4 / 41
第4話
しおりを挟む
アパートに帰ってみたが、どうやら母ちゃんが来た気配はない。
何かあった時のために麻智のアパートの合鍵は渡しているが、誰も入った形跡は無かった。
でもさっき送ったメッセージを確認したら“既読”が付いている!
もう一度母ちゃんの携帯に電話をかけてみる。
今度はトゥルルルルとコールが鳴った。
しつこいというくらい鳴らし続けると、母ちゃんが電話に出た。
「もしもし!母ちゃん⁉︎」
「もしもし麻智、どうしたの?」
「どうしたのやないっちゃ!良かった!母ちゃん元気?大丈夫?今どこ?」
「…ごめん麻智、もしかしてお父ちゃんから色々聞いちゃったのかな?」
「うん、聞いた。私は母ちゃんの味方やけえね。で、今東京?私も東京のアパートにおるけえ、アパートまで来てよ。ちゃんと話聞くからさ。」
「ごめん麻智、私は大丈夫やけえ、しばらく放っておいて欲しいんよ。もう少し時間経ったらまた連絡するけえ、それまで待って。」
「分かった。でも、早く連絡してね!それから、ちゃんと私の電話には出て!」
「ごめん、お父ちゃんからも連絡来るから電話切っとるんよ。やけえ、しばらく麻智にも連絡できんけえね、ごめんね。」
そう言って母ちゃんは電話を切った。
まだ話したいことあったのに!と、麻智はまた電話をかけたが、今度はまた”電波の届かない…“に切り替わっていた。
***
麻智が東京に戻った次の日、三牙から電話がかかってきた。
それまであった出来事を話し、母ちゃんと電話で話した事を伝えたら、麻智の仕事の事や三牙の大学の研究もあるし、ゴタゴタして会えなくなると色々心配だし、何より寂しいから、しばらく2人でアパートで一緒にいようか、ということになった。
そして母ちゃんが見つかるまで一緒に暮らす事にした。
ドキドキの同棲生活が始まるのだけど、そんな気分に浸れないのが悲しい。
三牙がアパートに来て、麻智が東京に戻った後の話をする。
「父ちゃんさ、ちょっと話にくかったのか、私に話してない事あったんよ。
こっちに戻ってきてから電話でまた話したら、ポロッと白状したんやけど、実はホテルの会計するとき、財布のお金が減ってたみたいんやって。
父ちゃんは一応社長だし、若い子に払わせるのもどうかなと思って、いつもより多めにお金を入れちょったはずやのに、ほとんど残っとらんかったんやって。
ホテルの代金と家に帰るタクシー代はあったから良かったけど、その分残して盗られたみたい。」
「え、いくらぐらい?」
「多分、10万円くらいだって。」
「何で警察に言わなかったんかな?」
「複雑な気持ちだったけど、女の子がかわいそうだと思ったって。多分、結婚詐欺に遭ってお金がなかったからだろうって。」
「それはお人好し過ぎやない?ていうか、騙されたんやないん?結婚詐欺の話だって本当かどうか…。
なんか、怖っ。」
「そーなんよ!人の善意につけ込んでから!」
「麻智の母ちゃんにはその話してたんかな?」
「うん、母ちゃんにはバレてて、ほぼそれがケンカの1番の原因かもって。でも私には格好悪くて言い出しにくかったって。私にまで、お金を払って女の子と関係を持ったって、誤解されたくなかったからって。」
「そっか…。確かにそう思うね。でも、お金を盗られても盗られてなくても、関係は疑うよなー。
あんまり麻智の父ちゃんを悪く言いたくはないけど、それはそれ。」
「ねー。確かに。」
「で、麻智の父ちゃんと島丘さんて、その子達とは連絡取れないんかな?」
「うん、島丘さんと母ちゃんが話した時も言ってたけど、東京の女の子2人はこっちから連絡しても返事ないって。
で、しばらくしたらSNSのアカウントも削除されたし、ゲーム内でもギルドを抜けたので分からないみたいなんだって。
私達で探して分かるわけないよね?素人だし…でも、ダメ元で探してみよっかな?」
「…東京の女の子ねえ…。」
「どうかした?」
「いや、何でない。あ、ホテルの領収書は?」
「それは母ちゃんが持って行ってしまってる。父ちゃんは全然覚えてないって。」
島丘さんの話では、東京の2人はSNSでは繋がっていたが、リアルの友達ではないらしい。山口に来る事になって連絡を取り合い、待ち合わせをして同じ新幹線で来たのだが、会うのはその時が初めてだったみたいだ。
それだって、父ちゃんが話してたのと違うと思った。“友達がどうしても山口に行きたいって言ってるから”と、結婚詐欺の彼に話したと、父ちゃんは言ってた。
父ちゃんと一緒にホテルで泊まった子じゃない方の[まいうい]は、
六本木のあたりでいつも飲んだりしてるらしく、別のオフ会にも何度か行ってるって話をしてたそうだ。
ーここから攻めていけそうかな…?
