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しおりを挟む「ほぉ……」
オリヴィア様の必死の訴えを聞いたサミュエル様の声のトーンが低くなった。
さらに怒りを買っちゃったらしい。
これ、追放だけで済むの? 死亡フラグついてない!?
……まずいな。
「国外追放だけに留めようと思ったが気が変わった。お前には同じ苦しみを味合わせよう。死んだ方が良かったと思うほどにな」
生き地獄……。
オリヴィア様を見れば、グッと親指を立てている。
『やりましたよ!! 褒めてください』みたいにやりきった感をだされても、何もやりきってないし、寧ろ余計に酷くなったんだけど。
一年前から心・が平民なのだから教養があまりないのは仕方の無いことなんだろうけども。
オリヴィア様は、男爵令嬢だけど……自由を求めていた。貴族じゃなく、平民に憧れていたそんなある日、一人の平民の女性に出会う。オリヴィア様はその平民の女性に興味を持つ。
平民の女性は、貴族に憧れを持っていた。オリヴィア様と平民の女性は、魔法によって心を入れ替わった。
学園入学前に、平民の心を持つオリヴィア様は聖女としての力を発揮してしまう。
攻略対象者たちとの交流を交わし、恋をしてエンディングを迎える。
ーーそんな大まかなシナリオがある。その恋路を邪魔するのが悪役令嬢である私で、最後は追放となる存在だ。
それなのに、オリヴィア様の余計な言葉によって追放が無くなってしまった……。
必死になって婚約破棄を阻止したいのはわかるよ。私とサミュエル様が婚約破棄すれば、自然とヒロインであるオリヴィア様が婚約者になるんだもの。
美男子なら良いけど、太ってる人と婚約はしたくないものね。
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