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佑の秘密
第58話
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しばらくして、原口と草川と一緒に、企画開発担当の溜乃とその上司の上野がやってきた。
佑は溜乃を見て、“イケメンで穏やかそう”という印象を持つ。
外見だけ見るといかにもモテそうで、優媛さんが好きになったのもちょっと分かる気がした。
一通りの挨拶を交わし、本題に入る。
上野:「データごと、とのことでございますが、申し訳ございません、パソコンに入れてあるもので、こちらに持ってくることは難しいのですが…。」
と言って、紙ベースの企画書とDVDのROMを佑達に差し出す。
佑:「そうですか。実は、このゲームなのですが、盗作の疑いがあるという情報が寄せられたものですから、それも確認させていただきたいと思って参りました。
この件を先にお伝えすると、隠蔽工作をされる可能性もありましたので、大変失礼だとは思いましたが、お伝えするのが今になりました。」
原口:「盗作ですか⁉︎まさかそんな⁉︎
…そうですね。もし盗作だったとしても、いくらなんでも、隠蔽なんかいたしません。それは余りにも弊社を信用されていないのではないかと…。」
佑:「大変失礼な行いであることは重々承知しています。申し訳ありません。
ただ、弊社としましても、完全に信用できる状況じゃないと、“潔白です”と堂々と発言できないものですから。」
原口:「確かに、白であることの証明は難しいですね。それは理解できます。」
佑:「では、双方立ち会いの元に今から潔白を証明したいと思うのですが、データのあるパソコンのところへ我々がゾロゾロと行っても構いませんか?」
原口:「致し方ありませんね…。」
上野:「大変申し訳ございません。確かにTowmo Dell様に提出いたしましたこのデータは会社のデスクトップにありますが、元々この溜乃が1番最初に作って提出してきたものはノートパソコンです。
それでもよろしければこちらにお持ちできます。ですが、それで潔白の証明はできるかどうか…?」
山田:「それは、こちらに寄せられた情報を元に確認しますが、やはり見てみないと何とも言えませんね。
ご協力よろしくお願いします。」
溜乃の表情が硬くなったように見えたが、そこまで動揺している感じでもない。
上野と溜乃が一旦会議室を出て、ノートパソコンを持ってまた戻ってきた。
戻ってくるまでそんなに時間がかかっておらず、ただ往復するくらいの時間で戻ってきた。
パソコンの電源を入れ、データが入っているファイルを示してもらう。
ここから先の作業はTowmo Dellの鈴木と佐藤がやる。
鈴木:「1番最初にいただいた紙ベースの企画書には、右下に黒い点のようなものが全てのページにありましたが、今確認したところ、無いようです。
ここは何かデータが入ってたんでしょうか?」
溜乃:「いえ、元々そこには何のデータも入れてありませんでした。
多分ですが、プリントアウトした時のプリンターの不具合だと思います。
確認不足で申し訳ありませんでした。」
優媛さんは右下に、ほんの少しのズレを作ってマークを差し込んでいたと言っていた。
佑の会社に提出した時は、気付いてたのかなかったかは分からないが、ただの点でしか写らないのでスルーしたのだろう。
そしてその後で、万が一のために消しておいたのだろう。
溜乃が余裕なのは“証拠が無い”自信があるのだ。
佑は溜乃を見て、“イケメンで穏やかそう”という印象を持つ。
外見だけ見るといかにもモテそうで、優媛さんが好きになったのもちょっと分かる気がした。
一通りの挨拶を交わし、本題に入る。
上野:「データごと、とのことでございますが、申し訳ございません、パソコンに入れてあるもので、こちらに持ってくることは難しいのですが…。」
と言って、紙ベースの企画書とDVDのROMを佑達に差し出す。
佑:「そうですか。実は、このゲームなのですが、盗作の疑いがあるという情報が寄せられたものですから、それも確認させていただきたいと思って参りました。
この件を先にお伝えすると、隠蔽工作をされる可能性もありましたので、大変失礼だとは思いましたが、お伝えするのが今になりました。」
原口:「盗作ですか⁉︎まさかそんな⁉︎
…そうですね。もし盗作だったとしても、いくらなんでも、隠蔽なんかいたしません。それは余りにも弊社を信用されていないのではないかと…。」
佑:「大変失礼な行いであることは重々承知しています。申し訳ありません。
ただ、弊社としましても、完全に信用できる状況じゃないと、“潔白です”と堂々と発言できないものですから。」
原口:「確かに、白であることの証明は難しいですね。それは理解できます。」
佑:「では、双方立ち会いの元に今から潔白を証明したいと思うのですが、データのあるパソコンのところへ我々がゾロゾロと行っても構いませんか?」
原口:「致し方ありませんね…。」
上野:「大変申し訳ございません。確かにTowmo Dell様に提出いたしましたこのデータは会社のデスクトップにありますが、元々この溜乃が1番最初に作って提出してきたものはノートパソコンです。
それでもよろしければこちらにお持ちできます。ですが、それで潔白の証明はできるかどうか…?」
山田:「それは、こちらに寄せられた情報を元に確認しますが、やはり見てみないと何とも言えませんね。
ご協力よろしくお願いします。」
溜乃の表情が硬くなったように見えたが、そこまで動揺している感じでもない。
上野と溜乃が一旦会議室を出て、ノートパソコンを持ってまた戻ってきた。
戻ってくるまでそんなに時間がかかっておらず、ただ往復するくらいの時間で戻ってきた。
パソコンの電源を入れ、データが入っているファイルを示してもらう。
ここから先の作業はTowmo Dellの鈴木と佐藤がやる。
鈴木:「1番最初にいただいた紙ベースの企画書には、右下に黒い点のようなものが全てのページにありましたが、今確認したところ、無いようです。
ここは何かデータが入ってたんでしょうか?」
溜乃:「いえ、元々そこには何のデータも入れてありませんでした。
多分ですが、プリントアウトした時のプリンターの不具合だと思います。
確認不足で申し訳ありませんでした。」
優媛さんは右下に、ほんの少しのズレを作ってマークを差し込んでいたと言っていた。
佑の会社に提出した時は、気付いてたのかなかったかは分からないが、ただの点でしか写らないのでスルーしたのだろう。
そしてその後で、万が一のために消しておいたのだろう。
溜乃が余裕なのは“証拠が無い”自信があるのだ。
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