問題の[みけりす]は、オフ会の間はちょっと避けられてる感じで、ほとんど話しなかったそうだ。
もし結婚詐欺の話が本当なら、それどころではない気分だったのだろうけど…。
まあそもそも父ちゃんは自分の話をするのは大好きだが、あまり人の話を聞かない。
そして、あまり興味がない人の話は覚えていないので、話したところで…という感じでもある。
父ちゃんの社長としての立場もあり、父ちゃんと母ちゃんの事を島丘さんが気にすると困るので、島丘さんにも当たり障り無い程度にしか聞くわけにはいかない。
それと、2人は頻繁にアカウントやハンドルネームを変えているとのことだった。
ほぼ望みないくらいか…。情報はかなり少ないが、やってみるか!
***
麻智はゲームは全くダメなので、三牙にしてもらうことにした。
三牙はゲーム大好き人間なので、純粋にゲームを楽しんでる。
そもそもは麻智の家族の問題だし。
麻智はオフ会の計画を立てることにした。オフ会がどんな感じなのか知りたいと思ったからだ。そしてあわよくば何か情報が得られないか、もしくは本人に出会えないかという期待もあった。
麻智はゲームはできないが、大学時代に飲み会ならやってきた。
コンパみたい?
女子狙いだけど。
ゲームサークルの飲み会だと思えば大丈夫でしょ!
果てしなくいるプレイヤーの中で、すぐに出会えるとは思えないが、SNSで募集する。
開催までの期間がすごく短いからか、全然集まらない。
三牙には、この人だろうか?と思う人と個別にチャットでコンタクトを取ってみるが、一人一人仲良くなっていくのはとても難しい気がした。
時間がかかる…。
やり取りも結局三牙がほとんどしていたが、なんとか目ぼしい人に絞り、少人数だけどオフ会を開くまでたどり着いた。
まあ人数が増え過ぎても逆に困るので、ビギナーには少ないくらいが丁度いいかなと思った。
最初は三牙が行くと想定していたので、酔って他の参加者と仲良くなりすぎるのも嫌だし、お酒色が強くないお店にしようかと思っていたが、他のメンバーと協議して、やっぱり居酒屋が一番気軽でいいということになった。
まあ結局のところ、居酒屋なら周りもそんなに気にならないから、私が近くで誰かと一緒にオフ会の様子を見ていても大丈夫だろうと思った。
なのに予定外に、三牙の研究がトラブってしまう。
もちろんオフ会の日程はもう変更出来ない。
仕方なく麻智だけが行くことになった。
不安はいっぱいだったし、[みけりす]も[まいうい]も多分いなかったみたいだけど、楽しい時間を過ごせた。
だけどやっぱり話についていけないことがほとんどで、聞いてるだけで精一杯。
“結婚詐欺女”の情報が奇跡だと思えるくらいの成果で、ほとんど意味無しだった。
何かあった時のために麻智のアパートの合鍵は渡しているが、誰も入った形跡は無かった。
でもさっき送ったメッセージを確認したら“既読”が付いている!
