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アユタの秘密
第55話
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優媛:「モンリベルトeに契約社員で採用されて、このRPGテイストオリエンテーリングとか他のゲームの制作に関わって、楽しくて良い会社だなって思ってた。
しばらくして大学のサークルOB会に参加して、溜乃っていう先輩と再会して付き合うことになったの。」
俺:「“カケルさん”ですか?」
優媛:「そう、下の名前がカケルっていうの。知ってる人?」
俺:「いえ、違うんです。名前だけアユタから聞いてたので。」
優媛:「そっか、知り合いじゃなくて良かった。
溜乃がね、私に自分の勤めてる会社に来ないか?って誘ってきたの。
溜乃の会社は誰もが知ってるような大手なんだけど、即戦力で正社員で働ける人探してて、私なら経験もバッチリだし、絶対受かるとか言って。
ただ人事の人が、実力を見たいから新しいゲームの企画とデモムービーを作ってほしいって言ってる、と言われたのね。
即戦力の募集だからと思って、なんの疑いも持ってなかったんだけど、結論から言うと、最初からそれが目的で私を騙して、自分のアイデアとして会社に提出したの。
私はこんなチャンス無いと思って、すっごく頑張って作ったやつだったのに。
モンリベルトeからも、実は正社員の話を言ってもらってたんだけど断って、デモムービーの作成のために退職までしたのに。
目の前にニンジンぶら下げられて、騙された私が悪いんだけどね。
溜乃から人事に渡すと言われて、データを預けて、せめてその時点で気付けば良かったのに気付かなくて。
溜乃から、採用できるほどの実力じゃないっていう人事の評価だと言われて、その後溜乃にも振られて別れることになって、データも返して貰えなかったの。」
佑:「データ返してもらえないなんて、あり得ないですね!」
優媛:「そう、あのゲームは私のものなのに。
会社から返ってこないって言われて、しばらく経ったら溜乃と連絡取れなくなっちゃって。
騙されたって気付いたけどもうどうしようもなかったの。こんなこと他の人に知られたくないから相談も出来なかったし。
もうね、それでプツンと糸が切れちゃった。
これが第一段階。」
俺:「まだあるんですね。」
優媛:「うん。
私が考えたのは、そんな難しいゲームじゃなかったけど、4ヶ月後くらいにもう携帯用の無料ゲームでリリースされたの。
早すぎでしょ?
で、そのクオリティの低いこと!
そっちの方がめちゃくちゃ腹立ったんだ。それで余計ね…。
これが第二段階で落ちたやつ。」
アユタ:「そんなに早くできるものなのか?」
カケル:「多分、予定してたゲームがトラブルか何かで頓挫して、急遽代替えを用意したとかかな?
もしくは、試しにリリースしてみて反応を見るためとかかな?」
優媛:「多分何かしら理由があるんだろうけど、その配信されたゲームの評価がすごく悪くて、コメントも荒れてて…。
それがもう最悪に立ち直れなかった理由。」
自分が心を込めて、人生もかけて作り出した作品を、騙された上にそんな風に雑な扱いされたら、そりゃ、腹が立つを通り越して、ドン底に落ちてしまうかもしれないと、俺でも優媛さんの気持ちが分かった。
しばらくして大学のサークルOB会に参加して、溜乃っていう先輩と再会して付き合うことになったの。」
俺:「“カケルさん”ですか?」
優媛:「そう、下の名前がカケルっていうの。知ってる人?」
俺:「いえ、違うんです。名前だけアユタから聞いてたので。」
優媛:「そっか、知り合いじゃなくて良かった。
溜乃がね、私に自分の勤めてる会社に来ないか?って誘ってきたの。
溜乃の会社は誰もが知ってるような大手なんだけど、即戦力で正社員で働ける人探してて、私なら経験もバッチリだし、絶対受かるとか言って。
ただ人事の人が、実力を見たいから新しいゲームの企画とデモムービーを作ってほしいって言ってる、と言われたのね。
即戦力の募集だからと思って、なんの疑いも持ってなかったんだけど、結論から言うと、最初からそれが目的で私を騙して、自分のアイデアとして会社に提出したの。
私はこんなチャンス無いと思って、すっごく頑張って作ったやつだったのに。
モンリベルトeからも、実は正社員の話を言ってもらってたんだけど断って、デモムービーの作成のために退職までしたのに。
目の前にニンジンぶら下げられて、騙された私が悪いんだけどね。
溜乃から人事に渡すと言われて、データを預けて、せめてその時点で気付けば良かったのに気付かなくて。
溜乃から、採用できるほどの実力じゃないっていう人事の評価だと言われて、その後溜乃にも振られて別れることになって、データも返して貰えなかったの。」
佑:「データ返してもらえないなんて、あり得ないですね!」
優媛:「そう、あのゲームは私のものなのに。
会社から返ってこないって言われて、しばらく経ったら溜乃と連絡取れなくなっちゃって。
騙されたって気付いたけどもうどうしようもなかったの。こんなこと他の人に知られたくないから相談も出来なかったし。
もうね、それでプツンと糸が切れちゃった。
これが第一段階。」
俺:「まだあるんですね。」
優媛:「うん。
私が考えたのは、そんな難しいゲームじゃなかったけど、4ヶ月後くらいにもう携帯用の無料ゲームでリリースされたの。
早すぎでしょ?
で、そのクオリティの低いこと!
そっちの方がめちゃくちゃ腹立ったんだ。それで余計ね…。
これが第二段階で落ちたやつ。」
アユタ:「そんなに早くできるものなのか?」
カケル:「多分、予定してたゲームがトラブルか何かで頓挫して、急遽代替えを用意したとかかな?
もしくは、試しにリリースしてみて反応を見るためとかかな?」
優媛:「多分何かしら理由があるんだろうけど、その配信されたゲームの評価がすごく悪くて、コメントも荒れてて…。
それがもう最悪に立ち直れなかった理由。」
自分が心を込めて、人生もかけて作り出した作品を、騙された上にそんな風に雑な扱いされたら、そりゃ、腹が立つを通り越して、ドン底に落ちてしまうかもしれないと、俺でも優媛さんの気持ちが分かった。
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