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快楽
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「素敵な部屋だね」
「そうかな。ありがとう」
あれから五日後。私は歩結姫をアパートに招き入れた。
歩結姫を寝室に案内した後、お茶を入れるためにキッチンに向かった。
不思議なことに洗ってない湯呑みが二つある。
記憶にないその湯呑みを見て私は、洗い忘れなのかもしれない。
そう思った。
お湯を沸かしてる最中に、お茶か紅茶か聞こうとして振り返ると歩結姫の姿がなかった。
「……え」
どこに行ったんだろう。バックも靴もある。
トイレかな?
だが、一時間待ってもトイレから出てこなかった。
不審に思ってトイレを確認したけど、誰も居なかった。
SNSを確認しても、ツイートをされていない。
どうしたんだろう。勝手に帰っちゃったのかな。
でも、バックも靴も置いて帰ることはしないだろうけど……。
歩結姫の両親と警察に事の詳細を話した。
ーーーーーーーー
五ヶ月後。
歩結姫が行方不明なまま。
たまにノイズ音は聞こえるけど祖母の姿は見ることはない。
ーー……ピンポーン。
インターホンが鳴り、玄関のドアを開けた。
男性二人がたっていた。警察官だ。
「佐藤⠀茉依さん、ですね?」
「はい。そうですが」
「工藤⠀歩結姫さんのことについてなのですが……」
ーーーーーーーー
《SNS内での書き込み》
{ねぇ、ニュース見た?}
{見たみた。友人を殺して食べてたんでしょ}
{そうそう。本人は殺した記憶が無いらしいんだけど}
{あれって嘘じゃないの。そんなはずないじゃん}
{電波洗脳かもって噂もあるじゃん。記憶障害もあるらしいよ}
{噂でしょ。そんな曖昧なもの、信用できないよ}
ーーーーーーーーー
ーー五か月前。
私、茉依はSNSを見た。いや、見てしまったのかもしれない。
そこには、言葉にしたくないほどの私に対するディスりがツイートされていた。
それを見た瞬間、ずっと心の奥底に閉まっていた感情がプツンと音を立てて切れたような気がした。
……もう、どうだっていいか。
私は歩結姫に連絡した。
ーーーーーーーー
歩結姫をアパートに招き入れた日。
キッチンでお湯を沸かしていた。
予め用意していた睡眠薬を湯呑みに入れ、お茶を注いで持っていく。
テーブルにお茶を置いて、雑談をする。
しばらくしてから薬が効いてきたのか、歩結姫は倒れるように眠りについた。
お茶が入ってる湯呑みをキッチンに持っていく。
それにしても、イライラする。
殺したい願望が強くなる。
殺せばこのイライラが解消されるかも。そう思う。
だから私は、眠っている歩結姫の口にガムテープを貼り、お風呂場まで運び
そして、
鋭い刃物で肩を突き刺した。
血が周りに飛ぶ。
その時にはじめて気がついた。これが快感なんだと。
歩結姫はあまりにも激痛で大きく目を見開いているが悲痛の声は響くことはない。
簡単には死なせない。
何回も急所を避け、刃物を刺す。
刺して抜くの繰り返しもあって私の服は血塗れだ。顔も血で汚れている。
グサッグサッ、グサッ。
気持ちがいい。刺した時の肉が切れている感覚と歩結姫の恐怖に満ちた顔。
ああ、最高。ゾクゾクする。
私はずっと歩結姫に腹を立てていた。それをずっと仕舞い込んでいたんだ。
それが今、開放された。
……ああ、楽しい!!
一度覚えた快感は、きっと忘れることはない。
何度も何度も歩結姫の身体を傷付けた。白目を向いている。きっと、死んでるんだ。
でも私は刺すことを止めない。だって気持ちいいんだもん。
何時間立っただろう?
刺すのに飽きてくると今度は、この死体をどう処理しようか。という問題が出てくる。
……そうだわ。食べてしまおう。
そう思い、歩結姫の身体をバラバラに切断した後、冷蔵庫と冷凍庫に入れた。
シャワーを浴び、血を洗い流し、着ていた服をゴミ箱に入れた。
これで当分はお肉を買わなくて済む。
そういえば、ネットでもニュースでも、イライラしてる子が殺人をする話がよく流れてきてた。
きっと、その人たちも同じ気持ちだったんだね。
新たなストレス発散法を見つけてしまった。
背後に誰かの視線を感じる。
振り向くと、祖母が立っていた。
祖母は悲しそうな表情をしながらゆっくりと消えていった。
こうなることを警告しに来てくれたのだろうが、もう遅い。
私は新たな快楽を知ってしまったんだから。
私はキッチンに向かう。
「?⠀洗ってない湯呑みがある」
なんだろう。ずっとモヤッとしていた気持ちが嘘のように晴れ晴れしている。
???