もう一度母ちゃんの携帯に電話をかけてみる。
今度はトゥルルルルとコールが鳴った。
しつこいというくらい鳴らし続けると、母ちゃんが電話に出た。
「もしもし!母ちゃん⁉︎」
「もしもし麻智、どうしたの?」
「どうしたのやないっちゃ!良かった!母ちゃん元気?大丈夫?今どこ?」
「…ごめん麻智、もしかしてお父ちゃんから色々聞いちゃったのかな?」
「うん、聞いた。私は母ちゃんの味方やけえね。で、今東京?私も東京のアパートにおるけえ、アパートまで来てよ。ちゃんと話聞くからさ。」
「ごめん麻智、私は大丈夫やけえ、しばらく放っておいて欲しいんよ。もう少し時間経ったらまた連絡するけえ、それまで待って。」
「分かった。でも、早く連絡してね!それから、ちゃんと私の電話には出て!」
「ごめん、お父ちゃんからも連絡来るから電話切っとるんよ。やけえ、しばらく麻智にも連絡できんけえね、ごめんね。」
そう言って母ちゃんは電話を切った。
まだ話したいことあったのに!と、麻智はまた電話をかけたが、今度はまた”電波の届かない…“に切り替わっていた。
***
麻智が東京に戻った次の日、三牙から電話がかかってきた。
それまであった出来事を話し、母ちゃんと電話で話した事を伝えたら、麻智の仕事の事や三牙の大学の研究もあるし、ゴタゴタして会えなくなると色々心配だし、何より寂しいから、しばらく2人でアパートで一緒にいようか、ということになった。
そして母ちゃんが見つかるまで一緒に暮らす事にした。
ドキドキの同棲生活が始まるのだけど、そんな気分に浸れないのが悲しい。
三牙がアパートに来て、麻智が東京に戻った後の話をする。
「父ちゃんさ、ちょっと話にくかったのか、私に話してない事あったんよ。
こっちに戻ってきてから電話でまた話したら、ポロッと白状したんやけど、実はホテルの会計するとき、財布のお金が減ってたみたいんやって。
父ちゃんは一応社長だし、若い子に払わせるのもどうかなと思って、いつもより多めにお金を入れちょったはずやのに、ほとんど残っとらんかったんやって。
ホテルの代金と家に帰るタクシー代はあったから良かったけど、その分残して盗られたみたい。」
「え、いくらぐらい?」
「多分、10万円くらいだって。」
「何で警察に言わなかったんかな?」
「複雑な気持ちだったけど、女の子がかわいそうだと思ったって。多分、結婚詐欺に遭ってお金がなかったからだろうって。」
「それはお人好し過ぎやない?ていうか、騙されたんやないん?結婚詐欺の話だって本当かどうか…。
なんか、怖っ。」
「そーなんよ!人の善意につけ込んでから!」
「麻智の母ちゃんにはその話してたんかな?」
「うん、母ちゃんにはバレてて、ほぼそれがケンカの1番の原因かもって。でも私には格好悪くて言い出しにくかったって。私にまで、お金を払って女の子と関係を持ったって、誤解されたくなかったからって。」
「そっか…。確かにそう思うね。でも、お金を盗られても盗られてなくても、関係は疑うよなー。
あんまり麻智の父ちゃんを悪く言いたくはないけど、それはそれ。」
「ねー。確かに。」
「で、麻智の父ちゃんと島丘さんて、その子達とは連絡取れないんかな?」
「うん、島丘さんと母ちゃんが話した時も言ってたけど、東京の女の子2人はこっちから連絡しても返事ないって。
で、しばらくしたらSNSのアカウントも削除されたし、ゲーム内でもギルドを抜けたので分からないみたいなんだって。
私達で探して分かるわけないよね?素人だし…でも、ダメ元で探してみよっかな?」
「…東京の女の子ねえ…。」
「どうかした?」
「いや、何でない。あ、ホテルの領収書は?」
「それは母ちゃんが持って行ってしまってる。父ちゃんは全然覚えてないって。」
島丘さんの話では、東京の2人はSNSでは繋がっていたが、リアルの友達ではないらしい。山口に来る事になって連絡を取り合い、待ち合わせをして同じ新幹線で来たのだが、会うのはその時が初めてだったみたいだ。
それだって、父ちゃんが話してたのと違うと思った。“友達がどうしても山口に行きたいって言ってるから”と、結婚詐欺の彼に話したと、父ちゃんは言ってた。
父ちゃんと一緒にホテルで泊まった子じゃない方の[まいうい]は、
六本木のあたりでいつも飲んだりしてるらしく、別のオフ会にも何度か行ってるって話をしてたそうだ。
ーここから攻めていけそうかな…?
