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下腹に押し付けられる熱が、先走りでヌルりと滑る。たったそれだけの刺激に、カロクは全身が粟立つような快感を覚えた。
指を引き抜かれた後孔は切なげにヒクつき、腹にのる凶暴な熱を求めてジクリと疼く。起立した自身よりも圧倒的な質量を持つそれが、肉を掻き分け内側へと埋まる想像に、思わずブルリと腰を震わせた。

カロクは無意識に手を伸ばし、その雄の尖端を撫でる。

「ッ‥‥」

すると、微かにサイラスが息を詰めた。
その余裕のない吐息に、カロクの欲が膨れ上がる。そのまま両手で自身の竿と重ねて握り込めば、期待するようにサイラスを上目遣いで伺った。

「‥‥そのまま握ってろ。」

ニヤリと笑みを拡げながら、サイラスが落とす。自身に沿うようにして重なる熱と、ギラつくサイラスの瞳にドクドクと耳のすぐそばで鼓動がなった。
サイラスは片手でカロクの両手ごと重なり合う雄を握る。自分より僅かに体温の低いカロクの指先に、自身の骨ばった指を絡めれば、そのままズルりと腰を引いた。

「ぁッ‥!!」

カロクがその瞳を開きながら、高く鳴く。
瞳から弾けた雫に、サイラスの欲が煽られた。

「あッ‥!! あッ‥‥!!」

そのままサイラスは竿の裏筋を抉るように律動させる。その度に上がるカロクの嬌声と、擦れ合う竿同士の刺激に脳髄が溶けた。

「は‥‥ッ」
「あッ!! あぅ‥ッ!! ンンッ‥!!」

サイラスは浅く息を吐きながら、ガツガツと腰を打ち付ける。その余裕のない動きに、カロクの中がキュゥと切なく疼いた。
ダラダラと溢れる互いの欲が混ざり合い、掌の中で粟立つ。その度にグチュグチュと卑猥な水音が室内をみたし、カロクの耳を犯した。

「サイラス、様‥ッ」

滾るような熱にドロリと思考は溶け、無意識にカロクはその名を呼ぶ。媚びるようなその甘い声に、サイラスの喉がヒクリと上下した。

「カロク‥‥ッ」

それに応えるようにサイラスがその名を呼べば、カロクの瞳が嬉しそうに弧を描いた。

「ん、ぅ‥ッ!!」

そんなカロクの様子に、堪らずサイラスはその唇を奪った。噛み付くようなその口付けに応えるように、カロクはその長いまつ毛を伏せる。
サイラスはそのまま貪るようにその小さな唇に舌をねじ込みながら、その腰を打ち付けた。

湧き上がるこの欲が、果たして愛なのか執着なのか。今のサイラスにその答えはない。
この美しい獣を貪り、頭から爪先まで自分の物にしたい。ただそれだけが頭を占めていた。

「サイラ、さまッ、僕もう‥‥ッ!!」

カロクが唇を離して告げる。
欲に溶け、甘く潤んだ瑠璃を自身のその瞳に捉えながらサイラスは薄く笑う。

「‥ッ、あぁ。一緒に、な‥」

サイラスはそう落とすと、カロクの鈴口を親指で強くえぐった。

「あぁぁッ‥!!!」

しなやかにその背を反らせて、カロクが鳴く。ビクビクと腰を跳ねさせながら、その腹を自身の白濁で汚した。無意識に指先に力が入り、手中の互いの雄を締め付ける。それが絶頂時の胎内の収縮を思わせて、サイラスはその背をフルリと震わせた。

「ッ‥‥!!」

次いで、サイラスがその精を放つ。
妖しく弧を描くその瞳を僅かに細め、浅く息を吐き出しながらカロクの欲に合わせるようにその白い腹を汚した。

「カロクー‥」

欲を全て吐き出すと、愛おしげにサイラスがその名を呼ぶ。その先に、愛の言葉は続かなかったけれど。
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