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第4話
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アパートに帰ってみたが、どうやら母ちゃんが来た気配はない。
何かあった時のために麻智のアパートの合鍵は渡しているが、誰も入った形跡は無かった。
でもさっき送ったメッセージを確認したら“既読”が付いている!
もう一度母ちゃんの携帯に電話をかけてみる。
今度はトゥルルルルとコールが鳴った。
しつこいというくらい鳴らし続けると、母ちゃんが電話に出た。
「もしもし!母ちゃん⁉︎」
「もしもし麻智、どうしたの?」
「どうしたのやないっちゃ!良かった!母ちゃん元気?大丈夫?今どこ?」
「…ごめん麻智、もしかしてお父ちゃんから色々聞いちゃったのかな?」
「うん、聞いた。私は母ちゃんの味方やけえね。で、今東京?私も東京のアパートにおるけえ、アパートまで来てよ。ちゃんと話聞くからさ。」
「ごめん麻智、私は大丈夫やけえ、しばらく放っておいて欲しいんよ。もう少し時間経ったらまた連絡するけえ、それまで待って。」
「分かった。でも、早く連絡してね!それから、ちゃんと私の電話には出て!」
「ごめん、お父ちゃんからも連絡来るから電話切っとるんよ。やけえ、しばらく麻智にも連絡できんけえね、ごめんね。」
そう言って母ちゃんは電話を切った。
まだ話したいことあったのに!と、麻智はまた電話をかけたが、今度はまた”電波の届かない…“に切り替わっていた。
***
麻智が東京に戻った次の日、三牙から電話がかかってきた。
それまであった出来事を話し、母ちゃんと電話で話した事を伝えたら、麻智の仕事の事や三牙の大学の研究もあるし、ゴタゴタして会えなくなると色々心配だし、何より寂しいから、しばらく2人でアパートで一緒にいようか、ということになった。
そして母ちゃんが見つかるまで一緒に暮らす事にした。
ドキドキの同棲生活が始まるのだけど、そんな気分に浸れないのが悲しい。
三牙がアパートに来て、麻智が東京に戻った後の話をする。
「父ちゃんさ、ちょっと話にくかったのか、私に話してない事あったんよ。
こっちに戻ってきてから電話でまた話したら、ポロッと白状したんやけど、実はホテルの会計するとき、財布のお金が減ってたみたいんやって。
父ちゃんは一応社長だし、若い子に払わせるのもどうかなと思って、いつもより多めにお金を入れちょったはずやのに、ほとんど残っとらんかったんやって。
ホテルの代金と家に帰るタクシー代はあったから良かったけど、その分残して盗られたみたい。」
「え、いくらぐらい?」
「多分、10万円くらいだって。」
「何で警察に言わなかったんかな?」
「複雑な気持ちだったけど、女の子がかわいそうだと思ったって。多分、結婚詐欺に遭ってお金がなかったからだろうって。」
「それはお人好し過ぎやない?ていうか、騙されたんやないん?結婚詐欺の話だって本当かどうか…。
なんか、怖っ。」
「そーなんよ!人の善意につけ込んでから!」
「麻智の母ちゃんにはその話してたんかな?」
「うん、母ちゃんにはバレてて、ほぼそれがケンカの1番の原因かもって。でも私には格好悪くて言い出しにくかったって。私にまで、お金を払って女の子と関係を持ったって、誤解されたくなかったからって。」
「そっか…。確かにそう思うね。でも、お金を盗られても盗られてなくても、関係は疑うよなー。
あんまり麻智の父ちゃんを悪く言いたくはないけど、それはそれ。」
「ねー。確かに。」
「で、麻智の父ちゃんと島丘さんて、その子達とは連絡取れないんかな?」
「うん、島丘さんと母ちゃんが話した時も言ってたけど、東京の女の子2人はこっちから連絡しても返事ないって。
で、しばらくしたらSNSのアカウントも削除されたし、ゲーム内でもギルドを抜けたので分からないみたいなんだって。
私達で探して分かるわけないよね?素人だし…でも、ダメ元で探してみよっかな?」
「…東京の女の子ねえ…。」
「どうかした?」
「いや、何でない。あ、ホテルの領収書は?」
「それは母ちゃんが持って行ってしまってる。父ちゃんは全然覚えてないって。」
島丘さんの話では、東京の2人はSNSでは繋がっていたが、リアルの友達ではないらしい。山口に来る事になって連絡を取り合い、待ち合わせをして同じ新幹線で来たのだが、会うのはその時が初めてだったみたいだ。
それだって、父ちゃんが話してたのと違うと思った。“友達がどうしても山口に行きたいって言ってるから”と、結婚詐欺の彼に話したと、父ちゃんは言ってた。
父ちゃんと一緒にホテルで泊まった子じゃない方の[まいうい]は、
六本木のあたりでいつも飲んだりしてるらしく、別のオフ会にも何度か行ってるって話をしてたそうだ。
ーここから攻めていけそうかな…?
