スキル『箱庭』で国造り~母国を追放されまして~

桜月雪兎

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ルーカスが目覚めたのは翌日の朝だった。
夕食時にサリバンが起こしに行ったが起きなかった。
アルフォートから見てただの魔力消費限界による回復のための眠りだったので無理に起こさないようにすることで話がついたのだ。

「んん~、おはよう」
「おはようございます、ルーカス様」
「おはようございます、気分等はどうですか?」
「うん、すっきりしてる。僕、朝まで寝ちゃったんだ」
「魔力を限界まで使った結果ですね。途中で気分等悪くなりませんでしたか?」
「全然、眠気が段々強くなる感じはあったけど。最後は急激に強くなった感じだった」
「そうですか。では、眠気が出始めましたら教えてください。『魔力回復』が追い付いていないようですので、休みましょう」
「うん」

ルーカスは素直にうなずいた。
ルーカスも周りに心配をかけたいわけではないので、原因が分かっており、対処法があるのであればそれを守ればいいのだ。
ルーカスは勧められるままに昨晩入らなかったお風呂に入った。

ルーカスはお風呂に入っていて気付いたことがある。
それはこのかれた土地と言われているナバラス平地に水源があるのかってことだ。

「ねぇ、このお風呂の水はどこから?」
「これは持参の水属性魔石と火属性魔法です」
「水属性魔石かぁ。無くならないうちに水が出るところがいるね」
「そうですね、魔石とは言え、永久ではありませんので」
「そうだね。何か良い手はないかなぁ」
「魔石の鉱山でもあればよいのでしょうが。もしくは魔獣討伐ですね。ですが、魔獣討伐の場合は属性魔石でないことが多いです」
「それ以前に魔石自体がなかなか出ませんのでおすすめできませんね」
「だよね。少し考えてみるよ」
「「はい」」

ルーカスはそう言うとお風呂からでた。
そして、朝食をとるとルーカスはサリバンとアルフォートと一緒に執務室に向かった。
ルーカスは執務机に着いてスキル『箱庭』の画面を出してそれを紙に書き写した。
その間、サリバンとアルフォートは応接テーブルで開拓の必要があるモノの書き出しをしていた。

「できた!」
「出来ましたか?」
「うん。これで良いの?」
「はい、助かります」

ルーカスは応接テーブルの方に行き、書いていた紙を広げた。
これは全員で話し合うのに見易くする為にアルフォートがルーカスに頼んで書き写して貰ったのだ。
内容としては……。


【『箱庭:F』
 国名 :コンラート帝国
総人口 :601名
帝都名 :グレゴリー
土地名 :ナバラス平地、風の渓谷、死の森、命の泉、アルヒナの森、ナバの川、セキーラ草原
 街名 :アルス街、ナナバ街、ミルキー街
 村名 :ルルス村、ヒナト村、セーラ村、キーラ村、ウバル村
 産業 :麦、コッコの卵、モームの乳、野菜

可能建築:堀、塀、土塁、物見櫓、門、家、屋敷、畑、田んぼ、井戸、サイロ、家畜小屋、柵、花壇、街灯、つり上げ橋、橋、池、川、浄水場、上水道、下水道、焼却場、公園、集会場、道路

スキル技:市町村制作、住民鑑定、建造物素材ランクアップ、建造物改装、地形操作】


こんな感じだった。
そして、サリバンとアルフォートが紙に書いた内容の方はこうだった。


【水源確保:飲み水、畑等の溜め池
 守備守衛:城壁、堀、物見櫓、守備兵確保、訓練所
 食料確保:作物制作、魔物・獣の肉確保、家畜飼育
 住民確保:住民募集、各家の確保】


「水源の確保はルーカス様の井戸や池等で可能ですね」
「川もありますね。魔力消費がどれ程かわからないので今はできませんがいずれは景観を兼ねて通してみたいですね」
「うん。川が流れて、花が咲き誇っているのってキレイだよね!」
「「はい」」

ルーカスが笑顔で言うとサリバンもアルフォートもそれを微笑ましく受け入れた。




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*修正しました。(R2/8/24)

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