銀太郎を見た。
 特撮、ねえ。
 さっき玄関前で見た銀太郎を思い出して、また怖くなってしまった。
 もし、銀太郎がいきなり暴れてUFOで攻撃してきたら……。
 どうしよう。
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