問題の[みけりす]は、オフ会の間はちょっと避けられてる感じで、ほとんど話しなかったそうだ。
もし結婚詐欺の話が本当なら、それどころではない気分だったのだろうけど…。
まあそもそも父ちゃんは自分の話をするのは大好きだが、あまり人の話を聞かない。
そして、あまり興味がない人の話は覚えていないので、話したところで…という感じでもある。
父ちゃんの社長としての立場もあり、父ちゃんと母ちゃんの事を島丘さんが気にすると困るので、島丘さんにも当たり障り無い程度にしか聞くわけにはいかない。
それと、2人は頻繁にアカウントやハンドルネームを変えているとのことだった。
ほぼ望みないくらいか…。情報はかなり少ないが、やってみるか!
***
麻智はゲームは全くダメなので、三牙にしてもらうことにした。
三牙はゲーム大好き人間なので、純粋にゲームを楽しんでる。
そもそもは麻智の家族の問題だし。
麻智はオフ会の計画を立てることにした。オフ会がどんな感じなのか知りたいと思ったからだ。そしてあわよくば何か情報が得られないか、もしくは本人に出会えないかという期待もあった。
麻智はゲームはできないが、大学時代に飲み会ならやってきた。
コンパみたい?
女子狙いだけど。
ゲームサークルの飲み会だと思えば大丈夫でしょ!
果てしなくいるプレイヤーの中で、すぐに出会えるとは思えないが、SNSで募集する。
開催までの期間がすごく短いからか、全然集まらない。
三牙には、この人だろうか?と思う人と個別にチャットでコンタクトを取ってみるが、一人一人仲良くなっていくのはとても難しい気がした。
時間がかかる…。
やり取りも結局三牙がほとんどしていたが、なんとか目ぼしい人に絞り、少人数だけどオフ会を開くまでたどり着いた。
まあ人数が増え過ぎても逆に困るので、ビギナーには少ないくらいが丁度いいかなと思った。
最初は三牙が行くと想定していたので、酔って他の参加者と仲良くなりすぎるのも嫌だし、お酒色が強くないお店にしようかと思っていたが、他のメンバーと協議して、やっぱり居酒屋が一番気軽でいいということになった。
まあ結局のところ、居酒屋なら周りもそんなに気にならないから、私が近くで誰かと一緒にオフ会の様子を見ていても大丈夫だろうと思った。
なのに予定外に、三牙の研究がトラブってしまう。
もちろんオフ会の日程はもう変更出来ない。
仕方なく麻智だけが行くことになった。
不安はいっぱいだったし、[みけりす]も[まいうい]も多分いなかったみたいだけど、楽しい時間を過ごせた。
だけどやっぱり話についていけないことがほとんどで、聞いてるだけで精一杯。
“結婚詐欺女”の情報が奇跡だと思えるくらいの成果で、ほとんど意味無しだった。
何かあった時のために麻智のアパートの合鍵は渡しているが、誰も入った形跡は無かった。
でもさっき送ったメッセージを確認したら“既読”が付いている!
もう一度母ちゃんの携帯に電話をかけてみる。
今度はトゥルルルルとコールが鳴った。
しつこいというくらい鳴らし続けると、母ちゃんが電話に出た。
「もしもし!母ちゃん⁉︎」
「もしもし麻智、どうしたの?」
「どうしたのやないっちゃ!良かった!母ちゃん元気?大丈夫?今どこ?」
「…ごめん麻智、もしかしてお父ちゃんから色々聞いちゃったのかな?」
「うん、聞いた。私は母ちゃんの味方やけえね。で、今東京?私も東京のアパートにおるけえ、アパートまで来てよ。ちゃんと話聞くからさ。」
「ごめん麻智、私は大丈夫やけえ、しばらく放っておいて欲しいんよ。もう少し時間経ったらまた連絡するけえ、それまで待って。」
「分かった。でも、早く連絡してね!それから、ちゃんと私の電話には出て!」
「ごめん、お父ちゃんからも連絡来るから電話切っとるんよ。やけえ、しばらく麻智にも連絡できんけえね、ごめんね。」
そう言って母ちゃんは電話を切った。
まだ話したいことあったのに!と、麻智はまた電話をかけたが、今度はまた”電波の届かない…“に切り替わっていた。
***
麻智が東京に戻った次の日、三牙から電話がかかってきた。
それまであった出来事を話し、母ちゃんと電話で話した事を伝えたら、麻智の仕事の事や三牙の大学の研究もあるし、ゴタゴタして会えなくなると色々心配だし、何より寂しいから、しばらく2人でアパートで一緒にいようか、ということになった。
そして母ちゃんが見つかるまで一緒に暮らす事にした。
ドキドキの同棲生活が始まるのだけど、そんな気分に浸れないのが悲しい。
三牙がアパートに来て、麻智が東京に戻った後の話をする。
「父ちゃんさ、ちょっと話にくかったのか、私に話してない事あったんよ。
こっちに戻ってきてから電話でまた話したら、ポロッと白状したんやけど、実はホテルの会計するとき、財布のお金が減ってたみたいんやって。
父ちゃんは一応社長だし、若い子に払わせるのもどうかなと思って、いつもより多めにお金を入れちょったはずやのに、ほとんど残っとらんかったんやって。