問題の[みけりす]は、オフ会の間はちょっと避けられてる感じで、ほとんど話しなかったそうだ。
もし結婚詐欺の話が本当なら、それどころではない気分だったのだろうけど…。
まあそもそも父ちゃんは自分の話をするのは大好きだが、あまり人の話を聞かない。
そして、あまり興味がない人の話は覚えていないので、話したところで…という感じでもある。
父ちゃんの社長としての立場もあり、父ちゃんと母ちゃんの事を島丘さんが気にすると困るので、島丘さんにも当たり障り無い程度にしか聞くわけにはいかない。
それと、2人は頻繁にアカウントやハンドルネームを変えているとのことだった。
ほぼ望みないくらいか…。情報はかなり少ないが、やってみるか!
***
麻智はゲームは全くダメなので、三牙にしてもらうことにした。
三牙はゲーム大好き人間なので、純粋にゲームを楽しんでる。
そもそもは麻智の家族の問題だし。
麻智はオフ会の計画を立てることにした。オフ会がどんな感じなのか知りたいと思ったからだ。そしてあわよくば何か情報が得られないか、もしくは本人に出会えないかという期待もあった。
麻智はゲームはできないが、大学時代に飲み会ならやってきた。
コンパみたい?
女子狙いだけど。
ゲームサークルの飲み会だと思えば大丈夫でしょ!
果てしなくいるプレイヤーの中で、すぐに出会えるとは思えないが、SNSで募集する。
開催までの期間がすごく短いからか、全然集まらない。
三牙には、この人だろうか?と思う人と個別にチャットでコンタクトを取ってみるが、一人一人仲良くなっていくのはとても難しい気がした。
時間がかかる…。
やり取りも結局三牙がほとんどしていたが、なんとか目ぼしい人に絞り、少人数だけどオフ会を開くまでたどり着いた。
まあ人数が増え過ぎても逆に困るので、ビギナーには少ないくらいが丁度いいかなと思った。
最初は三牙が行くと想定していたので、酔って他の参加者と仲良くなりすぎるのも嫌だし、お酒色が強くないお店にしようかと思っていたが、他のメンバーと協議して、やっぱり居酒屋が一番気軽でいいということになった。
まあ結局のところ、居酒屋なら周りもそんなに気にならないから、私が近くで誰かと一緒にオフ会の様子を見ていても大丈夫だろうと思った。
なのに予定外に、三牙の研究がトラブってしまう。
もちろんオフ会の日程はもう変更出来ない。
仕方なく麻智だけが行くことになった。
不安はいっぱいだったし、[みけりす]も[まいうい]も多分いなかったみたいだけど、楽しい時間を過ごせた。
だけどやっぱり話についていけないことがほとんどで、聞いてるだけで精一杯。
“結婚詐欺女”の情報が奇跡だと思えるくらいの成果で、ほとんど意味無しだった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
【キャラ文芸大賞 奨励賞】壊れたアンドロイドの独り言
蒼衣ユイ/広瀬由衣
キャラ文芸
若手イケメンエンジニア漆原朔也を目当てにインターンを始めた美咲。
目論見通り漆原に出会うも性格の悪さに愕然とする。
そんなある日、壊れたアンドロイドを拾い漆原と持ち主探しをすることになった。
これが美咲の家族に大きな変化をもたらすことになる。
壊れたアンドロイドが家族を繋ぐSFミステリー。
illust 匣乃シュリ様(Twitter @hakonoshuri)
もしもしお時間いいですか?
