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第35話
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『お待たせ致しました。
本日は当社の新作発表会にお越しくださいまして、誠に有難うございます。
皆さま、どうぞご着席をお願いいたします。』
と、アナウンスが入る。
会場の電気が落とされ、客席側は暗くなる。
大音量と共に、ステージ上の大きなスクリーンにゲームのプロモーションビデオが映し出される。
俺:「あ!やっぱり俺達がやった隠しゲームだ!」
アユタ:「オレ達が戦ってないキャラもいるけど、やっぱりそうだな。」
佑:「PVカッコいー!」
周りもザワザワしてて、PVの音量も大きいので、俺達が喋ってても目立たない。
俺達は緊張も解けて、テンションが上がる。
PVが終わると社長の挨拶だ。
『当社“モンリベルトe”の社長、懸琉 圭蔵 がご挨拶いたします。』
大きな拍手で社長が登壇する。
カケルって…あ!“カケルくん”のお父さんだ!
俺はびっくりした。
「皆さま、本日はご来場いただき、誠にありがとうございます。
時代はオンラインとなり、ゲームの発表会もオンラインで行うのが通常となって参りましたが、わざわざ会場までお越しいただくのには、それなりの理由があります。
まずはゲームのデモンストレーションをご覧ください。」
ステージのライトが少し落とされ、俺達の時と同じ装備をした人が登場する。
次にプレイヤーのアバターが3Dホログラムのような立体映像で出現する。
会場からは“オォ~”という驚きの声が漏れる。
BGMと共にスクリーンに
『敵の出現!
モクギュル』
と表示され、俺達が第一ステージで戦った“モクギュル”が同じく立体映像で出現する。
そして、デモンストレーターがバトルする。
俺達は隠しゲームの時、正面からしか見てないが、ステージ上では横から見てる。
それでも同じように立体的な映像なのですごい。
周りが驚く反応を見て、俺達はちょっとこそばゆい感覚を感じてた。
そして、デモンストレーションが終わると、クリエイターが3人登壇し、ゲームの説明をする。
「あ!」
3人揃ってクリエイターを見て驚く。
「受付の人…“カケルくん”だ!」
カケルくんじゃない人が話してるが、俺はその話は入ってこない。カケルくんしか見えてない。
しばらく説明があった後、カケルくんが話はじめる。
「このゲームは、私が小学5年生の時創作しました。敵のキャラクターの絵をノートに描いてたら、“友達”がそれを見て私に話かけます。
“ゲームってさ、テレビとか画面じゃなくて、立体映像とかにならないかな?”とか、“もし立体映像だったら、自分の体に衝撃あった方が、やられた~って感じ分かるから、いいかも!”とか言って盛り上がりました。
実は、このゲームは、体に衝撃を受けるバージョンもあります。ゲームの内容は多少子供っぽくても、衝撃があると恐怖とリアル感が増して、刺激を求める人の欲求も満たせるかと思います。
もちろん、小さい子には、衝撃の無いバージョンで安心してお楽しみください。」
カケルくんは、ほぼ俺の方を見て話している。
かなり鈍い俺でも、その“友達”は俺だと分かる。
9年前のカケルくんと話したことをすっかり忘れていてすごく申し訳ない気持ちになる。
本日は当社の新作発表会にお越しくださいまして、誠に有難うございます。
皆さま、どうぞご着席をお願いいたします。』
と、アナウンスが入る。
会場の電気が落とされ、客席側は暗くなる。
大音量と共に、ステージ上の大きなスクリーンにゲームのプロモーションビデオが映し出される。
俺:「あ!やっぱり俺達がやった隠しゲームだ!」
アユタ:「オレ達が戦ってないキャラもいるけど、やっぱりそうだな。」
佑:「PVカッコいー!」
周りもザワザワしてて、PVの音量も大きいので、俺達が喋ってても目立たない。
俺達は緊張も解けて、テンションが上がる。
PVが終わると社長の挨拶だ。
『当社“モンリベルトe”の社長、懸琉 圭蔵 がご挨拶いたします。』
大きな拍手で社長が登壇する。
カケルって…あ!“カケルくん”のお父さんだ!
俺はびっくりした。
「皆さま、本日はご来場いただき、誠にありがとうございます。
時代はオンラインとなり、ゲームの発表会もオンラインで行うのが通常となって参りましたが、わざわざ会場までお越しいただくのには、それなりの理由があります。
まずはゲームのデモンストレーションをご覧ください。」
ステージのライトが少し落とされ、俺達の時と同じ装備をした人が登場する。
次にプレイヤーのアバターが3Dホログラムのような立体映像で出現する。
会場からは“オォ~”という驚きの声が漏れる。
BGMと共にスクリーンに
『敵の出現!
モクギュル』
と表示され、俺達が第一ステージで戦った“モクギュル”が同じく立体映像で出現する。
そして、デモンストレーターがバトルする。
俺達は隠しゲームの時、正面からしか見てないが、ステージ上では横から見てる。
それでも同じように立体的な映像なのですごい。
周りが驚く反応を見て、俺達はちょっとこそばゆい感覚を感じてた。
そして、デモンストレーションが終わると、クリエイターが3人登壇し、ゲームの説明をする。
「あ!」
3人揃ってクリエイターを見て驚く。
「受付の人…“カケルくん”だ!」
カケルくんじゃない人が話してるが、俺はその話は入ってこない。カケルくんしか見えてない。
しばらく説明があった後、カケルくんが話はじめる。
「このゲームは、私が小学5年生の時創作しました。敵のキャラクターの絵をノートに描いてたら、“友達”がそれを見て私に話かけます。
“ゲームってさ、テレビとか画面じゃなくて、立体映像とかにならないかな?”とか、“もし立体映像だったら、自分の体に衝撃あった方が、やられた~って感じ分かるから、いいかも!”とか言って盛り上がりました。
実は、このゲームは、体に衝撃を受けるバージョンもあります。ゲームの内容は多少子供っぽくても、衝撃があると恐怖とリアル感が増して、刺激を求める人の欲求も満たせるかと思います。
もちろん、小さい子には、衝撃の無いバージョンで安心してお楽しみください。」
カケルくんは、ほぼ俺の方を見て話している。
かなり鈍い俺でも、その“友達”は俺だと分かる。
9年前のカケルくんと話したことをすっかり忘れていてすごく申し訳ない気持ちになる。
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