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第一章
33、結婚式③
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盛大な拍手に見送られ、ルドワードとアリシアはゆっくりと二人のために用意された控室に案内された。
ここはこの後にある竜王城へと続くパレードや出席者の移動などの準備の間に二人に過ごしてもらうために用意されている。
一般的な結婚式でも参列者の移動のため控室が用意されていることもある。これは特別ではないが相手が竜王と竜王妃のためそれ相応の部屋が用意された。
まぁ、かなり広くゆっくりできる場所だ。
二人が控室に入ってそれほど時間が経っていないが訪問者が扉をノックしてやって来た。
入室を促すとそこにいたのはスカルディアやシリウスなど親しい者たちだった。
扉の警護を第一近衛隊員の二人とカイ・ルイに任せた。ジャックスとアルシードもいるので中の警備も万全だ。
ルークもシリウスの護衛兼ユーザリア側の警備要員としてここにいる。
シリウスは皆を代表して祝福の言葉を二人に贈った。
「ルド、アリシア嬢、おめでとう」
「ああ」
「ありがとうございます」
全員に祝福され、二人は嬉しそうに寄り添っている。その光景は本当に微笑ましいの一言だ。
シリウスとルークはアリシアの誘導があったため一度見ているがドラグーン側は初めて見るアリシアのウェディングドレス姿に見惚れていた。
「シア姉、綺麗だ」
「ああ、シアは綺麗だ」
「あ、ありがとうございます」
二人からの賛美にアリシアは恥ずかしそうに頬を朱に染めながら微笑んだ。
その姿に全員がほほ笑ましく思った。アリシアがこのようにありのままの姿を見せれるのはこのドラグーンで受け入れられたからこそだ。
「私、この国に来れてよかったです。ルド様たちと会えました」
「そう言ってもらえると嬉しい」
「私どもも来られたのがアリシア様でよかったと思います」
「ありがとうございます」
アリシアはこのドラグーンに来てからの生活を思い出して嬉しいそうに伝えた。その言葉を聞いた全員が一瞬きょとんとしたがすぐに意味が分かり、これでもかって程破顔した。他の者には見せれないほどだ。
これに答えたのはジャックスだ。ジャックスも最後の方はドタバタしたが、すべてが丸く終わり、それに尽力してくれたアリシアに感謝している。その気持ちをこの場の流れと合わせて礼を述べた。
そんな他愛のない話をしていると扉の方から警備とは別の第一近衛隊委員が準備が整ったことを伝えに来た。
「失礼します。準備が整いました」
「ああ、特に問題はないか?」
「はい、すべて滞りなく進んでいます」
「わかった。すぐに向かう」
「はい」
伝言を伝えに来た隊員はそのまま持ち場に戻った。
ルドワードとアリシアは寄り添い、二人の前後にドラグーン側とユーザリア側の警備要員が守り、二人のすぐ隣を関係者であるシリウスとスカルディアが並んだ。
スカルディアはルドワード側に、シリウスはアリシア側についた。ルークはシリウスとアリシアをすぐに守れるように、シリウスの後ろについている。
そうして二人は全員が待つ、大聖堂の大扉の方に護衛されながら向かった。
ここから先は街道に出る。全ての人に見えるように屋根のない馬車であるがためとても危険だ。
それでもアリシアとルドワードの結婚式を祝福し、一目見ようと集まっている町民たちをないがしろにできないためこのようにした。
これはルドワードとアリシアの希望でもある。
二人の仲は両国の関係を表すことなのでどれだけ危険でも行う必要があるのだ。
だからこそ厳重に警備をしいている。
外に出る前にルドワードは小声でアリシアに告げた。
「シア、何かあったら俺が守ろう」
「ありがとうございます。ですが、私も元は大魔術大国ユーザリアの者、簡単には守られませんよ?」
「はは、そうかな?」
「はい、私がルド様を守ります」
「前のようなのは無しで頼むぞ」
「はい、承知しています」
アリシアが自分を守ると言った言葉にルドワードはこの前のことを思い出した。
好いた相手が身を呈してまで自分を守った、それは嬉しいことなのだろうがルドワードにしてみれば少々苦い思い出だ。またこのようにならないようにアリシアに頼んだ。
アリシアもルドワードを悲しませたいわけではないのですぐに了承した。
二人そろって苦笑した。それを見ていたスカルディアにはこのまま話を続けるような気がしたので注意した。
「おーい、もうここから先は外だから」
「はは、ルドよ。男の沽券に限って守られるだけでいるなよ」
「当たり前だろ、シアは俺が守る。俺の嫁なのだからな」
「ル、ルド様ぁ」
「はいはい、惚気はそこまでにしてください」
スカルディアの注意もシリウスのからかいで意味をなさなかった。シリウスのからかいに真面目に返したルドワードも、その発言に頬を染めたアリシアも普段通りの惚気だ。それに呆れて結局、注意する羽目になったのはルークだった。