ホテルの代金と家に帰るタクシー代はあったから良かったけど、その分残して盗られたみたい。」
「え、いくらぐらい?」
「多分、10万円くらいだって。」
「何で警察に言わなかったんかな?」
「複雑な気持ちだったけど、女の子がかわいそうだと思ったって。多分、結婚詐欺に遭ってお金がなかったからだろうって。」
「それはお人好し過ぎやない?ていうか、騙されたんやないん?結婚詐欺の話だって本当かどうか…。
なんか、怖っ。」
「そーなんよ!人の善意につけ込んでから!」
「麻智の母ちゃんにはその話してたんかな?」
「うん、母ちゃんにはバレてて、ほぼそれがケンカの1番の原因かもって。でも私には格好悪くて言い出しにくかったって。私にまで、お金を払って女の子と関係を持ったって、誤解されたくなかったからって。」
「そっか…。確かにそう思うね。でも、お金を盗られても盗られてなくても、関係は疑うよなー。
あんまり麻智の父ちゃんを悪く言いたくはないけど、それはそれ。」
「ねー。確かに。」
「で、麻智の父ちゃんと島丘さんて、その子達とは連絡取れないんかな?」
「うん、島丘さんと母ちゃんが話した時も言ってたけど、東京の女の子2人はこっちから連絡しても返事ないって。
で、しばらくしたらSNSのアカウントも削除されたし、ゲーム内でもギルドを抜けたので分からないみたいなんだって。
私達で探して分かるわけないよね?素人だし…でも、ダメ元で探してみよっかな?」
「…東京の女の子ねえ…。」
「どうかした?」
「いや、何でない。あ、ホテルの領収書は?」
「それは母ちゃんが持って行ってしまってる。父ちゃんは全然覚えてないって。」
島丘さんの話では、東京の2人はSNSでは繋がっていたが、リアルの友達ではないらしい。山口に来る事になって連絡を取り合い、待ち合わせをして同じ新幹線で来たのだが、会うのはその時が初めてだったみたいだ。
それだって、父ちゃんが話してたのと違うと思った。“友達がどうしても山口に行きたいって言ってるから”と、結婚詐欺の彼に話したと、父ちゃんは言ってた。
父ちゃんと一緒にホテルで泊まった子じゃない方の[まいうい]は、
六本木のあたりでいつも飲んだりしてるらしく、別のオフ会にも何度か行ってるって話をしてたそうだ。
ーここから攻めていけそうかな…?
問題の[みけりす]は、オフ会の間はちょっと避けられてる感じで、ほとんど話しなかったそうだ。
もし結婚詐欺の話が本当なら、それどころではない気分だったのだろうけど…。
まあそもそも父ちゃんは自分の話をするのは大好きだが、あまり人の話を聞かない。
そして、あまり興味がない人の話は覚えていないので、話したところで…という感じでもある。
父ちゃんの社長としての立場もあり、父ちゃんと母ちゃんの事を島丘さんが気にすると困るので、島丘さんにも当たり障り無い程度にしか聞くわけにはいかない。
それと、2人は頻繁にアカウントやハンドルネームを変えているとのことだった。
ほぼ望みないくらいか…。情報はかなり少ないが、やってみるか!
***
麻智はゲームは全くダメなので、三牙にしてもらうことにした。
三牙はゲーム大好き人間なので、純粋にゲームを楽しんでる。
そもそもは麻智の家族の問題だし。
麻智はオフ会の計画を立てることにした。オフ会がどんな感じなのか知りたいと思ったからだ。そしてあわよくば何か情報が得られないか、もしくは本人に出会えないかという期待もあった。
麻智はゲームはできないが、大学時代に飲み会ならやってきた。
コンパみたい?
女子狙いだけど。
ゲームサークルの飲み会だと思えば大丈夫でしょ!
果てしなくいるプレイヤーの中で、すぐに出会えるとは思えないが、SNSで募集する。
開催までの期間がすごく短いからか、全然集まらない。
三牙には、この人だろうか?と思う人と個別にチャットでコンタクトを取ってみるが、一人一人仲良くなっていくのはとても難しい気がした。
時間がかかる…。
やり取りも結局三牙がほとんどしていたが、なんとか目ぼしい人に絞り、少人数だけどオフ会を開くまでたどり着いた。
まあ人数が増え過ぎても逆に困るので、ビギナーには少ないくらいが丁度いいかなと思った。
最初は三牙が行くと想定していたので、酔って他の参加者と仲良くなりすぎるのも嫌だし、お酒色が強くないお店にしようかと思っていたが、他のメンバーと協議して、やっぱり居酒屋が一番気軽でいいということになった。
まあ結局のところ、居酒屋なら周りもそんなに気にならないから、私が近くで誰かと一緒にオフ会の様子を見ていても大丈夫だろうと思った。
なのに予定外に、三牙の研究がトラブってしまう。
もちろんオフ会の日程はもう変更出来ない。
仕方なく麻智だけが行くことになった。
不安はいっぱいだったし、[みけりす]も[まいうい]も多分いなかったみたいだけど、楽しい時間を過ごせた。
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