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しおりを挟む「守備守衛に関しては堀を掘って、土塁を築いて、塀を設けるべきですね。出入口は門と門番をおいて、つり橋を築けばかなり良いと思います」
「ですが、それだけで魔力消費が大きいのでは?」
「うう~ん。どうだろう?でも、これはすぐにでも必要だよね?」
「そうですね。つり橋を上げるだけで出入りできなくなるので安全かと」
「そうですね。門番は見張りと言う意味合いが大きいのでそこまで戦闘力はすぐには必要になりませんから」
「その間に育てれば良いですので」
「わかった。早めにしよう!」
ルーカスは別の紙に優先順位を着けて書いていった。
「食料確保は暫くは問題ないでしょう。各所から少しずつ購入等すれば良いので」
「そうですね。肉に関しては定期的に確認してから決めましょう。全て急に連れてきたので土地に根付いてくれないと」
「うん、そうだね。みんなちゃんと繁殖してほしいなぁ」
ルーカスは土地ごと連れてきた生き物たちがちゃんと繁殖できるように願った。
急に連れてきたので環境が変化する可能性が高いからだ。
急激に環境が変わると全滅の可能性もあるので心配しているのだ。
「最後に住民確保だね。こればかりは募集をかけるしかないですが、どこにかければ良いのやら」
「そうだよね、どうしよう」
「いくつか心当たりはありますよ」
「本当?!」
「はい。今まで色々任務に向かっていましたので、増税に苦しんでいる村や街もありますし、戦争をしている場所も実はあるのでそこの難民を受け入れればよろしいかと」
「わかった、その案を受け入れるよ。今調査に出てる騎士団にそっちを優先させるように伝えて。苦しんでいる人がいるならすぐに連れてきてあげて」
「了解しました」
アルフォートはすぐに調査に出ている騎士団へ『念話』で伝えさせた。
任務に出ている騎士団の中にはメルトと繋がっている者か、スキル『念話』を持っている者がいるようにしている。
実は便利なスキル『念話』だが、スキルを使いこなすまで色々と問題が起きることがあり、スキル保持者は気味悪がられ、居場所を失くし、路頭に迷うのだ。
そして、最後にはスキルを使いこなすまでに命を落としていった。
それを知ったルーカスは彼らを受け入れた。
ルーカスは彼らを気味悪がることなく、スキルを使いこなすまで面倒をみた。
それにより、スキル『念話』の便利性が見直されたが、彼らは自分たちを救ってくれたルーカス以外に仕える気はなかったし、捨てられた家に帰る気もなかった。
「団長、ミミに伝えましたよ~」
「ああ、ミミは大丈夫か?」
「元気でしたね。もう子供じゃないんだからって拗ねてましたよ」
「拗ねてる段階でまだ子供だな」
「ははは、違いないですね」
「ミミも調査の方に居たんだ」
「はい、本人が希望しまして」
「そっか、元気ならいいんだ。他のみんなも大丈夫?」
「元気すぎるくらいですよ。でも、ルーカス様に心配されたと分かったらもっと張りきるでしょうね」
「そう?」
「「「はい」」」
「ふふふ」
ルーカスは嬉しそうに微笑んだ。
みんなが元気なのが嬉しいのだ。
そんなルーカスの笑顔を見れた三人は微笑ん…いや、だらしなく頬を緩ませていた。
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