まぁ、いいか。あっ、歩結姫にお茶と紅茶。
どっちがいいか聞くのを忘れるところだった。
私は振り向いて、寝室にいるであろう歩結姫に声をかけた。
「そうかな。ありがとう」
あれから五日後。私は歩結姫をアパートに招き入れた。
歩結姫を寝室に案内した後、お茶を入れるためにキッチンに向かった。
不思議なことに洗ってない湯呑みが二つある。
記憶にないその湯呑みを見て私は、洗い忘れなのかもしれない。
そう思った。
お湯を沸かしてる最中に、お茶か紅茶か聞こうとして振り返ると歩結姫の姿がなかった。
「……え」
どこに行ったんだろう。バックも靴もある。
トイレかな?
だが、一時間待ってもトイレから出てこなかった。
不審に思ってトイレを確認したけど、誰も居なかった。
SNSを確認しても、ツイートをされていない。
どうしたんだろう。勝手に帰っちゃったのかな。
でも、バックも靴も置いて帰ることはしないだろうけど……。
歩結姫の両親と警察に事の詳細を話した。
ーーーーーーーー
五ヶ月後。
歩結姫が行方不明なまま。
たまにノイズ音は聞こえるけど祖母の姿は見ることはない。
ーー……ピンポーン。
インターホンが鳴り、玄関のドアを開けた。
男性二人がたっていた。警察官だ。
「佐藤⠀茉依さん、ですね?」
「はい。そうですが」
「工藤⠀歩結姫さんのことについてなのですが……」
ーーーーーーーー
《SNS内での書き込み》
{ねぇ、ニュース見た?}
{見たみた。友人を殺して食べてたんでしょ}
{そうそう。本人は殺した記憶が無いらしいんだけど}
{あれって嘘じゃないの。そんなはずないじゃん}
{電波洗脳かもって噂もあるじゃん。記憶障害もあるらしいよ}
{噂でしょ。そんな曖昧なもの、信用できないよ}
ーーーーーーーーー
ーー五か月前。
私、茉依はSNSを見た。いや、見てしまったのかもしれない。
そこには、言葉にしたくないほどの私に対するディスりがツイートされていた。
それを見た瞬間、ずっと心の奥底に閉まっていた感情がプツンと音を立てて切れたような気がした。
……もう、どうだっていいか。
私は歩結姫に連絡した。
ーーーーーーーー
歩結姫をアパートに招き入れた日。
キッチンでお湯を沸かしていた。
予め用意していた睡眠薬を湯呑みに入れ、お茶を注いで持っていく。
テーブルにお茶を置いて、雑談をする。
しばらくしてから薬が効いてきたのか、歩結姫は倒れるように眠りについた。
お茶が入ってる湯呑みをキッチンに持っていく。
それにしても、イライラする。
殺したい願望が強くなる。
殺せばこのイライラが解消されるかも。そう思う。
だから私は、眠っている歩結姫の口にガムテープを貼り、お風呂場まで運び
そして、
鋭い刃物で肩を突き刺した。
血が周りに飛ぶ。
その時にはじめて気がついた。これが快感なんだと。
歩結姫はあまりにも激痛で大きく目を見開いているが悲痛の声は響くことはない。
簡単には死なせない。
何回も急所を避け、刃物を刺す。
刺して抜くの繰り返しもあって私の服は血塗れだ。顔も血で汚れている。
グサッグサッ、グサッ。
気持ちがいい。刺した時の肉が切れている感覚と歩結姫の恐怖に満ちた顔。
ああ、最高。ゾクゾクする。
私はずっと歩結姫に腹を立てていた。それをずっと仕舞い込んでいたんだ。
それが今、開放された。
……ああ、楽しい!!
一度覚えた快感は、きっと忘れることはない。
何度も何度も歩結姫の身体を傷付けた。白目を向いている。きっと、死んでるんだ。
でも私は刺すことを止めない。だって気持ちいいんだもん。
何時間立っただろう?
刺すのに飽きてくると今度は、この死体をどう処理しようか。という問題が出てくる。
……そうだわ。食べてしまおう。
そう思い、歩結姫の身体をバラバラに切断した後、冷蔵庫と冷凍庫に入れた。
シャワーを浴び、血を洗い流し、着ていた服をゴミ箱に入れた。
これで当分はお肉を買わなくて済む。
そういえば、ネットでもニュースでも、イライラしてる子が殺人をする話がよく流れてきてた。
きっと、その人たちも同じ気持ちだったんだね。
新たなストレス発散法を見つけてしまった。
背後に誰かの視線を感じる。
振り向くと、祖母が立っていた。
祖母は悲しそうな表情をしながらゆっくりと消えていった。
こうなることを警告しに来てくれたのだろうが、もう遅い。
私は新たな快楽を知ってしまったんだから。
私はキッチンに向かう。
「?⠀洗ってない湯呑みがある」
なんだろう。ずっとモヤッとしていた気持ちが嘘のように晴れ晴れしている。
???
まぁ、いいか。あっ、歩結姫にお茶と紅茶。
どっちがいいか聞くのを忘れるところだった。
私は振り向いて、寝室にいるであろう歩結姫に声をかけた。
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