惚気と称されたことでルドワードはこれ以上何も言えずに大聖堂の大扉が開いて、パレードになるのを待った。
いまだに少し頬を朱に染めているアリシアの横顔を盗み見ながら。
ここはこの後にある竜王城へと続くパレードや出席者の移動などの準備の間に二人に過ごしてもらうために用意されている。
一般的な結婚式でも参列者の移動のため控室が用意されていることもある。これは特別ではないが相手が竜王と竜王妃のためそれ相応の部屋が用意された。
まぁ、かなり広くゆっくりできる場所だ。
二人が控室に入ってそれほど時間が経っていないが訪問者が扉をノックしてやって来た。
入室を促すとそこにいたのはスカルディアやシリウスなど親しい者たちだった。
扉の警護を第一近衛隊員の二人とカイ・ルイに任せた。ジャックスとアルシードもいるので中の警備も万全だ。
ルークもシリウスの護衛兼ユーザリア側の警備要員としてここにいる。
シリウスは皆を代表して祝福の言葉を二人に贈った。
「ルド、アリシア嬢、おめでとう」
「ああ」
「ありがとうございます」
全員に祝福され、二人は嬉しそうに寄り添っている。その光景は本当に微笑ましいの一言だ。
シリウスとルークはアリシアの誘導があったため一度見ているがドラグーン側は初めて見るアリシアのウェディングドレス姿に見惚れていた。
「シア姉、綺麗だ」
「ああ、シアは綺麗だ」
「あ、ありがとうございます」
二人からの賛美にアリシアは恥ずかしそうに頬を朱に染めながら微笑んだ。
その姿に全員がほほ笑ましく思った。アリシアがこのようにありのままの姿を見せれるのはこのドラグーンで受け入れられたからこそだ。
「私、この国に来れてよかったです。ルド様たちと会えました」
「そう言ってもらえると嬉しい」
「私どもも来られたのがアリシア様でよかったと思います」
「ありがとうございます」
アリシアはこのドラグーンに来てからの生活を思い出して嬉しいそうに伝えた。その言葉を聞いた全員が一瞬きょとんとしたがすぐに意味が分かり、これでもかって程破顔した。他の者には見せれないほどだ。
これに答えたのはジャックスだ。ジャックスも最後の方はドタバタしたが、すべてが丸く終わり、それに尽力してくれたアリシアに感謝している。その気持ちをこの場の流れと合わせて礼を述べた。
そんな他愛のない話をしていると扉の方から警備とは別の第一近衛隊委員が準備が整ったことを伝えに来た。
「失礼します。準備が整いました」
「ああ、特に問題はないか?」
「はい、すべて滞りなく進んでいます」
「わかった。すぐに向かう」
「はい」
伝言を伝えに来た隊員はそのまま持ち場に戻った。
ルドワードとアリシアは寄り添い、二人の前後にドラグーン側とユーザリア側の警備要員が守り、二人のすぐ隣を関係者であるシリウスとスカルディアが並んだ。
スカルディアはルドワード側に、シリウスはアリシア側についた。ルークはシリウスとアリシアをすぐに守れるように、シリウスの後ろについている。
そうして二人は全員が待つ、大聖堂の大扉の方に護衛されながら向かった。
ここから先は街道に出る。全ての人に見えるように屋根のない馬車であるがためとても危険だ。
それでもアリシアとルドワードの結婚式を祝福し、一目見ようと集まっている町民たちをないがしろにできないためこのようにした。
これはルドワードとアリシアの希望でもある。
二人の仲は両国の関係を表すことなのでどれだけ危険でも行う必要があるのだ。
だからこそ厳重に警備をしいている。
外に出る前にルドワードは小声でアリシアに告げた。
「シア、何かあったら俺が守ろう」
「ありがとうございます。ですが、私も元は大魔術大国ユーザリアの者、簡単には守られませんよ?」
「はは、そうかな?」
「はい、私がルド様を守ります」
「前のようなのは無しで頼むぞ」
「はい、承知しています」
アリシアが自分を守ると言った言葉にルドワードはこの前のことを思い出した。
好いた相手が身を呈してまで自分を守った、それは嬉しいことなのだろうがルドワードにしてみれば少々苦い思い出だ。またこのようにならないようにアリシアに頼んだ。
アリシアもルドワードを悲しませたいわけではないのですぐに了承した。
二人そろって苦笑した。それを見ていたスカルディアにはこのまま話を続けるような気がしたので注意した。
「おーい、もうここから先は外だから」
「はは、ルドよ。男の沽券に限って守られるだけでいるなよ」
「当たり前だろ、シアは俺が守る。俺の嫁なのだからな」
「ル、ルド様ぁ」
「はいはい、惚気はそこまでにしてください」
スカルディアの注意もシリウスのからかいで意味をなさなかった。シリウスのからかいに真面目に返したルドワードも、その発言に頬を染めたアリシアも普段通りの惚気だ。それに呆れて結局、注意する羽目になったのはルークだった。
惚気と称されたことでルドワードはこれ以上何も言えずに大聖堂の大扉が開いて、パレードになるのを待った。
いまだに少し頬を朱に染めているアリシアの横顔を盗み見ながら。
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