竜王の花嫁

桜月雪兎

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第一章

45、披露宴パーティー④

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 アリシアたちが玉座に座ると大きなケーキが運び込まれた。
 それはいわゆるウェディングケーキでホイップクリームで花をあしらったり、果物をちりばめられていたりと豪勢なものだ。それも人数に見合うだけのものになっている。
 それはルドワードとアリシアの前に出された。
「ほう、なかなかのものだな」
「そうですね」
「まぁ~、大きなケーキです!」
「結婚のイベントの一つだ」
 その豪勢なケーキに周りも感嘆している様子だ。
 そしてルドワードの言うようにこれは結婚式のイベントの一つ、新郎・新婦でのケーキカットだ。
 担当の侍女がルドワードとアリシアの前にケーキカット用のナイフを持ってきた。
「では、これよりルドワード竜王様とアリシア竜王妃様によるケーキカットをしていただきます」
 ディスタの司会でルドワードとアリシアは二人でカットナイフを持った。
 二人は互いを見合わせて微笑み合っている。その姿はお似合いの二人だ。周りも微笑ましそうに見ている。シリウスやルーク、スカルディアは苦笑していた。
 二人はウェディングケーキの一番下の段の所に一刀を投入した。その一刀がちゃんと入ったことで二人はまた互いを見合わせて微笑んだ。
 周りは盛大な拍手を送った。
 拍手が鳴りやんだところでウェディングケーキは一度下がった。これは最後に全員で食べるために切り分けられるからだ。
 ケーキが仕舞われると今度は周りにあった食事たちも片付られていった。
 ディスタがルドワードの方を見るとルドワードは頷いてアリシアの手を取るとホールの中央に案内した。アリシアは何が始まるのかわからず首を傾げた。
 それが微笑ましくてルドワードは目を細めた。
「ルド様?」
「シア、食事をしてケーキに一刀を入れた後は……ダンスだ」
「はい」
 ルドワードとアリシアがダンスの態勢に入ると明かりを落とされ、二人だけにスポットライトが当たり、曲が始まった。
 二人は互いを見つめあいながら踊った。二人の動きに合わせてスポットライトも動く、それはうっとりするほどきれいな光景だ。
 誰もが息をのみ、頬を染めながら、二人のダンスに見入っていた。
 シリウスやルークたちも玉座からそれを見ていた。
「はは、全員が見入っているな」
「そうですね。二人とも絵になるほど映えていますし」
「つーか、この国のトップが見劣りしていたらだめだろう」
「いやいや、見目はどうしようもない時があるぞ」
「二人とも若く、互いに惚れあっているのです。容姿の問題ではなくその様が人を虜にするのではないでしょうか?」
「そうかもしれないな」
「あの二人がいつまでも仲良くいることがこの国の安泰に繋がるか」
「そうですね」
 シリウスたちはそんな話をしながら二人の踊りを見ている。
 いつまでも二人が仲睦まじく、平安に、幸せに暮らせることを祈って。
 スカルディアは兄夫婦の苦笑しながら見ていた。
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