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第8話

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 朝5時、夏の朝は明るくなるのが早い。山の上の方なので、夏だけど朝は肌寒い。
 慣れないテントだったので、眠れたような眠れなかったような、微妙な感じでボーッと目覚める。
 他の2人はまだ寝てる。どこでも寝れるタイプなのか、羨ましい。

 しばらく1時間ほどそのままで携帯ゲームしながらモゾモゾしてると佑が起きる。
「おはよう。」
 目をこすりながらまだ眠そうに挨拶する。
「おはよう、ごめん起こした?まだ6時前だよ。寝てていいよ。」
「いや、オレ結構寝たから自分で起きた。昨日かなり疲れてたよ。体だる。」
「オレも。やっぱ体が慣れてないから疲れるな、テントで寝るの。」

「オレはまあまあ寝れたかな。で、今日さ、どうする?連泊にする?朝の気分で考えるって言ってたけど。」と佑。
「んー、今日のゲームでどれくらい疲れるかな?中級コースの標準は2時間で、隠しコマンドでどうなるか…。トータル3時間くらいとすると、9時スタートで12時か。
 チェックアウトは11時だから、やっぱ決めてからやらないとな。」

「よく考えたら、レンタカーも延長料いるよな。それから、お前らバイトは?」
 アユタも起きた。

 俺:「バイトは明日の夜7時から。」
 佑:「オレも7時からだ、同じ。」
 アユタ:「オレ6時。ちょっとだけ早い。」

 俺:「チェックアウトするのが8時だったとして、寄り道しないで帰ったら最速5時間でレンタカーの店に着くのは午後1時。その前に荷物下ろすのに家寄って、お昼ごはんとトイレ休憩入れたら実際にレンタカーの店に着くのは2時か。家に帰って3時。」
 佑:「行けなくはない。」

 アユタ:「…いや、今回はやっぱゲームだけにしよ。」
 俺:「そだな。一気にやり過ぎてもな。次回の楽しみにしよっか。」
 佑:「だな。」
 一晩悩んで、結局予定通り一泊で帰ることにした。

 朝7時までテントの中でまったりし、7時を過ぎたら朝食の準備をする。

 俺:「カセットコンロ使って、何作るんだ?」
 アユタ:「ホットサンドにしようと思うけど、いいかな?」
 佑:「へー、ホットサンド?ホットサンドって、電気じゃないの?」
 アユタ:「ちゃんとカセットコンロで使えるやつ持ってきた。」
 俺:「具は何にする?」

 アユタ:「コンビニで買った茹で卵と、焼き鳥の缶詰と、サラダチキンと、スライスチーズと、トマトと、昨日の残りのサンチュあるけど、何入れる?」

 俺:「全部入れはアリ?」
 アユタ:「いいよ。そう言うと思って具沢山でも使える用のにしたから。盛り盛りだけど頑張ってみるよ。」
 佑:「じゃあオレも全部入れ!」

 アユタは本当に盛り盛りのホットサンドを上手く挟んで焼いてくれる。
 その後お湯を沸かしてコーヒーを淹れる。

 見た目はすごくイイ!
 匂いもすごく食欲を誘う。

「いっただっきまーっす!」

 順番に焼いたから少し時間はかかったが、まだ温かいホットサンドに大きな口でかぶりつく。
「うんまーい!」
 口から焼き鳥のタレとトマトが溢れるが、めちゃくちゃ美味しくて一気に平らげる。

「まだ食べたい。」と俺が言うと、
「今度は甘いやつ。」
とアユタが言って、パンにバターをたっぷり塗って焼き、焼き上がったらハチミツをかけてくれた。

「普通にハニートーストだけど。」

 それもまた味変で美味しい。今度は甘旨あまうま

 カセットコンロのおかげで、片付けはすごく楽だ。
 ありがとう、カセットコンロ!
 ありがとう、アユタ!

 すっかりお腹も満たされて、俺達はご機嫌だ。
 気分もどんどん上がってくる。

 俺:「よし!MVP目指して頑張るか!」

「おー!」

 皆で気合いを入れる。
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