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1章 未知とのソウグウ
3.ソウグウ(3/8)
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「お言葉でしが、アオイ様」
宇宙人はたぶん真面目な顔で私を見た。
「今は、多様性を認める社会でし? 宇宙人差別、ありえません。みんなワタシ受け入れまし。ダイジョーブ、怖くない」
「ちがーうっ! 怖いんじゃなくてキモチワルイのっ!!」
宇宙人がひるんだところで、部屋の外からお母さんの声がした。
「あおいー? 晩ご飯にするよお。あと、ちょうどパパが帰って来たからー」
「あれ? 出張でしばらくいないんじゃなかったっけ?」
ドアは開けずに返事をした。
「お仕事先の都合で、急に取りやめになったんだって。でも、おみやげはあるってー」
「今行くから」
宇宙人は部屋に隠して、とりあえずご飯にしよう。
「って、なんであなたが立ち上がっているのよ?」
「ハイ? もちろんご両親にゴアイサツを」
「やめてよ⁉︎ いいからココにいて。すぐ戻るから」
「そんなあ、エンリョなさらず。いざ出陣」
「ダメダメダメ」
ドアを開けようとする宇宙人にしがみついて止めたけれど、まったく気にせず出ようとする。
「ひゃーっ! 私さわっちゃってるじゃない!」
「アオイ様、情熱的でし。照れまする」
「違うでしょ!」
二人でもめているところにまた外から声がかかる。
「葵ちゃん、ただいまーっ。パパですよー!」
パパだ。
「あおいー? どうしたの? 開けるよ?」
お母さんまで!
「ダメーっ」
「どうぞでしー」
「あっ!」
叫び声は四つだったと思う。
宇宙人は自分でドアを開けておきながら、びっくりした様子で固まっていた。
理由は絶対に一つしか考えられない。
パパの背広の胸元についているバッジだ。
銀色に大きな黒い楕円が二つ描かれたデザイン、まさしくグレイの顔を模したピンバッジを見たからにちがいなかった。
私のパパは、UFOオタクだった。
宇宙人はたぶん真面目な顔で私を見た。
「今は、多様性を認める社会でし? 宇宙人差別、ありえません。みんなワタシ受け入れまし。ダイジョーブ、怖くない」
「ちがーうっ! 怖いんじゃなくてキモチワルイのっ!!」
宇宙人がひるんだところで、部屋の外からお母さんの声がした。
「あおいー? 晩ご飯にするよお。あと、ちょうどパパが帰って来たからー」
「あれ? 出張でしばらくいないんじゃなかったっけ?」
ドアは開けずに返事をした。
「お仕事先の都合で、急に取りやめになったんだって。でも、おみやげはあるってー」
「今行くから」
宇宙人は部屋に隠して、とりあえずご飯にしよう。
「って、なんであなたが立ち上がっているのよ?」
「ハイ? もちろんご両親にゴアイサツを」
「やめてよ⁉︎ いいからココにいて。すぐ戻るから」
「そんなあ、エンリョなさらず。いざ出陣」
「ダメダメダメ」
ドアを開けようとする宇宙人にしがみついて止めたけれど、まったく気にせず出ようとする。
「ひゃーっ! 私さわっちゃってるじゃない!」
「アオイ様、情熱的でし。照れまする」
「違うでしょ!」
二人でもめているところにまた外から声がかかる。
「葵ちゃん、ただいまーっ。パパですよー!」
パパだ。
「あおいー? どうしたの? 開けるよ?」
お母さんまで!
「ダメーっ」
「どうぞでしー」
「あっ!」
叫び声は四つだったと思う。
宇宙人は自分でドアを開けておきながら、びっくりした様子で固まっていた。
理由は絶対に一つしか考えられない。
パパの背広の胸元についているバッジだ。
銀色に大きな黒い楕円が二つ描かれたデザイン、まさしくグレイの顔を模したピンバッジを見たからにちがいなかった。
私のパパは、UFOオタクだった。
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