ベアりんぐ
ライト文芸
日常の中に漠然とした不安を抱えていた中学1年の智樹は、誰か知らない人との繋がりを求めて、深夜に知らない番号へと電話をしていた……そんな中、繋がった同い年の少女ハルと毎日通話をしていると、ハルがある提案をした……。
2人の繋がりの中にある感情を、1人の視点から紡いでいく物語の果てに、一体彼らは何をみるのか。彼らの想いはどこへ向かっていくのか。彼の数年間を、見えないレールに乗せて——。
※こちらカクヨム、小説家になろう、Nola、PageMekuでも掲載しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
きみと最初で最後の奇妙な共同生活
美和優希
ライト文芸
クラスメイトで男友達の健太郎を亡くした数日後。中学二年生の千夏が自室の姿見を見ると、自分自身の姿でなく健太郎の姿が鏡に映っていることに気づく。
どうやら、どういうわけか健太郎の魂が千夏の身体に入り込んでしまっているようだった。
この日から千夏は千夏の身体を通して、健太郎と奇妙な共同生活を送ることになるが、苦労も生じる反面、健太郎と過ごすにつれてお互いに今まで気づかなかった大切なものに気づいていって……。
旧タイトル:『きみと過ごした最後の時間』
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。
※初回公開・完結*2016.08.07(他サイト)
*表紙画像は写真AC(makieni様)のフリー素材に文字入れをして使わせていただいてます。
Rotkäppchen und Wolf
しんぐぅじ
ライト文芸
世界から消えようとした少女はお人好しなイケメン達出会った。
人は簡単には変われない…
でもあなた達がいれば変われるかな…
根暗赤ずきんを変えるイケメン狼達とちょっと不思議な物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
心の落とし物
緋色刹那
ライト文芸
・完結済み(2024/10/12)。また書きたくなったら、番外編として投稿するかも
・第4回、第5回ライト文芸大賞にて奨励賞をいただきました!!✌︎('ω'✌︎ )✌︎('ω'✌︎ )
〈本作の楽しみ方〉
本作は読む喫茶店です。順に読んでもいいし、興味を持ったタイトルや季節から読んでもオッケーです。
知らない人、知らない設定が出てきて不安になるかもしれませんが、喫茶店の常連さんのようなものなので、雰囲気を楽しんでください(一応説明↓)。
〈あらすじ〉
〈心の落とし物〉はありませんか?
どこかに失くした物、ずっと探している人、過去の後悔、忘れていた夢。
あなたは忘れているつもりでも、心があなたの代わりに探し続けているかもしれません……。
喫茶店LAMP(ランプ)の店長、添野由良(そえのゆら)は、人の未練が具現化した幻〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉と、それを探す生き霊〈探し人(さがしびと)〉に気づきやすい体質。
ある夏の日、由良は店の前を何度も通る男性に目を止め、声をかける。男性は数年前に移転した古本屋を探していて……。
懐かしくも切ない、過去の未練に魅せられる。
〈主人公と作中用語〉
・添野由良(そえのゆら)
洋燈町にある喫茶店LAMP(ランプ)の店長。〈心の落とし物〉や〈探し人〉に気づきやすい体質。
・〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉
人の未練が具現化した幻。あるいは、未練そのもの。
・〈探し人(さがしびと)〉
〈心の落とし物〉を探す生き霊で、落とし主。当人に代わって、〈心の落とし物〉を探している。
・〈未練溜まり(みれんだまり)〉
忘れられた〈心の落とし物〉が行き着く場所。
・〈分け御霊(わけみたま)〉
生者の後悔や未練が物に宿り、具現化した者。込められた念が強ければ強いほど、人のように自由意志を持つ。いわゆる付喪神に近い。
狗神巡礼ものがたり
唄うたい
ライト文芸
「早苗さん、これだけは信じていて。
俺達は“何があっても貴女を護る”。」
ーーー
「犬居家」は先祖代々続く風習として
守り神である「狗神様」に
十年に一度、生贄を献げてきました。
犬居家の血を引きながら
女中として冷遇されていた娘・早苗は、
本家の娘の身代わりとして
狗神様への生贄に選ばれます。
早苗の前に現れた山犬の神使・仁雷と義嵐は、
生贄の試練として、
三つの聖地を巡礼するよう命じます。
早苗は神使達に導かれるまま、
狗神様の守る広い山々を巡る
旅に出ることとなりました。
●他サイトでも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる